見知らぬ男がやってくるようになった。
カメオというらしい。
数ヶ月後、
ウミコがフェンスの外側へ行くと、カメオは死んでしまった。
いったいなぜ?
状況を補完しご説明ください。
【ウミガメ】
虹色スープ
解説が長いと言っておきながら、登場人物がその二人であるなんてことはないですよね?
Y、YES[このお二人です]
ウミコとカメオは知り合ってから仲良くなりましたか?
YES [良い質問]
これは日本で起こり得ますか?
YES[まあ起こるのでは]
ウミコの年齢は重要ですか?
NO[二人の年齢はお気になさらず、若者とだけ]
ウミコおよびカメオは人間ですか?
YES
カメオはウミコのせいで死にましたか?
YES[ウミコがフェンスの外側に行かなければ可能性は少なかったでしょう] [良い質問]
カメオは自殺しましたか?
NO
カニバリますか?
NOw[カニバりませんw]
カメオはカメコの為に自ら死にましたか?
NO[ですが、その原因を作りました] [良い質問]
ウミコが自殺しようとしたのをカメオが止めようとしてカメオが落ちましたか?
YESNO[自殺しようとしたはYES] [良い質問]
フェンスの外に出るのに数ヵ月かかった理由は重要ですか?
NO[理由まで知らなくても良いです]
非現実要素はありますか?
NO
ウミコは動物園のライオンで、フェンスの外に脱走してカメオを襲ってしまいカメオは死んでしまいましたか?
NO[ど、どっちも人間ですよ!]
数ヵ月ではなく数日で成立しますか?
NO[2より、二人が徐々に仲良くなってないと考えにくいかも] [良い質問]
現代で起こり得ますか?
YES[特殊ですが]
場所は重要ですか?
YES[マンションの屋上のフェンスです] [良い質問]
ウミコがフェンスの内側から見ていた景色は重要ですか?
NO[ですがウミコがフェンスから景色を見ていたのでカメオはウミコに気づきました] [編集済] [良い質問]
犯罪要素はありますか?
NO
コーヒーにぬか漬けは絶対に合いませんか?
NOw[ちょ、ここ違いますよ!]
ウミコが見ていた景色は夜景で成立しますか?
NO[午後くらいの風景だとお考えください]
ひと月記念の問題であることは重要ですか?
NO[挑戦したかっただけです]
カメオもウミコのことを見知らぬ女だと認識していましたか?
YES
ウミコがフェンスの外にいったのはこのときが初ですか?
YES [良い質問]
フェンスの向こうに行くことはウミコ側のルールで禁忌とされていますか?
YES[彼女は追い込まれ、とうとう行ってしまいました]
内側から景色を見ていたフェンスと数ヶ月後外側に行ったフェンスは同じものですか?
YES[どちらもマンションの屋上です]
フェンスとは比喩表現ですか?
NO
フェンスが突然カメオに殴りかかりましたか?
NOw[どういうことw]
ウミコの脱獄を手助けして、死刑になりましたか?
NO[犯罪要素は一切ありません]
ウミコがフェンスの外に出た瞬間に、カメオは死にましたか?
NO[ウミコをフェンスの内側に引き戻してから死にました] [良い質問]
もしかして、フェンスってあの柵みたいなやつでしたか?
YES[屋上とかによくある身長より低めのやつです]
ウミコはフェンスの内側にいますか?
んんYES[外側に行ったあと、内側に戻されます] [良い質問]
ウミコがカメオを殺しましたか?
NO
その世界には人間は二人しかいませんか?
NO
カメオは病気で死にますか?
YES![鋭い!] [良い質問]
ウミコは自分が外側に出るとカメオが死ぬとわかっていながら外側に出ましたか?
NO
10 ウミコが自殺しようと思い立った原因はカメオにありますか?
NO
ウミコが自殺しようとした理由は重要ですか?
NO[色々追い詰められたからとお考えください]
カメオは乗り物に乗っていましたか?
NO
自殺しようとした方法は飛び降りですか?
YES
学校の屋上のフェンスの向こう側を見ていたところをカメオが見つけ、数か月後自殺のためフェンスの向こう側に行き、落ちようとした時にカメオが助け、代わりにカメオが落ちましたか?
NO
放射性物質は関係ありますか?
NO
ウミコを内側に戻してすぐに病気でカメオは死にましたか?
YES[もう少し詳しく説明頂いてもよろしいでしょうか?カメオの病気、なぜそこで病気で死ぬのか?] [良い質問]
自殺未遂がきっかけで発症しましたか?
NO[発症だとその場で病気になったってことですよね?カメオは元々病人でした]
カメオの病気は高2病といったようなものですか? [編集済]
NOw
ウミコを引き戻したカメオは高所恐怖症で体がすくみ上りウミコを引き戻した勢いのままビルから転落しますか?
NO[もっと身体的な病気であり、カメオはビルから落ちません]
ウミコはカメオを助けようとしてフェンスの外に出ましたか?
NO
カメオとウミコは同じ臓器の移植を待っており、カメオはウミコを優先してあげて自分は死んでしまいましたか?
NO
マンションの屋上でなければカメオの病気の発作は起きませんでしたか? [編集済]
YES?[どうだろう、可能性は低かったのかな] [編集済]
心臓発作を起こしますか?
YES![まとめてください!] [良い質問]
ウミコを引き戻した拍子にカメオの酸素チューブが抜けて死んでしまいましたか?
NO
アレルギーは関係しますか?
NO
カメオは自力で立てますか?
YES[立てるし、歩けます]
フェンスの内側に戻すのに骨をおり、骨を折ってしまいましたか?
NO
カメオは頑張りますか?
YES[ウミコのために頑張りすぎました] [良い質問]
ウミコをフェンスの内側に戻すのに力を使ったため心臓に負担がかかり、心臓発作で死にましたか?
YEES![だいたい合ってますので正解!] [正解]
心臓発作ですか?
YES [良い質問]
49など 飛び降り自殺をしたウミコを連れ戻す過程で、急激な感情変化と力を使うために心拍数が急増し、心臓発作をおこしましたか?
YEES! [正解]
この世には新世界の神と呼ばれるものがいた。カメオはウミコのことを助けようとした。その時、神はカメオの名を綴り、カメオは心臓発作を起こした。ますか?
NOw[ちょっと待ってどこから出てきたのw]
この件を受けて、けちであったウミコは寄付金などの慈善活動を行うようになりますか?
NO[それは人それぞれw]
どうしてもウミコを助けたかったカメオはノートに自分の名前を書くと「目の前で飛び降りようとしている人を助けて死亡」と書き、助け終わった後心臓麻痺で死にますか?
NOw[お二人好き過ぎでしょうw]
1
「あんた何してんの?」
自分一人だけだと思っていた空間に男の声が聞こえたものだから、
ウミコは仰天してバッと振り返った。
そこにはジャージを着た同い年くらいの男がいた。
訝しげな顔をしてこちらに近づいてくるので、ウミコはフェンスを握りしめた。
「け、景色を見てたんです」
「はぁ? わざわざマンションの屋上で? こんな家ばっかで病院くらいしか
目につくとこがないのに?」
「い、いいじゃないですか。……高いところにいると冷静になるんです」
俯いてぼそぼそと答えるウミコに男はふーんとだけ返した。
2
それから男ーーカメオはウミコが屋上にいると必ずやって来るようになった。
なぜこんなにタイミングよく現れるのだろうと疑問に思っていると、
「部屋から見えるんだよ」とだけ答えた。
どうやらご近所だったらしい。
カメオが来たからといって状況に大きな変化はない。
少しの時間、同じように景色を眺めて、言葉を交わし、別れる。
そんな日々が続くと、ウミコが屋上に行く目的が「自分を冷静にさせるため」を追うように
「カメオに会うため」が少しずつ大きくなっていた。
3
それから数ヶ月後のある日のこと。
カメオは屋上に人影が見えたので病室を出た。
いつも通り人目を気にしつつ病院の外へ向かう。マンションは住宅を数軒挟んだすぐそこ
だしウミコと会う時間はそう長いものではないので外出許可をとらずとも誤魔化しがきく。
幸運なことに検診などと被らない時間帯にやって来てくれるのでカメオも動きやすかった。
ーーあいつまさか自殺するつもりじゃないだろうな。
屋上でフェンスに手をかけその向こうを見つめるウミコを初めて見つけたときそう思った。
対面して覇気のないその顔を見て、少なくともその考えを持っていることを確信した。
見えるとこですんなよな。
カメオは監視も兼ねてウミコに会いに行くことにした。どうせ暇なのだ。
それに病院以外で誰かと話すのなんて久しぶりのことだったから、実はウミコの存在に
感謝していた。
今日は何を話そうと考えながら、病院から抜け出してからもう一度屋上に目をやりーー
血の気が引いた。
ウミコがフェンスに足を掛けていたのだ。
4
もう駄目だ。
もう無理だ。
痛い、苦しい、楽になりたい。
いつだってフェンス越しの景色は私を諭してくれた。
ーー怖いだろう
ーー飛び降りれないだろう
私にはできっこないのだと教えてくれる。
私がまだ生きたいのだと気づかせてくれる。
フェンスの向こう側に立ち、両手でフェンスを握り体を前に傾ける。
恐怖はあった。
しかしそれを上回る私の意志もあった。
ぼたぼたと涙が溢れていく。
水気を帯びた視界はどこか輝いてすらいた。
私を諭す声は聞こえない。
もうかける言葉がない。
だけど体がそれ以上先へ行くことはなかった。
誰かが私の腕を痛いくらい強く掴んだから。
5
自分の体のことなんて頭になかった。
「なに、を、やってんだ!!」
フェンスを掴むウミコの腕を掴み、もたつく彼女を無視して内側に引き戻した。
まだ状況が掴めてないのか呆然とした顔をするウミコに苛立ちが頂点に達し、痛む心臓を
押さえて怒鳴りつけた。
ふざけんな、何考えてんだ。
お前はいちいち溜め込みすぎなんだよ、ちょっとでいいから俺に話せバカ。
余計なお世話とか言うなよ、不謹慎だけど死ぬってのは案外簡単にできる。
でもその前に、何か他の方法を探してみろ。
相談とか、逃げるとか。
迷惑かかるとか考えんなよ。
こうやって死ぬのも何かしら迷惑かけるんだ。
色々やったって大したことねぇよ。
カメオが言いたいことを言っているあいだ、ウミコはぼたぼたと涙を零し続けていた。
彼女がここで涙を流すのは初めてのことだった。
カメオの苛立ちも急速に収まり、今はただ安堵の気持ちだけが残った。
「まあ、とりあえず、間に合っで、よがっだ……」
ぜぇぜぇと呼吸が荒くなっていく。
カメオの言葉に自分が短絡的な思考に陥っていたこと、こうやって自分を止めてくれた
彼の存在の大きさを知ったウミコは、その時ようやく違和感に気づいた。
なにか、おかしい。
下を向いたまま呼吸を荒げるカメオに、大丈夫かと声をかけたと同時に、
カメオの体は横へ崩れ落ちた。
6
声が反響している。
カメオは朧げな意識のなかで無意識にその声に答えていた。
大丈夫、そこの病院、ポケットの携帯で繋がる。
視界が明滅していて、まるで現実でないかのようだった。
誰かの泣き声が聞こえる。
身体が地面から離れ、揺れる。
大丈夫、気にすんな。
それは言葉にならないまま、僅かな吐息となって口から零れた。
身体から緩やかに力が抜け、意識が闇に飲まれていく。
笑ってほしい。
またいっしょに話したい。
心臓が止まるその瞬間まで、カメオはただそれだけを願っていた。
X
「虹の麓には幸せがあるんだって」
雨上がりの青い街の向こうに薄っすらと虹が架かっているのを見て、
ウミコはどこで聞いたかは忘れてしまった話を思い出した。
遠くの山と街を繋ぐようにアーチを描く虹は、
雨雲が切れるにつれその鮮やかさを増していっている。
「あぁ〜、らしいな」
「自分からは見えないけど、見る人にとっては自分が虹の麓にいるから、
実は幸せはすぐそこにあるってことなんだって」
「ふーん」
興味がなさそうな声にチラッとその横顔を伺う。
あんまりこういうの好きじゃなかったかな。
口にしなければよかったと後悔していると、
「そういえば」と今度はカメオが何かを思い出したようだった。
「虹じゃないけど、誰かの詩に山の向こうに幸せがあるって言うのがあったな。
山の向こうに幸せがあると聞いたから行ってみたけど、
何もないから涙を流し帰ってくる。
すると他の人はそのさらに向こうに幸せがあると言う……みたいな」
「うーん、何かで読んだことがあるような……」
「物理的に移動することじゃないんだろうな。虹も、山も。
今の自分が思い描く幸せは、今の自分では手に入らない。
どうやったら虹の麓に行けるだろうって考えたり、
人生だとか立ちはだかる困難だとか、そんな山を乗り越えて今の自分より先に進むことで、
自分にとっての幸せが見つかるってことなのかも……」
「……カメオくんって、」
「なんだよ」
「こういう話、好きなんだね」
「悪いかよ」
ううん、嬉しいの。
いつしか雨雲は消え、太陽が眩しいくらい街を輝かせていた。
嬉しい。
もう少し、もう少しだけ、頑張ってみたい。
【要約解説】
ウミコと打ち解けていくこと数ヶ月。
ある日ウミコがフェンスの外側へ行こうとする姿を見てしまったカメオは、慌てて全力疾
走で駆けつける。
間一髪ウミコを止めることはできたが、重い心臓病を患うカメオは激しい運動により心臓
発作が起きてしまい、そのまま心臓が止まってしまった。
カメオがそのまま亡くなってしまうか、それとも息を吹き返し
ウミコと再会を果たすかは皆さまの心のなかで。
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。