ある日、息子が知らない人を描いたんです
息子は「この人に会いに行こうよ」というので
私はその人に会いに行くことを決めました
いったい何故だか、わかりますか?
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※【息子が知らない人=父親を描いていた私は
知らない人にも関わらず、息子が会いに行こうと言うで
父親に息子を会わせてあげたいと心に決めた】
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私には……昔愛し合っていた人がいました。
私なんかとは住む世界が違う人
私はしがない絵描きで、彼は或る大財閥の御曹司
相手の親のなすがままに別れ別れになってしまった。愛しい人
もう会えなくなる……そんな時に【私は彼との子供を身篭っていたのです】
それから幾年が過ぎました
私は子供を育てながら細々と絵を描いていました
今日、描いていたのは―――あの時愛したあの人、息子が知らないあの人を描いていました
「その人、誰?」
背中から、息子の声がしました
「母さん、その人のこと、よく描いているよね……好きなの?その人のこと」
私は「そうよ」と、ただ一言返すことしか出来ませんでした
「―――会いに行こうよ」
息子が、そう言いました
「そんなに好きな人なら、会いに行こうよ。母さんがそれくらい好きな人なら僕も会いたいよ」
息子にそう言われて、私は自分の気持ちに、改めて気付かされました
―――私は彼に会いたい。そして、彼に息子を会わせてあげたい
私は、そう心に決めたのです
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今、私は変わらず絵を描いています
絵の中には、私と、小柄な男の子
そして、私の肩に手を添えている男の人が一人います
――【会いに行こう】――
総合点:1票 言葉遊び:1票
言葉遊び部門苔色【
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「この一行目。解説を読んで声が出そうなほどの言葉遊びとミスリードです。」
2017年09月27日22時