Ninth rose

CIAは公開捜査に踏み切った。



8人の人間が殺されて、犯人の手がかりは杳として掴めない。

わかっているのはプロの殺し屋ということ。

殺された人間は悪名高い裏世界の大物ばかりだ。

このまま連続殺人が続けば、悪の根源が潰えそうだが、

その前にCIAの威信が失われてしまう。



その連続殺人には共通点があった。



死体の胸部に、口紅で薔薇の絵が描かれているのだ。



CIAはメディアに8人分の薔薇の絵を公開し、情報を募った。



・・・



闇の中…



男が目を覚ますと体の自由が奪われていた。



胸に深紅の薔薇の絵が描かれている。



新聞で死体に描かれた薔薇の絵を見た時から覚悟は出来ていた。

愛人の娘。彼女の母親を殺した私を娘は赦しはしないだろう。

ローズは私を殺しに来るだろうと。



暗がりから女が姿を表した。



「ローズ…」



「あなたの所為で私の手は真っ赤に染まっちゃった。でももうこれで終わり」



女の手に握られたナイフが男の胸に沈み、女はまた紅く染まった。