如月スミレによる大人気漫画『しあわせの手前』は、第241話で、主人公リエの突然の事故死という衝撃のラストを迎える。
これを読んだファンたちは失意のどん底に落とされ、"リエロス"なる造語も生まれた。
ところでこの第241話には謎がある。
直前の第240話や第239話と比較すれば一目瞭然だが、
絵が下手くそなのである。
これには一体、どういう理由があるのだろうか?
16年02月14日 20:28
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[牛削り]
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あーあれね、よく質問を受けるんですよ。
ええ理由は、はい、ありますよ。
私ね、『しあわせの手前』は、はじめからあのラストにするって決めていたんです。
ご都合主義的に恋愛がうまくいって、ステレオタイプな幸せを掴もうとした矢先の、理不尽すぎる死。これを描きたかったんです。
ただね、ちょっと自信がなかったんです。
リエとコウヘイの恋愛を描き続けていけば、当然キャラに対する愛着が湧いてくる。
その時、果たして私は、当初の想いを貫けるのかってね。
第240話までを読めばわかると思いますが、最後、リエを死なさないこともできたんです。
第240話まで描いてから第241話に取り掛かったとすれば、私はリエを殺さず、安易なハッピーエンドに持っていったかもしれません。
それを避けたかった。
最終話である第241話、あれね、だから、第1話の直後に描いたんです。
思わず連載が長引いて絵柄が変わってきてしまいましたが、第240話まで描いてきた私には、リエが死ぬシーンをもう一度描き直すなんてできませんでした。
世間ではリエロスなんて言って私のことを恨んでいるファンもいるようですが、一番リエロスなのは、他でもなく私なんですよ。
ええ、はい、しばらく新作は描かないつもりです。
【要約解説】
連載開始当初から、主人公リエが死ぬことは決まっていた。
如月スミレは、自分がキャラに愛着を持ちそのラストを変更してしまうかもしれないと危惧し、初めから最終話を描いておいたのである。
長期連載で絵柄が変わってきたため、初期に描いた最終話が直前の話と比べて下手くそに見えるのだった。
総合点:1票 納得感:1票
納得感部門ツォン【
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「問題を作る側の私には、あるあるだと強い納得感を覚えます。」
2016年02月14日21時