オペレーション:カメオ

答：C国に勝つためにA国に協力を求める



【頭のなかにあるムダに長い解説】

A国は軍事大国C国との戦争に敗れ、C国の監視下に置かれていた。



B国はC国とは表立った敵対関係にはなかったが

A国が敗れた今、C国に攻め込まれるのは時間の問題だった。

B国軍とC国軍の戦力差は歴然。

攻めこまれれば為す術もなく敗れてしまう。



B国はC国に先立って攻めこむことを決意する。

だが、ただ攻めこむだけでは敗戦は必然。

繊細かつ大胆な作戦の立案と遂行が求められた。

B国軍の出した結論は

「A国軍の蜂起を促し、C国を挟み撃ちにする」



A国はC国の監視下にあり、軍はその機能を失っていた。

兵士だった者は僻地への労働に駆りだされ、

将官だった者はC国軍の目の届く下級役人へと身をやつしていた。



A国への協力を取り付ける任務を負ったカメオは

散らばったA国軍の構成員を調べ上げ、地方警察で働いていた田中に目をつける。

警察であれば接触できると踏んだのだ。

軍と密接な警察への接触は危険が大きいぶんC国の意表を突くのにも役立つだろう。

それでも慎重には慎重を重ねなければならない。

露見すればカメオの死のみならず、直ちにB国が攻め入られることは明白だ。



観光客を装いA国に潜入したカメオは居酒屋で酔って暴れ、警察に通報される。

逮捕しにきた警官の中に田中を確認したカメオは

酔いつぶれた風体のままシラフの声で話しかけた。

「田中さんですね。話したいことがあります。」



それからは田中の綱渡りの日々が続く。

カメオはただの酔っ払いとみなされ釈放後すぐに帰国。

告げられた決行日に間に合わなければ今度こそ国は完全に滅ぶ。B国とともに。

散り散りとなった同胞に届くかどうかもわからない声を送った。

確実なことなど何一つない。

だが既に劣悪な環境にあった彼らに失うものは無かった。

田中はことあるごとにカメオの言葉を思い出していた。

「この作戦はB国のためだけでなく、A国が主権を取り戻す最後のチャンスだ。」



そしてついに作戦決行の日が訪れる。

B国軍はC国へ宣戦布告し即日攻め入り、同時にA国各地で反乱の火が上がる。

C国軍はAB両国の戦力を上回っているが2方向からの攻撃に混乱に陥った。

戦局を立て直せば勝利は見えているが、大きな犠牲が出る。

C国が真の敵とみなしているのは海を挟んだ大陸に位置するD国なのだ。

C国はAB両国に和平を打診した。



こうしてA国B国は勝利を手にした。

ABC三国がD国に飲み込まれる少し前の話だ。

【完】



よく考えたら万全の準備じゃないですねこれ。

解説書いてるうちに変な方向に。