【ラテクエ２+９＝11？】　「終わりからの始まり」

彼女はラテ族の族長シルエットで、男はシン国の王子カメオ。



ラテ族とシン国は、古来よりいがみ合い、骨肉の争いを続けていた。

そして今日、とうとう二人は戦場で相まみえるのだった。



「おまえがカメオ王子か…　その首、貰い受ける！悪く思うな！」

「待て！　…オレたちで、もう終わりにしないか？　こんな空しい争いは」



「なっ、何を…！？」

「お前も無益な殺生は好まないんだろ？でなければ、昨日の夜襲で追撃していたろう」



「そ、それは…！」

「民もみな、疲弊している。二つの国が協力し合えば、きっと互いに繁栄できるはずだ」



「…だが、どうやって民を納得させる？形だけの条約など、信用できるものか」

「ああ、だから…　オレたちが、結婚するというのはどうだ？」



「…はあ！？　い、い、イキナリ何をいいだすのよー！」

「オレは本気だ。国が交り合うには、血の交配が一番だ。それも族長と王子となれば…」



「む無理！　だ、だって！あたし可愛くないし、ガサツだし…」

「そんなことはないさ。　というか、そういうことを気にしてるところも可愛いな…」



「本気…？　どうせ、蛮族の娘と思って軽蔑してると思ったのに…」

「お前がそう思ってる位なら、なおさら二人が付き合うことで、民の意識も変わるだろうな」



そして二人は、部族の橋渡しのために、結婚を前提とした付き合いを始めるのだった…