『 三月ウサギ の ”二重” の扉 』　（第７回目！）

ここは不思議の国動物園。動物たちはオリの中にいながらも、悠々自適に暮らしていました。

しかし、ある日のこと。園長が動物たちを呼び出し、こういいました。



園長　「世の中不景気でねぇ。ちょっと園の規模を縮小しようと思うんだ。というわけで、リスくん、トラくん、君らクビね」



リス・トラ　「「ええー！なんでボク（オレ）が！」」

園長　「そこは、まぁほら…リストラというやつだ」

リス　「…そんなダジャレで…」



園長　「ノンノン。言霊といってくれたまえ。故郷のアフリカにでも帰ったらどうだい？」

トラ　「オレはアフリカ生まれじゃねーよ！」

リス　「まぁ、ボクはアフリカでもかまいませんけどね」



園長　「じゃあ、北極なんかはどうかね？」

トラ　「あんな寒いとこ、住めるわけないだろ！」

リス　「ボクは別にかまわないけどね」（意外と適応力のあるリスであった）



園長　「まぁまぁ。それじゃ、リストラ経験者の体験談でも聞いて参考にしたまえ」



蚕（カイコ）　「私が、糸を吐けなくなって解雇されました。あぁ、昔はよかった…産業革命、シルクロード…なにもかもみな懐かしい」



トラ　「なんでぇ、昔にこだわって愚痴ってるだけじゃねぇか」

リス　「こういうの、懐古厨（かいこちゅう）って言うらしいですよ」



園長　「あ、それとウマくん、君もクビね。引き取り先も決まってるから」

ウマ　「な、なんで私が！教官、私はまだ走れます！」

トラ　「引き取り先が決まってるならいいじゃねぇか。そこで頑張ってりゃ、サクラもすぐに花開くさ」

ウマ　「さ、サクラ？！い、いやだ！サクラ鍋にはなりたくない～～～！」



園長　「彼は、幼いころに母親を桜鍋にされて食われたというトラウマ（精神的外傷）があるのだ」

リス　「いや、それは普通にトラウマものでしょうね…」



トラ　「ええい！いい加減にしねぇか！」

ウマ　「いい加減に死ねぇ！？ひどい！」

タツ　「ああもう、いつもいつもキミたちは！間に立つ私のことも考えてくれ！」

ウサギ　「トラさんとタツさんの間に挟まれてるワタシのことも考えて…（ビクビク）」

イノシシ　「オレもボタン鍋はいやだ…（ブルブル）」



リス　「干支グループは、楽しそうだなあ。ボクも仲間に入りたかった…」

トラ　「じゃあ、その頭の栗をはずしゃあいいじゃねぇか」

リス　「そっか！ボク、栗鼠（りす）だから、クリを外したらネズミになるんだ！それに、ボクがクリを頭につけてると危ないしんｗ！」



というわけで、リストラ・カイコ・トラウマ・タツ、ネズミ・イノシシと、干支の動物多めな二重の扉でした！



補足：馬肉を 「桜」、猪肉を 「牡丹」 と呼ぶのは、肉を並べたとき、色合い的にそれぞれの花のように見えるから、らしいです。



さて、ネズミは英語でマウス。パソコンで、「マウス」「ボタン」に「クリつく」状態で横に動かすことを「ドラッグ」といいますね。

ドラッグ、すなわち…薬でした！



また、【J】の、ネズミが前にいる仲間と…というぶぶん、干支は循環しているので、ネズミの前は、干支の最後のイノシシになります。



猪の後ろにマウス＝口がついて、猪口。お菓子にしたら、チョコでした！