的中した予言

男（亀太）と女（亀見子）は幼馴染で、幼稚園のころから一緒にいた。

二人の就職を機に結婚し、かれこれその縁は20年近くになろうとしていた。



ある日、亀見子は所用で実家に帰った際、部屋を整理していて1枚の古びた画用紙を見つけた。

画用紙を開くとそこにはクレヨンで描いたらしいへたくそな絵が描かれていた。そこに描かれていたのは白い服を着た2人の人間らしきもの、「かめた」「きみこ」と矢印で名前が付いていなければ何なのかすら分からないだろう。ただ、私はその絵には見覚えがあった。亀太の描いた絵だ。



・・・お互いの母親の元に駆け寄り、描いた絵を自慢げに見せる亀太と私。

「あたしね、しょうらいかめたくんのおよめさんになるの！」

「ぼくも！おおきくなったらきみこちゃんとけっこんするんだ！」

その様子に微笑む母親たち。・・・

その時の情景が浮かんで思わず笑みがこぼれた。



家に帰り持ち帰った画用紙を満面の笑みで見せる亀見子。

「これ、あんたが書いたんだよね。予言当たったね。」

顔を真っ赤にする亀太。

「し、知らねえよ。お前が書いたんだろ。」



そんなこんなで、二人は末永く仲良く暮らすのでした。