チャンピオンとは名ばかり

ボクサーのチャンピオンであるたか君は電車に乗るのが大好き。毎日ジムまで電車に乗って行っている。



今日も朝早くに電車乗ったたか君はラッシュの中、電車の中で立っていた。かなり混雑していたので汗をかきながらじっと耐えていた。



しかし朝早くに乗ったので、たか君は眠たくなる。汗をかきながら睡魔との戦い。



目の前の椅子にはたか君の試合を何回か見にきてくれてるファンがいた。ファンもたか君だと気付き、少しの談笑をした。



ダメだ・・暑いし眠い・・



カバンからタオルを取り出し汗を拭き、タオルの端を服の中に投入した。



しかしそれもつかの間、強烈な睡魔に襲われた、たか君は立ったまま一瞬、眠ってしまい膝から崩れ落ちた。



たか君「くっ、こんな恥ずかしい姿をファンに見せることになるとは・・」



ファン「たか君、眠たいんですか？席かわりますよ！」



なんていいやつなんだ！たか君は半寝状態だったのでありがたく席を譲ってもらい、席に座った。



こんないいファンをほっとく訳にはいかない。たか君はいつもの癖で頭から水をかぶった目を覚まさせる。



ファンも俺と話がしたいだろう。頭をタオルで拭きながら、ゆっくりと顔をあげるたか君。



そこにはとてもとても冷たい眼差しのファンがいた。



ファン「あんたなにやってんの？電車の中で頭洗って、床も席も私もびちょびちょなんですけど！意味わかんねーよ！バーカ！」



そう言い残すとファンは降りて行った。









たか君「ふぅ、これからは練習がてら走ってジムに行こうっと・・」