勝負は大詰め。
シンディの手札が一枚、ライナーの手札が二枚で、シンディが引くターン。
これでシンディがババを引かなければシンディの勝ち、ババを引いてしまったら更に勝負は持ち越しという場面である。
その結果は、シンディがババではない方のカードを引いて勝ちとなった。
この勝負、シンディがライナーに顔を意識させたために勝てたのだという。
シンディは一体どうやって勝ったのだろう?
シンディ&ライナー出演問題。
瞳にカードが映ってましたか?
NO
ライナーに意識させたのは、ライナーの顔ですか?
NO [良い質問]
ライナーはポーカーフェイスを意識していましたか?
YESNO 一応、表情でばれないように意識はしていたかもです。
シンディのとった方法はイカサマですか?
NO [良い質問]
シンディはどちらがババなのか見抜いた上で、カードを引いたのですか?(誤字修正) [編集済]
YES!!! [良い質問]
J、Q、Kは重要ですか?
YES!!!鋭い!!! [良い質問]
2より。意識させたのは、シンディの顔ですか?
NO [良い質問]
ライナーに意識させたのはジョーカーの顔で、ジョーカーの顔を見させ、その目線でどちらにジョーカーがあるか見破りましたか? [編集済]
NOですが、それでも成立する可能性もありました!ほぼ正解に近い! [良い質問]
最後に残っていた、ババではないカードの絵柄が何だったのかは、重要ですか?
YES!!!というか、↑でほぼ出ている通り、そういうことです。 [編集済] [良い質問]
ライナーはカードを引かれる瞬間ホッとしましたか?
NO
タイトルよりカードの向きは重要ですか?
NO 「カードの向き」というより……! [良い質問]
顔とはカードの顔ですか?
YES!!!まとめてください! [良い質問]
ライナーはジョーカーでない方(J、Q、K)の顔ばかり見ていたのでジョーカーがどちらかバレましたか?
YESNO 結果的にそうなりました。
J、Q、Kの顔を意識させることで、そちらがJ or Q or Kでジョーカーではないことを見抜きましたか?
YES!!!正解!!! [正解]
J.K.Qのカードに書かれた顔を意識させて顔を見るように仕向け、目線の向きでカードがどちらか見破りましたか? [編集済]
YES!!!正解!!! [正解]
JQKいずれかのカードの顔の向きについて、「それぞれの向きには意味があるんだよ〜」てきな豆知識を披露することで、ライナーの視線の移動を見破りましたか?
YES!!!まさに!一応、向きの意味までは要知識問題になってしまうので特定不要です! [正解]
シンディ「残りの絵札、実は目がマークの形なんだ。」(シンディには当然ペアがあるから分かる)ライナー「ん~そうか?」シンディ「そんなに顔を近づけると眼鏡に反射するよ」ですか?
NO ですがそれはそれで!
「確率は二分の一なんだから、悩むだけ時間の無駄だろう?」
カードから視線を外し、そのまま視線をライナーへ移すシンディ。人の心を見透かすかのようないつもの目に戻る。
「いやいや、そんなことはないよ。それこそこういうシンプルなゲームこそ、人間の心理や癖が出てきて奥が深いものさ。たとえば……統計上、キミはババを向かって右側に持つ癖がある……」
当然ながら、シンディがカマをかけて反応をうかがっているということをライナーは察した。
「さぁ、どうだったかな。全く意識していなかったよ」
なんとか大人の余裕を見せるライナー。
二人の間に沈黙が続いた。
「……ババってさ……つまりジョーカーのことだけど。なんでトランプの中で強い立場になっているか知っている?」
先にその沈黙を破ったのはシンディ。
「……いや、ババ抜きではむしろ一番弱い……というか、持っていたら負けのカードだろう?」
「まぁ、そうだけどね。けど、ほかのトランプのルールだとワイルドカードであることは珍しくないだろう?キング(王様)やクイーン(女王)よりも強いケースなんてザラにある。どうしてだか、わかるかい?」
「さぁね。絵柄的に悪魔や死神っぽいから、人間よりも上の存在ってことかな?」
フフン、と明らかにライナーの発言を鼻で笑うシンディ。
「ジョーカーっていうのは道化を表しているというのが定説。『Joker』……ジョークを言うもの。」
大人の余裕を崩さないことを意識し、シンディに鼻で笑われたことに関しては特に気にもかけないフリをしてライナーは聞き返す。
「道化だったら、なおさら王様や女王様より立場が上になることが不思議だが……?」
ライナーが呈した疑問に、シンディはすぐさまいつもの調子に戻って語りだした。
「一説では、道化は王様を楽しませることが出来て、機嫌をよくさせることから人並み以上に発言権があったとも言われている。また、風刺やジョークで政治にもチャチャを入れて大きな影響を与えることが出来ることから、ある意味では王様以上の力を持つことにもなりえた。それがジョーカーをキング以上の最強カードだとする由来とも言われているんだ。ま、諸説あるけどね」
「ほほう……」
ライナーは素直に感心する。その様子を見て手ごたえを感じたシンディは、さらに畳みかけるように話しを続けた。
「あとさ、キングやクイーンで思い出したけど。絵札の顔の向きって意識したことある?」
「……いや。なんとなくいくつか種類があるなということぐらいは漠然と思っていたが……」
シンディの目が一瞬だけ光り、さらに長い語りが始まった。
「まずはトランプのマークに意味があることを知ってほしいんだけどね。【ハート=愛】【ダイヤ=お金】【クラブ=知識】【スペード=死】を表しているんだ。で、ジャック・クイーン・キングはそれぞれのマークに一枚ずつ、全体で計四枚ずつあるということは当然わかるよね。」
「う、うん……」
「ジャック(若者)の場合。ハートは真横を向いて、マークそのものを見ている。これは若いうちに一番関心があるのは『愛』だから!そしてダイヤは少しだけ横向きでマークに視線を向けている。『お金』に興味関心はあれど、愛ほど優先順位は高くないということ。クラブだと、ダイヤと真逆を向いて目をそらしているかのような状態。若いうちは『知識(=勉強)』を意識するのは好まないようだね。……で、スペードにいたっては完全に真逆を向いている。若者にとって『死』は全く意識しないものだからさ!」
「へぇ、なかなか考えられているんだね。ん?若者(ジャック)にとって……ということは、キングやクイーンはまた別なのか?」
「そう!よく気付いたね!」
更にエンジンがかかってきたシンディ。
「キング(王様≒老人)はハートに関しては少し横向きで見ていて、若者(ジャック)ほど興味はない。『愛』は若いころに十分知ったからかな?そのかわり、ダイヤに対して真横を向いて真っ直ぐ見つめている。やはり年月が経つと『お金』の大事さが身に染みてわかるようだ。そしてクラブもハートと同じく横向きで少しだけ視線を向けている。『知識』の大切さは年を取ると意識するものなんだね。最後にスペードは目をそらしている。『死』をできるだけ考えないようにしているけど、若者(ジャック)の時ほど完全に無視はできないというのが悲しいね……キミも思うところがあるんじゃない?」
「な……!私はまだ若者だ!断然ジャック派だ!」
「あはは、そう思っていてもすぐに年月は過ぎ去るもので……」
「……ゴホン。クイーンはどうなんだ?」
「そうそうクイーン(女王≒女性)ね。実は、クイーンはハート・ダイヤ・クラブの三つに対して、少し横向きで視線を向けているようになっている。『愛』『お金』『知識』のすべてにある程度の関心はあれど、深くはのめり込まないように意識していることを表している。……ただ、唯一スペードだけは、目を背けるようにしている。ただ、これはキングとは少し持つ意味合いが違っていて、女性が『老い(≒死)』を何よりも恐れていることを表しているんだ」
「ほほう、なるほどね。思いがけず、タメになったよ。」
「で、私の持っているクイーンはハートだから、少し横向きなんだ。……キミのは?」
「ええと、私のはたしかクラブだったから、同じく少し横向きだったはず……」
そう言って手に持ったカードのうちババではないクイーンの方に目を向けてライナーが確認した、その次の瞬間。
「こっちか!」
シンディが恐るべきスピードでライナーの視線が向いた方のカードを引き抜いた。
「あっ……!」
あっけにとられるライナー。
得意気にペアになったカードをテーブルの上に置くシンディ。
「やったー!勝ったー!」
やられた、と思った時にはすでに遅い。
ライナーにカードの絵札を確認させ、その目線でシンディはライナーからババではない方のカードを見抜いたのである。
……ライナーにとっては勝負に負けた悔しさ以上に、単なるババ抜きで、長々と蘊蓄の前置きの話をして警戒心を解き、それと同時にカードに対する意識を植え付けて視線を誘導させる……という用意周到な罠を仕掛けてでも勝とうとするシンディの姿勢に、なんとも言えない感情を抱かざるを得なかった。
【簡易解説】
絵札の顔の向きを意識させ、手札(この例ではクラブのクイーン)の顔の向きを確認するその目線からババでない方を見抜いた。
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