彼女もそれを毎年楽しみにしていた。
5年目のその日はちょっと趣向が変わっていた。
「手紙・・・?」
彼から手紙が届いたのだ。
手紙の指示通りにすると、彼女は大事なものを奪われてしまった。
毎年彼女に与えていた彼は、この時だけは奪ったのだ。
そのせいで二人は決別した。
状況を補完してください。
解決しました。皆さん感想ありがとうございます!
奪った物は形のあるものですか?
NO! [良い質問]
決別とは離婚のことですか?
YESNOとだけ
奪ったのは心ですか?
NO ヤツはとんでもないものを盗んでいきません
彼女は手紙の指示通りにして、がっかりしましたか?
YESNOとだけ
この物語、ハッピーエンドですか?
YESNO うーん、捉え方によります。後で感想ください
彼は彼女をよろこばそうとしていましたか?
YESNO 彼女にとってプラスになるように行動しました [良い質問]
手紙の指示は誰にでもできるような内容ですか?
YES
「大事なもの」を奪ったのは彼ですか? [編集済]
YESNO 協力者がいます [良い質問]
登場人物は2人だけですか?
NO! 彼の親友が出て来ますね。名は田山と言う [良い質問]
今度は田山の陰謀ですか?
NO! 田山、すげえいい奴です
彼は彼女のことが好きですか?
YES! 彼女にとってマイナスになることはしないでしょう
彼女にとっては結果的にマイナスになりましたか?
YESNO それも解説を見て人良さんが判断してください
田山は例の俳優をイメージしてもいいですか?
NO! 髪はしっかり生えてる!私の中では優男でいつも柔和な笑みを浮かべている感じ。そしてメガネ!間違いない! [編集済]
サプライズ失敗しましたか?
NO! 大成功でした [良い質問]
二人 とは 彼と彼女 のことでいいんですよね?
YES 田山ません
彼女は感動しすぎて記憶を奪われましたか?
前半NO、後半YES!!! [良い質問]
彼女は勘違いしましたか?
NO 全て理解しています
彼女の頭の上でくす玉を割り、その中から落ちてきたプレゼントが彼女の頭に当たりましたか?
NO!!! そんなサプライズNO!
彼女と決別って・・・死んでないですよね?
YESNO!!! もともと彼は… [良い質問]
彼と彼女は別居中ですか?
NO だけど彼と彼女は離れ離れです
彼と彼女の結婚記念日ですか?
YES!
自分が死ぬとわかった彼は死ぬ前に親友に彼女へのサプライズをたくした 、彼女は彼が死んだのを知り悲しみで記憶を失ったですか?
すげえいいとこかすってる!彼は五年前に死亡しており、彼女もそのことを把握しています [良い質問]
大事なものは”記憶”ですか?
YES
彼は結婚後すぐに死んでしまっていた。死ぬことがわかっていた彼は、毎年の結婚記念日にプレゼントを渡そうと親友の田山に頼んだ。いつもはものだったのに5年目だけは手紙だった。ですか?
前半YES!毎年のプレゼントは解説では触れていませんが田山関係ないです。
田山が彼女の記憶を奪った?
YESNO 実質的にはそう。田山は彼に頼まれてやりました。田山は何も悪くない!
彼が用意したプレゼントは5年分でしたか?
NO なんか深い意味がありそうな質問ですけど…
では、かれは彼女の記憶を奪おうと考えていましたか?彼と結婚していたことを忘れさせるために。
YES!!! 正解です‼ [正解]
そして田山と結婚させようとしますか?
んー、それも考えたんですが、解説では別の男ですね。田山いい奴なんだけどなあ
手紙の内容は 「石を頭にぶつけたまえ。」でしたか?
NOw 彼女従いません
忘れられないけど忘れちゃいましたよね・・・
ちゃんと解説でオチつけてありますので!
手紙を開けた瞬間強い光が!!! その光の先には彼の姿が。 「いままでありがとう。これからは田山と幸せに・・・」 忘れてしまったけど結局は別な男と結婚。田山はそのことも彼女に伝えますね?
NO!田山可哀想すぎる…田山は幸せになります!
カニバ ますね??
クヮッ!反撃されるとは思わなかったwゴメンなさいもうしません
田山は実は彼が好きで、彼のことを忘れさせた後、自分も死に、天国で彼と結婚! ですね?
NO!ホモません!でも田山は彼の事をした(親)っておりました。
彼女は彼からのプレゼントを心待ちにしていた。
結婚記念日のプレゼント。1年目は大きなクマのぬいぐるみ。2年目はそのクマに着せる為のベストと帽子。3年目はクマとお揃いの彼女の為のベストと帽子。4年目はそのクマより一回り小さい可愛らしいクマのぬいぐるみだった。
「手紙・・・?」
今年は1通の手紙。彼女は便箋を開け、手紙を読み始めた。
「ご無沙汰しています。元気にしてますか?あんまり元気なのも釈然としない俺は身勝手かも・・・。君が変わっていなければ明日はお休みのはずだよね?明日の午後14時に◯◯大学の俺の(といっても俺はもういないけど)研究室まできて欲しいんだ。何度か来たことあるし場所は大丈夫だよね。そこに今年のプレゼントを用意しておきます」
「彼の字…懐かしい、な」
手紙は1年目の結婚記念日の時以来だった。
彼はもうこの世にいない。それなのに突然プレゼントが届いた時はビックリしたものだ。
彼女は余命幾ばくかの自分と結婚してくれたのに、自分の命は一年も持たない…彼は彼女にバレないようにコッソリとサプライズを用意していた。
それが一緒に祝えなかった結婚記念日のプレゼントだった。
あくる日、彼女は手紙の指示に従って彼の研究室を訪れた。
「サエちゃん、久しぶり。お待ちしてました」
彼の親友であり、同じ研究者の田山が彼女を迎えた。
「ご無沙汰しています。今日は一体どういうことなのかな?手紙には詳しいことが書いてなくて…」
「うん、とりあえずサエちゃん、こっちにきてもらっていい?」
先導する田山について行き、いかにも研究室然とした一室に入ると、部屋の中央にポツンとおいてある椅子に彼女は座らされた。
「ゴメン、サエちゃん。ちょっとチクッとするよ」
なんの前触れもなく田山が彼女に何かを注射した。
「ちょ、ちょっと田山さん、一体何をする・・・」
彼女はそれ以上言葉を紡げなかった。意識はあるが体に全く力が入らない!?
「全くリョウのヤツ、こんな犯罪者みたいなことをさせやがって・・・、僕がホントに犯罪者だったらどうすんだよ」
田山は何かを準備しながらつぶやいている。
「ゴメン、サエちゃん怖い思いさせて。って、さっきから僕謝ってばっかだな・・・。リョウから手紙を預かってるんだ。僭越ながら僕が代わりに読ませてもらうね」
「サエコ。田山に何か乱暴なことはされてないかな?いや、あいつのことだから今頃俺の分まで謝っているんだろうな。俺の予想だと去年の今頃には俺たちの研究は成功しているはずだ。人間の記憶をピンポイントに消去させる、その方法で今から君の俺に関する記憶を失くしてもらうね。これが俺からの最後のプレゼント、俺のいない、新しい君の人生だ」
田山は途中嗚咽を漏らしながらも、手紙を読み切った。
「ゴメン、ゴメンね、サエちゃん。あいつのことを忘れるの嫌だよね?でもあいつの気持ちも分かるんだ・・・」
彼女は全く動かない自分の体に呪詛の言葉を吐きながら、頭の中で田山に懇願した。
(ダメ!絶対ダメ!!私からリョウ君を取らないでっ!イヤだっ!イヤーーーーーーッッッ!!!)
だが無常にも彼女の意識は薄れ、彼女は深い眠りに落ちていった・・・
3年後。
「次はどこいこっか?」
「俺もう疲れたよ、どっかに入って休みたい!」
「もう体力ないんだから、最後にあのぬいぐるみ屋さんに入らせて!」
「あんなファンシーな店、俺には無理じゃね?ってちょっと引っ張るんじゃない!・・・ってサエ、どしたん?」
どしたん?と聞かれても、彼女にも何がなんだかわからなかった。
ただ目の前のクマのぬいぐるみを見ていると、何故だか涙が止まらないのだ・・・
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