【ラテクエ３３リサイクル】壊して回れブラウン管～♪

「ストライーク！バッターアウト！！」

セ・パ交流戦シリーズの最終戦である対水平タートルズ戦、

ワタシのバットが空を切ったことで試合は終了した。



初対戦となるパ・リーグを代表するベテラン投手、亀岡投手の多彩な変化球と繊細なコントロールに

手も足も出なかった。



それでも、長く野球選手をやっていればまた対戦することもあるさ

そう思い、その日はチームの連中と飲みに行った。



が、その日の夜、スポーツニュースで亀岡投手のインタビューが流れていた。

・・・

アナウンサー：「見事な活躍でした！これで３００勝の記録も見えてきましたね！」

亀岡：「いやー、もう持って半（試合）。年ですわ～。スタミナがねぇ～」

アナウンサー：「え？では、リリーフ転向ですか？」

亀岡：「後半戦はそうじゃのぉ。まあ、まっすぐの伸びも怪しくなってきたしのぉ。持って半年ですわ。今年で引退かのぉ。」

・・・



！？冗談じゃない！このまま勝ち逃げされてたまるものか！

幸い、ウチのチームもタートルズも両リーグで首位を走っている、



そんな簡単には切り替えることは出来なかったが、

日本シリーズが、最後の雪辱のチャンスとなることを考え

奴の最後に大きい花火（＝ホームラン）を上げてやろうと考え、

それ以降のやつの登板試合のVTRを食い入るように観続けた。



そして見つけ出した。奴がフォークボールを投げる際に、他の球種と異なりわずかにグラブが打者の方に開くことを。





かくして、日本シリーズ

幸いなことに我チームもタートルズもクライマックスシリーズを勝ち上がり対戦することになった。



奴は宣言通り、シーズン後半戦はリリーフとして活躍していた。

第六戦まで、最終回に俺の打席が回ってこなかったり、ウチがリードしていて奴の出番が無かったりと

対戦機会がなかったが

三勝三敗の第七戦　2-1の一点ビハインド

九回裏ツーアウトランナー2塁で俺の打順が回ってきた



当然マウンドには奴がいる。



カウント3ボール2ストライク、じっとヤツのフォームを確認する

『フォークボールだ！』そう確信してフルスイングしたバットは

素晴らしい伸びを見せたストレートにかすりもしなかった。



ゲームが終了しうなだれる俺に亀岡が話しかけてきた。

「かっかっか。フォークボールだとおもったじゃろ？お前さんとまた対戦すると思って

わざと癖を演出しておったんじゃ。

他の選手はだれもきづかんようだったから

無駄になったかと思ったが・・。気づいていたとはやはりさすがじゃのぉ。

ま、あと3年もすれば球史に残る名スラッガーになるじゃろうて。

ま、わしはかちにげさせてもらうがの～」



・・・完敗だ。このほらふきジジイがｗ！どーせ引退も嘘だろう？来年見てやがれ！