女王撃沈す

＊大口を叩くサキが琴を演奏して見せるが初心者丸出し。

実はみんなに内緒で琴を習っているチカが演奏を引き継いだことで、モハメド満足、サキはすねていたが、チカは人前で演奏できて自信が付いたとお礼を言った。



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海外から着任したばかりのモハメド先生に日本の風情を味わってもらうために琴を持ってきたサキ。



しかし初心者丸出しのその拙い音色に、一堂どんなリアクションをしていいかわからなかった。



そっと口を開いたのは、クラスメイトのチカだった。



「ねえサキ、ちょっとずれてるよ？」



サキは顔を真っ赤にしていった。



「じゃあアンタが合わせれば？！弾けもしないくせに！」



バチと琴を押し付けて先に渡した。



「…じゃあ、ちょっとごめんね。」



申しわけなさそうに琴を受け取り、細かく音を刻みながら琴柱（ことじ／琴の音の高低を調整する柱）を微妙にずらしつつ2～3分。



「これで良いかな？田中先生、念のためスマホのチューナーアプリ使っても良いですか？」



「…良いよ。今回だけだよ。」



礼を言うとチカはぱっぱとチューナーで音を確認した。



「うん、大丈夫！」



そのまま＜さくら＞を軽いタッチで見事に弾いた。



「Oh～！Grate！Very nice!」



モハメドは目をキラキラ輝かせて言った。



「さ、サンキュー！」



サキは涙を浮かべてうつむいてしまっている。



チカはそれに気付いて耳打ちした。



「ありがとう。私、お琴やってるの恥ずかしくて…でもサキがもってきてくれたおかげで自信もてた。」



「…怒鳴ってごめん。」



「私こそお株奪うようなことしてごめんね。」



「偉そうなこといえなくなっちゃった…」