【ラテクエ 10】輝く栄冠の陰で

海亀高校は中堅の県立高校、部員は少ないながらも限られた練習時間や場所を最大限に活用し、甲子園に向けて猛練習をしていました。

バキッ！

海野「!　ぐぁっ！」



ところが、連日の練習で疲れがたまっていたのか、大会を目前にして海野が怪我をしてしまいます。

挑戦する前から夢を断たれ、絶望する海野に、唯一の3年生で、キャプテンの亀島は誓います。



亀島「俺達は、必ず甲子園に行く！ お前の怪我が治るその日まで、海亀高校はは負けない。」



海野のためにもと士気の上がった海亀高校は、強豪の私立も打ち破り、決勝戦にコマを進めます。

相手は最近急成長してきた山垂高校、どちらも勢いに乗っており、緊迫した試合が続きます。

最初に均衡を破ったのは海亀高校、ホームランで2点を先制します。

ところが、9回の裏、安打と四球で2死満塁のピンチを迎えます。

亀島の魂の一球は無情にも打ち砕かれ、スタンドで応援する海野の元へと運ばれていきました。



『9回裏、逆転満塁サヨナラホームランで山垂高校甲子園初出場!』



こんな地元新聞の見出しの陰で、海野達の夏はすがすがしくもあっけなく終わり、亀島は引退していくのでした。





この夏も全国を沸かせて幕を閉じた甲子園。

破れ去って行った高校にもまた、ドラマがあるのです。