Happy Birthday

今日は彼氏であるカメオの誕生日。デートへ向かうカメコはりきっていた。

目一杯おめかしして、いざ待ち合わせ場所へ。プレゼントは以前カメオが欲しがっていたラテラル製の腕時計。



19時ちょうどに待ち合わせて、予約していたお洒落なレストランへ。

しかし、お店に入り、上着を脱いだカメオを見て、カメコは愕然とした。

カメオの腕には、ラテラル製の腕時計が輝いていた。



「その時計……」

カメコの内心など知らないカメオは、満面の笑みを浮かべて言った。

「あ、そうなんだよ。ずっと欲しかったんだけどさ、この間やっと買えたんだ」

無邪気に笑うカメオに、

「そ、そうなんだ。良かったね」

と返すしかないカメコだった。



～ 一時間後 ～

「だ、大丈夫だって!カメコからのプレゼント、すごく嬉しいから!」

カメオの必死のフォローも虚しく、

「でも、完全に同じものだし、時計なんてそんなにいくつも使うものじゃないし」

暗い顔で項垂れるカメコ。完全に落ち込んでいるのが目に見えて分かる。



「あー、じゃあさ、ほら」

そう言って、カメオは身につけていた時計を外す。そして、外した時計をカメコに差し出した。

「これ、やるよ」

「え？」

「その代わり、俺はこっちを貰う」

そう言って、カメオはカメコのプレゼントの腕時計を腕にはめ満足そうに笑った。

そんなカメオの優しさに、自然とカメコも笑顔になった。



（でも、この時計、完全に男物なんだけど…嬉しいからいっか♪）





※「一時間後」のところ、元ネタ（？）は、おかっぱ小学生が活躍する、某国民的アニメの母の日のお話です。問題には関係しないため、混乱を避けるべく、元ネタあり表示は避けさせていただきました。



【要約】

・彼氏の誕生日に購入したプレゼントは時計。

・それと全く同じものを彼が身につけていたため、ショックを受けた。