友人は「ハワイに行ってきた」と自慢したが、男は友人の小麦色に焼けた肌を見て、ハワイに行ったなんて嘘だと気づいた。
どういうことだろう?
15年03月17日 23:07
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[とかげ]
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久々に会った友人は、男の方が尋ねる前に、日に焼けた肌の理由を話してきた。
「実は先週、彼女とハワイに行ってきたんだ」
「へぇ、旅行? ていうかお前、彼女いたのかよ」
「あれ? 言ってなかったっけ」
友人はいかにも自慢げににやにやと笑う。
「日差しがほんっと強くてさー。見てよ、もう肩なんてボロボロ」
友人は服を脱いで、自分の肩を見せてくる。確かに、皮がむけた跡が痛々しい。
「こんなに焼けるもんなのか。海で焼いただけ?」
「そう、ビーチで昼寝したら、すぐこんなになっちゃってさー」
ズボンも脱いで、小麦色の足を見せつける。
「彼女は日焼け止め塗ってたんだけど、それでも少し黒くなったかなー」
「ふーん。ハワイって、やっぱり日本人多いの?」
「多かった多かった、そこら中日本人だらけよ」
脱ぎ捨てた衣服をかごに入れながら、友人はビーチの様子をこまごまと語り出す。
生返事で答えていた男は、ふと違和感を覚えて、銭湯の湯船に向かう友人の後姿を視線で追う。
小麦色に焼けた尻を見ながら、男はぽつりと呟いた。
「ほう。お前は全裸でビーチにいたのか」
友人は全身小麦色だった。
それはもう、水着の跡すらなかった。
END
銭湯で会った友人は、水着で隠れるはずの尻も日に焼けていたため、男は友人が日焼けサロンに行っただけだと気付いたから。
総合点:1票 納得感:1票
納得感部門からてちょっぷ【
投票一覧】
「ハワイに行ったはずの友人が日焼けをしているのに、それが嘘だと分かる? …これじゃあばれて当たり前でした。ツメが甘い!」
2016年01月19日21時