【ラテクエ３５－２遅刻】この時間帯に出すのは遅刻？

２０１４年元旦。



炬燵に入りつつうちに届いた年賀状を同棲中の彼女が眺めている。

「へ～亀男くんいっぱい年賀状来たんだねぇ～」

そう言いつつ彼女は一葉のハガキを取り上げた



「あけましておめでとうございます」

彼女がハガキを口に出してよみ上げている様子をなんとはなしにぼーっと見ている

「お変わりはありませんか？」

彼女は文面を変わらず口に出して読みあげつづけている・・そして、ハガキの宛名面のほうが

こちらを向いている・・



差出人は・・・やばい・・元カノの羽美だ・・



以前、羽美から電話があった履歴を彼女に見つかった時のことを思い出す。



朝起きると、携帯の画面が叩き割られていて

「次、こんなことがあったらちょん切っちゃうからね・・？」

断ち切りバサミを手にしつつ、ベッド脇に立っていた彼女は無表情に俺の股間のあたりを凝視していた・・・



幸い、どうやら差出人名は宛名の面にしか書かれていないらしく

彼女の表情はいつものにこにこ顔のままだ。

だが・・これ以上彼女が読み進めていけば裏返して差出人を確認するだろう・・

これ以上口にさせてはマズイ！



そう思った瞬間、彼女からハガキを取り上げ、証拠隠滅とばかりに口に放り込み無理やり飲み込む。

「あれ～～？亀男くんどうしたの～～？」

「い・・いやぁ・・嫌いだった昔の同級生からだったみたい・・頭にきたから飲み込んじゃったよ・・あ・・あはは」

「へ～そうなんだ～～？うん。でもね・・？ハガキとか飲み込んだらからだに悪いよ～～？」

「う・・うん　そうだねぇ」

「あ、それとね～？」

「ん？」



「三度目は、無いからね」



そう告げた彼女からは表情が消えていた。