戦場のハッピージャニュアリー

仕事をしていたある日、俺は体調を崩した。

喉が痛い。頭も痛い。それに何だか頭がぼんやりするし、手足もだるい。

会社を早退して病院で検査してもらったところ、インフルエンザだった。

仕事はしばらく休むことになり、一人暮らしの俺は独りで闘病生活を送ることになった。



家に帰っても食べるものがないのを思い出し、病院からの帰り道、コンビニに寄った。

他の客や店員にウイルスをうつすまいと、水のペットボトルと食料を買い込んで、

そそくさとコンビニを離れ、家へと帰ってきた。



家に帰って寝床に就き、コンビニで買ってきた水を薬と共に飲んで一息つくと、眠りに就いた…







ピンポーン



呼び鈴で目を覚ました俺。

だが、ベッドから起き上がる気力も無く、声を出そうにも喉がガラガラにやられてしまっている俺は、

そのまま居留守を決め込もうとした。



ふと、手元に置いてあった携帯電話にメールの着信通知があることに気づき、俺はメールを開いた。

メールの送り主は、会社の同僚でもあり彼女でもあるタト子だった。



『カメオ、インフルなんだって？大丈夫？(ﾟДﾟ;)

心配だから20時ぐらいにお見舞いに行くね(^^)v』



携帯の時計を見ると、20時を少し回ったぐらいだった。

俺はタト子（以下　タ）に電話をかける。



タ「もしもしー？」

俺「…今、俺んちの呼び鈴鳴らしてんのお前か？」

タ「そだよー、お見舞いに来たの。だから開けて？」

俺「バカ、お前にまでインフルうつしたらどうすんだ。さっさと帰れ。」

タ「大丈夫だよー、ちゃんとマスクしてるし。手もすぐ消毒できるように手ピカ○ェルも持ってるから。」

俺「でもなぁ・・・」

タ「あと、どーせコンビニで質素な食料ばっかり買ってきてるんだろーなーと思ってゴハンも作って来たよ。

　　カメオってば、何も言わないとすぐそーゆーので済まそうとするんだから。

　　病気なんだから、ちゃんと栄養とらないとダメだよ？」

俺「・・・」

タ「図星でしょー！やっぱりカメオは私がいないとダメなんだから！解ったら早く開けて？」



・・・やれやれ、タト子には敵わないな。



俺は諦めて、ベッドから起き上がると、扉を開け強引な来訪者を家へと招き入れた。