【ラテクエ52リサイクル】あ、ごめん、間違えたわ

カ

メオはまず、犯人が取った手順の推理を披露した。



部屋に張り巡らされたピアノ線。



ろうそくを使った時間差トリックで、教室に飾ってあった花瓶を割った、と実演して見せた。



「そして、僕が考えるにこれが出来るのは一人しかいない。」



その考えはあっている。

だが、今の犯人の心境では、名乗るはずがない。



カメオは賭けに出た。



「ミズタニ君、犯人はあなたですね。」



「！！！」



「君は、今日の図工の自由工作で使うためにろうそくやマッチを持ってきていた。それに、体育のときに具合が悪いからといって保健室に行っている。それも、保険委員を伴わずに一人で。確かに保健室には行っているけど、それにしては実際に保健室に付いたのは体育館を出てから１０分も経っている。…どこで、何をしていたのか説明してもらえますか？」



「…そうだよ。僕がやったんだ。何となく、むしゃくしゃして、僕がやったんだ！」



「ミズタニ君、もう良いわ。私をかばう必要なんてないの。」



「やっぱりサクラ先生ですか。」



「…うっかり手を滑らせたなんていわないわ。この花瓶、サスケさん…サスケ先生からもらったの。」



「聞きました。サスケ先生と別れ話になったそうで…。」



「憂さ晴らしに割っちゃった。でも、誰かに見られた気がして、思わず逃げてしまったの。」



「ミズタニ君、君はそれをみていたんでしょう？それで、先生をかばうために…」



「カメオくん、君はここまで見抜いて…？」



「もちろん、賭けですけどね。ただ、先生が言い出せない以上、一番懐いているミズタニ君に罪を被せることで、先生に秘密の暴露をさせるように仕向けました。」



「よくわかんねーけどカメオスゲー！」



カメオに惜しみない賞賛の拍手が贈られる教室の外に、サスケ先生が凄く申し訳なさそうに佇んでいた。



「俺、サクラ先生と別れ話なんてしてないぞ？(´・ω・`)」



＊犯人の大事な人を犯人だと指名することで、犯人から名乗り出るように仕向けた。