鶴の一声

男は飛行機で出掛けるところだった。

乗客が乗り込んで1時間、飛行機は出発どころかピクリとも動かない。

周りの乗客達はだんだんとイライラしだし、

男もそれにつられて不愉快な気分になったのだった。



それからしばらくして、ようやく機内アナウンスが流れた。

『えー、こちらは機長です。お待たせして大変申し訳ありません。

本機はエンジンにトラブルが見つかりましたので、離陸は中止いたします』



直後、ついに客たちのイライラが大爆発する。

「ふざけるな！」「どれだけ待ったと思っているんだ！」

男も周囲の怒りに押され、一緒に怒鳴り散らした。

「金払ったんだ！俺たちを目的地へ連れていけ！」

「そうだ！お前らにはその責任があるんだぞ！」

「連ーれてけ！連ーれてけ！」

男の発した言葉はやがて周囲を巻き込む大合唱となった。



怒り渦巻く客達に、しばらく沈黙を守っていたアナウンス。

しかし、ついに機長が一言だけ発した。



『わかりました。飛びます』



一瞬静まり返る機内。

その直後、発言の意味を理解した男を含む客達は

パニックを起こし、飛び出すように飛行機から降りていった。





【まとめ】

・客達が怒っていたのは「乗っていた飛行機が

　エンジントラブルで飛ばなくなったため」。

・社員（＝機長）は、客達の「目的地へ連れていけ」という

　主張に対し、「それなら飛ぶ」と宣言。客たちは慌てて退散した。



・元ネタはネットのコピペより。