棒が一本あったとさ

サプラァァァイズ！！！《ラテクエ選考会リサイクル》

http://sui-hei.net/mondai/show/4113

【蘇ったラテクエ７】幻の花嫁

http://sui-hei.net/mondai/show/7476

参照のこと





普段から明るいアオ。

私の幼馴染で、名実ともに押しかけ女房だ。

結婚したからね。



アオには唯一、唯一無二の欠点がある。

「卵巣機能低下症」

子供が極端に出来にくいのだ。



私自身は彼女自身がいとおしいため、子供はなくてもいいと思っていたが、アオはそうではないようだった。



時々、子供連れを見かけるとごめんねとつぶやく彼女がたまらなく切なかった。



ある日、私が仕事から帰ると、部屋の電気が一個もついていなかった。



人の気配はある。



「アオ、いるのか？」

「…いるよ」



電気をつけると、毛布をかぶったアオが、明らかに顔を隠すようにソファに座っていた。





「どうした？具合でも悪いのか？」

「んーん。…ん。」

ん、だけで構成された返事とともに、テーブルの上を指差す。

顔は見せてくれない。



「…？こ、これって！？」



妊娠検査薬の判定ツールだった。



丸の中に棒一本。

陽性マーク。



「本当に…？」

「…サプラーイズ」



ようやく見せてくれた顔は、ものすごく泣きはらした後の顔だった。



思わず抱きしめて、泣いた。



どれくらい泣いたかわからない。



「もう、これ以上のサプライズはないよな？」

「あるとしたら、子供の結婚じゃない？」

「それまで、大切に育てような。」

「おお！で、どうだった？一世一代のサプライズは？」

「決まってるだろ？」



おでこに軽くキスをした。