ショキン…ショキン…
とカメコがハサミで小気味良く髪を切る音が室内に響く。
やがてカメコは満足そうに髪の仕上がりを見て心の中で呟く。
(完璧だ…これなら問題ない。)
だがいざ散髪代を受け取ろうというときになってカメコは散髪の腕前を誉められたので自分が何かとんでもないミスをしたことを確信した。
一体何故?
16年11月28日 22:04
【ウミガメのスープ】
[松神]
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母「へえ、あんたいつの間にこんなに髪切るの上手くなったのかしら?」
カメコ「え、お、お母さん何言ってるの?これは美容院でやってもらって…」
母「へえ?じゃあこの紙袋に入ってる大量の髪は何なのかしら?」
しまった。ばれないようにこっそり可燃ごみと一緒に出すつもりだったのに、まさか中身を見られるとは。
というか母よ、それはあまりにも不躾なのではないだろうか。
母「あんたが最近妙に高い美容院に行きたがるから何事かと思ってたけど、まさかこんなこととはね。
これじゃあ散髪代は渡せないわねー」
カメコ「そ、そんな!そんな御無体な!私このためにかなり頑張ったんだよ!」
母「あんたどんだけがめついのよ…はあ、仕方ないわね。」
母「…じゃああげても良いけど、条件があります。」
カメコ「う…それで本当に、お金くれるなら…良いよ。」
母「私の髪を切りなさい。毎回私の髪をあなたが切ってくれるなら、私もその度に散髪代をあげましょう。
上手く出来たら色もつけてあげるわよ。」
カメコ「お…お母さん!いや、お母様!!ありがとうございます!不肖カメコ、精一杯切らせていただきます!」
総合点:2票 トリック:1票 伏線・洗練さ:1票
トリック部門KUZUHARA【
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「問題文の情景が解説文では魔法にでも掛けられたように美しく溶け、変容する、手慣れたガラス工芸を見るような心地のある問題であります。また、問題の精巧さと回答のネタネタしい雰囲気のギャップも回答者を飽きさせません。」
2016年11月28日22時
伏線・洗練さ部門春雨【
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「「散髪代」というワードが巧み。」
2017年03月01日23時