しかもお出ししたウミガメのスープを一口飲んですぐにシェフを呼ばれて、スープを褒めてたかと思ったら、お会計のとき、スープにけちつけていったんですよ!
物腰は柔らかだったけど、あんなに嫌なお客様初めてでした……まったく何だったのかしらっ!
【亀夫問題】
はじめまして、たかつきという者です。すいませんが、シェフの人と、お会計の人にそれぞれなんと言われたか聞いてもらえますか?
はじめまして、レジを打ったのは私です。月子といいます。何だったかしら……ちょっとかっとなっててきちんと思い出せないのだけれど……缶詰を使えとかなんとか仰ってました。シェフは、それを伝えたら出ていってしまったので、今は無理です。 [編集済] [良い質問]
お客様の外見はお分かりですか?
はぁ……黒かったですけど。 [編集済] [良い質問]
ところでこの店は何の料理を出すのでしょうか?フランス料理ですか?イタリア料理ですか?それとも・・・
創作フレンチです。ですがどなたでも手が出るリーズナブルなものばかりですよ。
1 何の缶詰まではわかりますか?
えぇっと……あさり?しじみ?なんかそんな感じだったと思います。
すぐ帰るっておっしゃっていたそうですが、どのタイミングでそう言ったのですか?
入ってきてすぐですよ。お席に案内する前に言われました。
どのぐらい長居してらっしゃったんですか?
あ、いや、実際は長居ってほどの長居ではなかったんですよ、1時間もいらっしゃいませんでしたし。でもすぐ帰ると聞いていたので、いつお帰りになるんだろう、って。
はじめまして、kanyaと申します。シェフに電話等で連絡をとることは可能でしょうか?
それが、シェフったらロッカーに置いていったみたいで、さっき掛けたらロッカーからバイブ音がしたんです……。
シェフの方は今どこにいらっしゃるんですか?
わかりません、とにかく走って行ってしまって……。
陽子さん、お客様の話を少しでも覚えていますか?
陽「……?普通でしたよ、『美味しいスープをどうも』みたいな」 [良い質問]
あの念のためにこの店の間取り図と普段皆さんがどこで仕事をしてるか教えてください。
月「ホールとキッチン、キッチンの奥にロッカールームが2部屋で、出入口はホールの正面扉とキッチンの勝手口の2つです。私はレジとホール、陽子ちゃんはホール、シェフ達はキッチンで仕事をしてます」
お客さんは方言がきついかたでいらっしゃいましたか?
月「いいえ、優しい標準語でしたよ」
あなたの家族構成を教えて下さい。
月「父、母、陽子ちゃん、私、星子ちゃんの5人家族ですけど?」
お客様の服が真っ黒でしたか?
月「えぇ。ね、陽子ちゃん」陽「ちょっと語弊がある気もするけど……まぁそうね」 [良い質問]
海亀のスープの中身を隠し味も含めて全部教えてください。
月「え……陽子ちゃん知ってる?」陽「ううん」
星子ちゃんは何をしてるんですか?
月「星子ちゃんはキッチンです。シェフがいないから今大わらわで……」陽「さっき、ウミガメのスープが切れたって嘆いてた……」
ご家族の中で陽子さんとあなた以外に料理にかかわる仕事をしてらっしゃる方はいますか?
月「姉妹3人でここに勤めてますけど、父と母は普通の会社員です」
お客様は人間ですか?
月「え……なんでそんなこと……人間でしたよ」
お客様は顔も見えないほど真っ黒でしたか?
月「いいえ。普通でしたよ」
黒い服で語弊があるとおっしゃっていたので、黒い甲殻のありさんなのかと……。ところでお客様は服を着ていらっしゃいましたか?
月「勿論ですよ!じゃなきゃ通報ものです!」
月子さんは「ウミガメのスープ」の元ネタの話を知っていますか?
月「自殺しちゃうあれのことですか?」
お客様は何歳ぐらいか知ってますか?
月「……見た感じ、50とか、60手前?」 [良い質問]
お客様の名前はわかりますか?
月「流石にそこまでは……」
シェフの年齢はおいくつくらいでしょうか?
月「30?なった?なってない?」陽「なってたと思うけど……」 [良い質問]
シェフは黒い方ですか?
月「いえ?普通に真っ白の調理服着てますよ?」
では月子ちゃん、陽子ちゃん、星子ちゃんはいくつですか?
月「私達は陽子ちゃんから、26、23、21です」
シェフ、月子ちゃん、陽子ちゃん、星子ちゃんの中で誕生日が近い方はいらっしゃいますか?
月「いませんよ」
ところで今西暦何年何月何日でしょうか?
月「2016年の2月1日ですね」
このレストランはどこにありましたっけ?
月「海辺ですよ。ほら、そこから見える景色が綺麗でしょう」
星子さんに、ウミガメのスープに変わったことがなかったかお聞きできませんか?
星「変わったこと……?あれ基本同じ味の日とか無いんでなんとも……」 [良い質問]
今日のウミガメのスープは何味だったのですか?
星「さぁ……ウミガメのスープはシェフしか作れないのでわかりません。でも今日はなんかすごく満足そうでしたよ」 [良い質問]
ウミガメのスープに何を入れていたかはわかりますか?
星「さぁ。自分の仕込みに精一杯で、見てませんでした」
お客さんは今までにこのレストランに来たことはありましたか?それとも一見さんでしたか?
月「初めてのお客様でしたよ」 [良い質問]
うーん、やっぱりシェフの方にお話を伺いたいですね。もしかすると缶詰を買いに行ったのかもしれません、お店の周りに缶詰を買えるような場所はありますか?
星「ここちょっとへんぴなんですよねー……周りに家とお墓くらいしか無いんで、バス乗らないとスーパーは無いです。あたしらに何も言わないでスーパーには行かないと思いますよ」 [良い質問]
もしかしてお客様はシェフの親なのでは? [編集済]
月「シェフのお父様なら私達会ったことありますよ……?」 [良い質問]
ウミガメのスープに一貫して入っているものはなんですか?
星「よく知らないけど、一般家庭のスープと大差無かったと思います。詳しいことはシェフのノート見ないとわかりません」 [良い質問]
そのお客様がシェフを呼び出したとき、本当にスープのことを褒めていたのでしょうか?月子さんの見間違いor聞き間違いということはありませんか?
月「それは無いと思いますけど……」陽「褒めてましたよ、美味しいって」
お客様はウミガメのスープ以外で何かほかに頼んでいた料理はありますか?
月「いえ。スープだけです」
お墓がいかくにあるということは、もしかして、お客様がすでに亡くなっている、という可能性はありますか?
月「無いと思いますけど……」
あの、服装について黒い以外で何か特徴はありますか?たとえば「ジャケットを着ていた」みたいな。
陽「……喪服?かな?」 [良い質問]
お客様は女性でしたか?
月「男の人でしたよ」 [良い質問]
お墓ってすぐ近くにありますか?もし余裕があれば、シェフがいるかどうか見ていただけないでしょうか?
星「はーい」 星「……すぐそこのバス停で件のお客さんと話し込んでましたよ」
シェフの方も含めて皆さんは人間ですよね?もうすでに死んでいるなんてことはないですよね?
月「無いです無いです!」
シェフの近親者が最近亡くなったという話を聞いたりしてませんか?
月「お母様が何年か前に」 [良い質問]
このレストランの近くで最近亡くなった方はいませんか?
月「いませんよ縁起悪いこと聞かないで下さいよ……」
あ、シェフいたんですね!よかった。シェフとお客様はどんなお話をしているかわかりますか?
星「なんかよくわかんないけどどっちも泣いてました」 [良い質問]
もしかして今日はお母さんの命日ですか?
月「……違ったと思いますよ?」 [良い質問]
もしかして、ウミガメのスープはシェフがお母さんの味を再現しようとしていたんじゃないでしょうか?
「「「そうですよ?」」」 [良い質問]
今シェフの方に話を聞いていいですか?
星「水差さない方が良いと思いますけど……」
お母さんはどんなウミガメのスープを作っていたんでしょうね?
星「シェフのノートにレシピ書いてありますけど、材料の書き漏らしがあったみたいで、私達にはさっぱり」
お客様はシェフのお母さんの知り合いで、足りないものを指摘してくださったとか?
月「あ……そうかもしれません!」 [良い質問]
もしかしてシェフとさっき話していた人がお客様だったのでは?
星「喪服着てたからそうでしょうね」
シェフのお母さんに弟さんやお兄さんがいるという話は聞いたことありますか?
月「いいえ、まったく」
もしかして、シェフは生のウミガメを使ってスープを作り、お母さんは缶詰のウミガメを使っていた?
月「いえ、お客様が言い残していかれたのはウミガメではなかったです、それはちゃんと覚えてます」
ウミガメのスープを飲んだとき、お母様の味の再現度に感動してシェフを呼び褒めたあと、会計の時に足りない要素に気づいたお客様は月子さんに最後の食材を伝えたのではないでしょうか?
月「なるほど、それは十分にあり得ますね!……って、それならあのお客様は一体……?」 [良い質問]
シェフに兄弟がいるという話は聞いたことありますか?
月「いいえ」
もしかしてそのお客様はシェフのお父さんかもしれませんよ。
月「どういうことですか?」 [良い質問]
月子さんはお客様のお顔をはっきり見られましたか?シェフのお父様だったという可能性は本当に無いでしょうか?
月「はい。お父様はもっと背が高くていらっしゃいますから」
シェフのお母さんも料理人でしたか?
月「いいえ、専業主婦だったそうです」
シェフのお母さんにご兄弟がいらっしゃったのでしょうか?
月「そのようなお話は一度も」
シェフのお母さんには離婚歴はありますか?
月「うーん……直接聞いたことはないですけど、そんな感じの噂は聞いたことあります」 [良い質問]
シェフの生物学上のお父さんと現在のお父さんは違うのかもしれません。
月「あ……」 [正解]
シェフのお母様の前の夫さん?
月「あぁ!なるほど!」 [正解]
「シェフお帰りなさい」
「話し込んでたの、どなただったんですか?」
「あぁ、見てたのかい。父さんだよ。親父じゃなくてね。それより陽子、悪いがすぐあさりの水煮の缶詰を買ってきてくれるかい。母さんのスープが完成しそうなんだ」
「はぁい」
「……お客さんたち、アリガト、おかげですっきりしました!」
「月子?誰に話してるんだい?」
「なんでもありませーん!」
男は、出ていった妻が何年も前に死んでいたことを知り、元妻の墓石があるという海辺の町まで墓参りに来ていた。
その帰り、男は一軒のレストランに入った。
「いらっしゃいませ」
「あまり長居するつもりは無いんです。すぐに出るものを一品いただけますか?」
元妻は再婚していた。新しい夫に会うことは万に一つも無いだろうが、あまりこの町に長居はしたくないと思った男はそう言った。
「今ならウミガメのスープをお出しするのが一番早いですが」
「そうですか、ではそれをお願いします」
男がそう言うと、すぐにウミガメのスープが出された。
一口飲んだところで、不思議な感覚に見舞われた。味は実に良かったのだが、不思議な感じがした。
男はその不思議な感覚の正体を特に探ることも無く、シェフを呼んで一言礼を言った。
「実に美味しいスープです、どうもありがとう」
「……ありがとうございます!実はそれ、母のレシピのスープなんです。と言っても、材料の書き漏らしがあったみたいで、少し違うんですけど……あ、でも、そう言っていただけてとても嬉しいですっ」
そこで男は気付いた。
このスープは自分が愛した妻の味だったのだと。ウミガメのスープなど飲んだことは無いが、スープ妻のものだった。少し物足りなさはあったが、材料の書き漏らしがあったのなら仕方の無いことだろう。
このシェフは、妻が連れて出ていった、あの小さかった息子なのだと。
シェフの名札と墓石の名が同じであることを確認した男は、名乗ることは無かったが、あの子がこんな立派な店を持つようになったのだなぁと、しみじみとした気分になり、少し長居をしてしまった。
そして勘定を済ませてから、男はレジ打ちをしてくれたスタッフに言った。
「あのスープ、あさりの水煮缶の汁を入れると良くなりますよ。シェフに言っておいて下さい。それでは、いつかまた来ます」
FA条件
・けちをつけたのではなく最後の材料を教えてくれたこと
・「お客様」はシェフの実の父であり、三姉妹が会ったことのある「お父様」は養父であること
以上2点を解明すること
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。