ウミガメのスープ問題で有名になったカメオ。
NOと答え続けたカメコはやがてYESと答え、
カメオは初めてカメコの家で靴を脱いだ。
一体どういう事だろう?
14年06月23日 21:50
【ウミガメのスープ】【批評OK】
[のりっこ。]
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とある海の見えるレストラン。
提供したウミガメのスープで食中毒問題を起こし、
それを注文したカメタという少年は意識不明の重体となり、
数日後に他界した。
レストランの経営者であるカメオは泣きながら各TV局のカメラの前で土下座し謝罪した。
各メディアやマスコミから食品衛生管理の問題点等を徹底して追求され、
食事も喉を通らず、睡眠もろくにとれず、
やつれた表情で深い罪の意識に苛まれ続けるカメオ。
若くして還らぬ人となってしまったカメタは、
シングルマザーであるカメコとふたりで暮らしていた。
カメコにとって、わんぱくで明るい、それでいて優しく母想いのカメタは、
本当に、本当に、大切な、唯一の宝だった。
カメオはカメタの通夜でも、葬式でも、
泣きじゃくる母カメコに門前払いを食らった。
鬼、人殺しと罵られ、
どうしてあなたなんかがウチに来れるのですか、
帰ってください、帰って………
帰れ!!!!!と物を投げられ………
少し離れた場所から、強く手を合わせて、
止めどなく溢れ流れ続ける塩辛い涙を噛み締めながら、
目を閉じ、深々と頭を下げる事しか、
カメオには出来なかった。
その後も、連日、連日、連日、
カメオはカメコの家を訪れた。
どうか………どうか………
息子のカメタさんに………
線香を…上げさせてください………
お願い致します………
どうか……………
カメコの対応は同じだった。
大切な、愛する息子を失った私の気持ちが
あたなみたいな人間にわかるものですか
迷惑です
迷惑なんです
カメオは苦しみの中で、
それでも、もっと、もっと、
もっと、もっともっと、
とてつもなく辛いのはカメコさんなんだと
唇を噛み締めた。
どうして良いのかわからない…
苦悩の日々が続いた。
それでも、
私は………
カメタさんに、
線香を上げたいのです。
カメオは諦めなかった。
迷惑でも、鬼でも、人殺しでも、
それでも………
数年後も、カメオはカメコの元を訪れ続けていた。
そんなある日。
カメコ『カメオさん。
私は、カメタを奪ったあなたを、決して許しません。
それは絶対に、絶対に私の心が許しません。
迷惑なんです。
それは変わりません。
カメタが、あなたに線香を上げられて、
天国で一体どの様な気持ちになるでしょう…
少なくとも、笑って喜ぶ筈はありません。
………だけど、あなたの数年間は、
きちんと見させていただきました。
本当に、息子への想いを込めて、
カメタに………
カメタに手を合わせてください。』
これまで、カメオを家に上げて線香を上げさせる事に対し、
NOの一点張りだったカメコは、
その日、初めてカメオを家に上げ、
笑顔でピースしている2次元のカメタが居る仏間に通した。
カメオは痩せこけてシワくちゃになった顔面いっぱいを濡らし、
深々と頭を下げ、
天国のカメタに向けて手を合わせた。
総合点:1票 物語:1票
物語部門天童 魔子【
投票一覧】
「ラテシンぽくて実は現実的な問題。すごく良いですね」
2014年11月28日16時