大好きなのに

１行　料理を運んできた人が好きな人で、普段少食だと嘘をついていたので、ばれないように顔を伏せた。



～以下補足～



大好きな「とびっきりチーズハンバーグ」があるここのファミレスには定期的に足を運んでいる。

今日もいつもと同じく「とびっきりチーズ(略」を頼んだカメコは今か今かと待ちわびていた。

そしてついに「とびっきり(略」が運ばれてきたのだが、「とびっ(略」を運んできているのは、クラスメイトでカメコが気になっているカメオ君ではありませんか。

カメコが知らない間にここでバイトをしていたのです。

カメコは学校では女子力が高く見せるために、少食だと言っていたのだ。「私がっつりしたものがあまり好きじゃなくて～」とも言っていた。

「ばれませんようにばれませんように」そう願いながら顔を伏せたカメコをよそに、カメオ君はカメコに気が付いてしまった。



「あれ？カメコさん？？奇遇だね！カメコさんもがっつりしたもの食べるんだねー。ちょっと意外。あんまり好きじゃないのかと思ってた。」

カメコは焦って、身振り手振りをつけながら慌てて言い訳をした。

「いや、あの、ライバル店の料理は調査しなきゃというか、亡くなった祖母の遺言で食べなきゃいけなくなったというか、世界的に有名なハンバーグに催眠術師を食べたくなる催眠術をかけられたというか、かくかくしかじか」

カメオ君はカメコの言い訳を聞いて「僕は美味しそうにたくさん食べる人のほうが好きだなあ」と笑って言った。



カメコは「と(略」をこれからもたくさん食べると心に誓った。