刺客

「そろそろ寝なさい」



イソップ童話の絵本に夢中になっていた幼い私に、お母さんが声をかけた。

普段は優しいが怒ると怖いお母さんの言う事なので素直に本を片付け、布団に入る。

「おやすみ」

お母さんが電気を消し、となりの布団に入る。

今日は天気がよく、お母さんがふとんを干していたのでお日様のにおいがする。

すぐにウトウトしてきて寝返りを打った時、ふくらはぎに何かがチクリと刺さる。

痛かったのと吃驚したので完全に目が覚め、泣き出す私。

お母さんは何事かと電気をつけ、娘が痛いと訴えるふくらはぎを見ると赤くなっていた。

母がめくった私のふとんの中に、一匹のハチが居た。



お母さんは大慌てになりおばあちゃんたちに電話。

騒ぎに弟も起きだしぐずり出すわであこ家はひと騒動。

夜遅いにもかかわらず、おばあちゃんたちは対処の方法を教えてくれていました。



幸い刺されたのは何処にでもいる毒のないハチでしたとさ。ちゃんちゃん。

という実話でした。