【ラテクエ６７R】海に鍋は必需品

いつも優しい祖母。特に料理が大好きで、カメオが来る度に美味しいものを食べさせてくれる。

しかし、ちょっと一般人とは感覚がずれているのか、夏にアツアツの麦茶を持ってきたり、冬にかき氷を持ってきたりと、出されると少し困る料理を出してくる。



さて、案の定昨日の夜は鴨鍋を作ってくれたのだが、暑い中何故鍋を食べなければならぬ、と思いながらカメオは汗だくで喰い続けた。夏に鍋はおかしいと思いながらも、祖母の鍋はやっぱり夢中で食べるほど美味しいのだ。



さて、カメオが海に向かおうとすると、祖母が鍋を持って追いかけてきた。しかも、昨日食べた鴨鍋の材料を入れて調理してある。



「カメオ、せっかくだから昨日の鍋の残り、持って行きなさい。海でたき火でもして、温めれば美味しいよ」

「おばあちゃん、いくら何でも夏に海で鍋はしないよ。せっかくだけどいらないよ」

「まあまあ、ほら、最近は保温性の高い弁当用のポットがあるし、鍋のままだと持って行きにくいなら、これに入れていきなよ」

「ちょｗｗそこまでして持って行きたくないｗｗｗせっかくなら冷たい麦茶でもいれてよｗｗｗｗ」





結局「釣った魚でバーベキューするから」ということで、カメオは他に食料を持たずに海に行った。



しかし、カメオが船で釣りをしている最中に海が荒れ、そのままどことも知れない島に流されてしまった。



もともと釣りも長くすることが無いと思い、船に積まれた燃料は最低限、食料もなく、呆然とするばかり。

船の中を見渡すも、荷物の中には食べられそうなものは無い。



「あぁ、やっぱりおばあちゃんの言った通り、鍋、持って行けばよかったなぁ……」



照り付ける太陽、鳴るお腹。こんなに暑いのに、おばあちゃんの鴨鍋の味が、口の中に広がってくる。





要約：祖母が渡そうとしたのは料理の鍋（鴨鍋、水炊きなど）であり、海に行った際に天候不良で遭難してしまった。祖母の言う通り、祖母の作った鍋があれば少しは飢えがしのげるのに……と後悔した