『 三月ウサギ の ”二重” の扉 』　（第 11 回目！）

ここは、不思議の国の回転寿司屋さん。

アリスが黙々（モグモグ）と箸を進めていると、レーンの中から声が聞こえてきます。



ウニ　「…コーンくん、暇だねぇ…」

コーン「ああ、ウニくん、暇だねぇ…ところで君は、地球外生命体の存在を信じるかい？」



ウニ　「ああ、ひょっとしたら自分がそうなんじゃないかと思ってるんだ。こんな不思議な形してるしね！」

コーン「なるほど。ボクも原種の由来が不明で、宇宙人からマヤ文明にもたらされたって言われてるんだ」



ウニ　「おお、凄いじゃないか！…それなのに、なぜ我々は、回転寿司のレーンに並んでいるんだろうか」

コーン「そして、なぜ誰も手にとってくれないんだろうか　（チラッ）」



アリス「…しゃべってるネタなんて、気持ち悪くて食べられないわ」

ウニ　「そんなー、だってアリス君、お話の中で ”ＤＲＩＮＫ ＭＥ！”ってお薬を飲んでたりしたじゃないか」



アリス「あれは、書かれてただけだもん。それにウニさん、前も出てたでしょ？使い回しのネタはイヤだわ」

ウニ　「ギクっ！（第８回目参照）あ、あれは違うウニで…それにあの時アリス嬢、いなかったじゃないか」



アリス「あと、その前にはクリさんも出てたし（第７回目参照）」

ウニ　「く、クリは関係ない！あいつとはもう他人なんだ！」



コーン「（ウニくん、何があったんだ…）　ボクは今回が初めてだよ。ヤングだよ、スイートだよ！」

アリス「寿司屋さんに来てまで、なんでトウモロコシ食べなきゃならないの？それに、どうせカンヅメでしょ」



コーン「い、言ってはならんことを…！　家族づれの子供たちには、大人気なんだぞー！」

アリス「何よー興奮しちゃって。大人気ってより大人気（おとなげ）ない感じ！それにアリス子供じゃないもん」



ウニ　「くっ、こうなったら二人力を合わせて目に物見せてくれようじゃないか！…ウニはローマ字でＵＮＩ！」

コーン「そしてボク、トウモロコシは英語でコーン！」

ウニ・コーン「「ふたり合わせて…」」



なんと、レーンが高速回転して、二つの皿が融合していくではないですか！

そして、まばゆい光に包まれながら、新しい生命が誕生します。



？？？「私は　幻獣ユニコーン　今後ともヨロシ…　あれっ？」

アリス「あのー、ユニコーンじゃなくて、角の生えたクジラさんになってるよ？確かに一角獣ではあるけど…」



？？？「…そうか、ウニは海産物。それに寿司屋は海の幸が多い…海属性に引き寄せられたということか」

アリス「それにしても、長い角！これで獲物を刺して捕まえるの？」



？？？「いや、この角はアンテナ…虫の感覚器官である触角のようなものだよ」

？？？「さて…それでは、仲間のいる海に帰るとするか。氷山の漂う、あの北極海へ」



アリス「あっ、待って！結局、あなたはなんて名前なの？」

一角　「わが名はイッカク… " 氷山のイッカク ” とでも呼んでもらおうか。では、さらば！（バッシャーン）」



アリス「あっ、行っちゃった…クジラ肉食べたかったな～」

仮面男「…あれが最後の一匹とは思えない。第２、第３のゴジ、いや魔物が…」



アリス「いきなり誰！？…って、ホタルの時に会ったサンタさんよね？（第５回参照）　なぜここに？」

（本当は悪魔王サタン）「うむ、２つの生物をかけ合わせて、新しい生命を生み出す実験をだな」



アリス（あんたの仕業だったんかい！）「…それで、そのお面は何？福笑いのお多福さん？」

サタン「いや、正体を隠すためにな…鬼は外、福は内、能ある悪魔は角を隠す、というわけさ」



アリス（…ツノ、隠れてないんですけど…花嫁衣裳の”角隠し”のほうがいいんじゃない？）

サタン「まぁ、そんな怪訝な顔せずに、笑って笑って。笑う門には福来たる、寒い冬には服着たる、ってね」



アリス「じゃあ、寒くなかったら裸なの？」

サタン（この子、ツッコミ厳しいな…）「いやほら、熱帯のジャングルの王者、ヒョーザンも腰ミノ一つだしな」



アリス「それを言うなら”ターザン”でしょ」

サタン「うっ…ちなみに猛獣の豹の息は芳しく、獲物を魅了するが、ユニコーンだけは抵抗できるらしい」



アリス「ほんとー？情報源（ソース）は？」

サタン「えっと…ソースといえば、オタフクソースに限るな、うん。あの甘さがお好み焼きによく合う…」



アリス「なんだかなー…フがいないオタフクはただのオタクよ！なんか、真実なんてどこ吹く風、って感じ」

サタン「ふっ…オタフクかぜ（風邪）は吹くものではない、ひくものだ」



アリス「むしろ、オタ、吹く（ウソを）って感じね！　あと、麻雀ではオタ風ってのがあるみたいよ」

サタン「ぐっ…よかろう、今回はこのまま引くとしよう…では、さらばだ」



板前　「あっ、お客さん、お勘定…！」

アリス「わー、なんて悪い人！　まるで悪魔だわ」





【補足】



6　 毒をもつ種類のウニもいる

22　氷山は、「寒い時」というか「寒い場所」でしか見れない

23　日本には「流氷」が流れ着くことはあっても、氷山はない