『ごめんなさい・・・』

カメオは授業中、先生のことを誤って



『お母さん』と呼んでしまった。



ざわめくクラス。囃し立てる男子。笑い合う女子。





ーーー急遽場面転換ーーーー





カメコ、１7歳。



中学を卒業後進学するが高校の先輩と駆け落ちし勘当同然で家を出る。



それからは先輩のアパートで同棲するも先輩が高校中退、ミュージシャンへの道に進みたいと申す





その後元々やる気もなかった先輩は酒びたりの生活が続き



カメコはお金を稼ぐためパートにでる。



この時カメコのお腹は子宝に恵まれていた。



カメコ出産後、先輩に金をたかられては暴力を振るわれ破局。





無一文のまま赤子と町に放り出されたカメコ。



この時『赤ん坊を捨てる』ことを思いつく。







裕福そうな家の目の前に赤ん坊と置手紙を置きカメコは夜の街へと消えた。











その後カメコは市から勉学をし直し教師の道へと歩み始めた。





カメコの中に『罪悪感』が駆り立てられた。





自分の子供を捨てた後悔



母として何も出来ずにいた未練





その謝罪からかカメコは子供達のために生きようと心に決めていた。





それから数年カメコは教師として新しい生徒達を迎えていた。





その中に・・・・珍しい苗字の子供がいた・・・





俗に言う上流家庭の家柄だった・・しかしそんなことはどうでも良かった・・・





写真に写るその男の子の顔の面影が・・・あの頃愛した先輩にとても良く似ていた・・・





会ってみてすぐに『自分の子だと』気づいた。





しかし何て声をかければいい?





上品そうな車が校門の前に止まり



嬉しそうに手を振り駆けて行くカメオを見て



この幸せに笑う笑顔を壊すべきではない。



自分のことを親だと認めてもらうことは出来ない事



自分にその権利がないことを深く言い聞かせた。





そんなある時カメオが居眠りしていた。



カメコは夜遅くまで塾に通っているカメオを少し見て



クラスの体面を保つためカメオを名指しした。



「カメオ君、カメオ君。」



ん？むにゃむにゃ・・・ﾊｯΣ(ﾟДﾟ;)　「すみません！お母さん!!」



どっと笑いが起こるクラス



恥ずかしそうに俯くカメオ





そんな中でカメコ先生は涙を流して喜んでいました。





(´･ω･`)（せんせぃ・・・どうしたの？）





決してカメオには分からないこと。



分からなくて良いこともこの世の中にはあるのです。