ウマー（゜⊿゜）

中

華料理店で、薬物混入事件が発生した。

その店の料理は「ほほが落ちる」味と謳われる、評判の店。

それは比ゆなどではなく、続けて食べるとほほがやせこけ、ダイエット効果があるといううわさが立っており、かなりの人気だった。



事件発覚のきっかけは、常連客の女性が倒れたことに起因する。

彼女はほぼ毎日、いや毎食のようにその店に通っていた。

かれこれ半年以上その店の料理を食べ続け、かつてふくよかだったころの面影は微塵も無く、ほほだけではなく「骨と皮だけ」くらいにまでやせ細っていた。

通いだしたころから、彼女にはある症状が起きていた。

キレやすい、やたらハイになる、そして定時間際になるとぐったりしている、というものだ。



そんな生活を繰り返すうちに、ついにその女性は店で卒倒し、病院へ緊急搬送されたのだ。



病院での検査結果は薬物中毒。



心当たりの無い常連客は、ふとこの中華屋のことを医師へ話した。

即座に警察が店へなだれ込み、家宅捜索を始める。

食材の中に、ヒカゲシビレタケが存在していた。

店主はさまざまな料理に、乾燥させたヒカゲシビレタケの粉末を隠し味として混入して提供していたのだ。

麻薬取締法で規制されるきのこで、強い幻覚作用がある。

大麻程度の依存性もあり、決して軽いものではない。



逮捕された店主は、味に深みが出るから自分で収穫してきた、規制されているきのこだとは思っていなかった、と供述しているが、警察では厳しく追及を続けるとしている。



今回の被害女性以外にも大勢の被害者が潜在していると思われるため、所轄の警察署や病院と連携して体調不良を訴える人々のフォローをする方向性だ。



螺帝新聞より抜粋