韋駄天カメオ

「すみません」

パトカーに乗っていると誰かが窓の外から声をかけてきた。



「道を尋ねたいのですが」

声をかけてきたのはいかにも気の弱そうな青年。

市民が助けるのが警察官の義務。カメオは窓を開け顔を出した。



――ｻｯ



一瞬の出来事。男はカメオの足元に置かれたバックを手に取るとそのまま逃走してしまった。

あっけにとられるカメオであるが、次の瞬間には事態を理解する。



「ひったくりだ！」

慌ててパトカーで追いかけようとするカメオ。けれどもそこで、ふと気づく。



「免許書カバンの中じゃん」

警察官が無免許運転をするわけにもいかない。

無線で応援を呼んだカメオはパトカーを降りると走って男のバイクを追いかけたのだ。



要約解説：

盗られたのは免許書の入ったカメオの鞄。無免許運転するわけにもいかないので、徒歩で犯人を追いかけたのだ。