以下問題文
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仮面をつけた人物が
「ゲームオーバー」と言って扉を閉じた
一体何故?
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この問題には解説を用意しておりません。皆様の質問がストーリーを作っていきます。
以下のルールをご確認ください
【ルール】
#####要素募集フェーズ#########
出題直後から質問を受け付けます。
皆様から寄せられた質問の中から、出題者(tsuna)が
今回は、ある法則に則って14個目までは採用します。15個目は独断です。採用されたモノには、良質を進呈します。
※良質としたものを以下【要素】と呼びます
※良質以外の者は「YesNoどちらでも構いません。」とお応えします。こちらは解説に使わなくても可です。
各要素を含んだ解説案をご投稿ください。
※また、矛盾が発生した場合や、あまりに条件が狭まる物はMC権限で採用いたしません。(矛盾の場合は前者優先)
矛盾例)田中は登場しますか?&今回は田中は登場しませんよね? 前者優先
狭い例)ノンフィクションですか? 不採用
狭い例)登場キャラは1人ですか? 不採用
狭い例)ストーリーはミステリー・現実要素ものですよね? 不採用
など
その後、選ばれた要素を取り入れた解説の投稿フェーズとします。
なお、一応要素が揃った後、まとめもに要素を書き出す予定です。
#####投稿フェーズ#########
解説投稿フェイズでは、要素に合致するストーリーを考え、質問欄に書き込んでください。
とんでもネタ設定・超ブラック真面目設定などなどおすきなようにお創りください。
※説明が不十分な部分がありますが、過去の「正解を創りだす」もぜひご覧ください。
魅力のある銘作(迷作?)・快作(怪作?)等いろいろ先例がございます。
■時間割
・要素募集期間
出題~15個要素が揃うまで。
・投稿期間
15個揃ったあと~11月18日(火)23:59頃
・投票期間
11月18日(火)24:00頃~11月21日(金)23:59頃
そして今回は、以下3(+1)賞をご用意いたしました。
なお、見事シェチュ王になられた方には、次回の【正解を創りだすウミガメ】を出題していただきます。
■最も好きな解説に投票
・最優秀作品賞(投稿毎 別々にカウント)
・シェチュ王(投稿者毎 でまとめてカウント)
■最も組み込むのが難しかった要素(もしくは投稿してない人は、難しそうな要素)に投票
・最難関要素賞(最も票を集めた要素に与える賞)
■最も要素を組みこむのが上手だった人に投票
・匠賞(最も要素を組みこむのが上手だった人に与える賞)
なお、質問欄の文字数制限は全角300文字?のようです。
(でも編集すればもっとはいります。まあ、やや仕様バグ技っぽいのでいつか修正されるかもしれませんけど・・
あと、良質表示で大文字になることは覚悟お願いします。)
お願い
編集ができるとは言え分割投稿される方もいらっしゃいますので、一目でわかるように物語の最後にはそれと分かる何か(終わり・fin等)を入れて下さい。
投稿は完成してから一気にお願いします。そうしないと他の方が投稿できない状態になります。
質問した人は、できるだけ投稿や投票にも参加いただけると盛り上がるかと思います。
通常の出題と違い、趣味丸出しで構いません コメディでも、スプラッターでも、ナポリタンでも、ミステリだってOKです。(出来るかどうかは知りませんw)
それでは、今回もたくさんのご参加お待ちしております!
それではゲームを始めよう 選択は君次第だ
結果発表!受賞者様オメデトウございました。
パントマイムに目覚めますか?
YESNO どちらでも構いません。
貼るカイロが剥がれなくなりますか?
YES 剥がれなくなります 要素1 [良い質問]
背後霊がエビフライで攻撃してきますか?
YESNO どちらでも構いません。
新聞紙が飛んできますか?
YESNO どちらでも構いません。
密室は関係しますか?
YES 密室は関係します 要素2 [良い質問]
カニバリますか?
YESNO どちらでも構いません。
11月11日はポッキーの日なので、ポッキーやプリッツは出ますか?
YES ポッキーやプリッツは出ます 要素3 [良い質問]
動画サイトに投稿したのが悪夢の始まりでしたか?
YESNO どちらでも構いません。
オセロが強かったらどうにかなってましたか?
YESNO どちらでも構いません。
50円玉をペットボトルに入れますか?
YESNO どちらでも構いません。
たまに土偶が飛んできますか?
YES たまに土偶が飛んできます 要素4 [良い質問]
誰かが大号泣しますか?
YESNO どちらでも構いません。
ウミガメのスープを食べますか?
YES ウミガメのスープを食べます 要素5 [良い質問]
一切口を利いてはダメですか?
YESNO どちらでも構いません。
口が裂けた男は出てきますか?
YESNO どちらでも構いません。
背中が気になりますか?
YESNO どちらでも構いません。
心を洗い流すような熱い演歌が、何かしらの奇跡を起こしますか?
YES 奇跡起こります 要素6 [良い質問]
突然生えた尻尾から超音波が発生しますか?
YESNO どちらでも構いません。
シーツの色は重要ですか?
YES シーツの色重要です 要素7 [良い質問]
赤色は重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
何のスイッチかわからず押しましたか?
YESNO どちらでも構いません。
素数は重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
ツナ缶と猫缶を間違えましたか?
YES 間違えます 要素8 [良い質問]
じっとしてれば金庫は開きましたか?
YESNO どちらでも構いません。
真っ平らなハンペンを求めて旅に出ますか?
YESNO どちらでも構いません。
アイドルは重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
闇の中に何かを見ますか?
YESNO どちらでも構いません。
星が落ちて来ますか?
YESNO どちらでも構いません。
そっくりさんがこっくりさんをしますか?
YES こっくりさんします 要素9 [良い質問]
ボクっ娘が大量発生しますか?
YESNO どちらでも構いません。
3の倍数は重要ですか?
YES 3の倍数重要です 要素10 [良い質問]
コッペパンを踏みつけますか?
YESNO どちらでも構いません。
サブタイトルは重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
徳川家の隠し財宝は関係ありますか?
YESNO どちらでも構いません。
爪を切らなかったことを後悔しますか?
YESNO どちらでも構いません。
マウスは重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
仮面の下には驚きの素顔が隠れていますか?
YES 隠されています 要素11 [良い質問]
考えた結果、世界征服をすることにしましたか?
YESNO どちらでも構いません。
コインが一枚足りませんか?
YESNO どちらでも構いません。
まだら模様の紐は関係しますか?
YESNO どちらでも構いません。
蛇口から水がポタポタ落ちますか?
YES ポタポタ落ちます 要素12 [良い質問]
カレー派かラーメン派か聞かれた時、ふとおにぎりが思いつきますか?
YESNO どちらでも構いません。
黒と赤で迷って最終的に黄色を選択しますか?
YES 黄色を選びます 要素13 [良い質問]
XYZの三文字は重要ですか?
YESNO どちらでも構いません。
実は隣の家の色っぽいお姉さんが鍵を握っていますか?
YESNO どちらでも構いません。
訛りすぎて英語に聞こえますか?
YESNO どちらでも構いません。
毛布を切りますか?
YES 毛布切ります 要素14 [良い質問]
犯人は霊長類ですか?
YESNO どちらでも構いません。
朝焼けが綺麗すぎて感動しますか?
YESNO どちらでも構いません。
そして誰もいなくなりますか?
YESNO どちらでも構いません。
田中派の人々が富士山に集いますか?
YESNO どちらでも構いません。
田中が落ちてきますか?
YES 田中が落ちてきます 要素15 [良い質問]
田中が背中越しに笑いますか?
YESNO どちらでも構いません。
田中だと思っていたやつは実は中田でしたか?
YESNO どちらでも構いません。
田中は旧姓は中田ですか? [編集済]
YESNO どちらでも構いません。
田中さんが闇のゲームをしますか?
YESNO どちらでも構いません。
田中だと思っていたやつは実は甲虫でしたか?
YESNO どちらでも構いません。
田中さんが棚に手紙を入れますか?
YESNO どちらでも構いません。
因みに採用の法則は質問数が素数であること。ただし、同じ人の連続採用は見送るでした。
田中が屋台を引きますか?
YESNO どちらでも構いません。
ポツ・・・ポツ・・・
蛇口から水がポタポタ落ちる音で
男は見知らぬバスルームで目覚めました。
ここはどこだ・・?
男はドアを開けようと奮闘しますがビクともしない
窓には鉄格子がはめられていました。
閉じ込められた?もしかして誘拐?
こんな密室に閉じ込めてどうするつもりだ?
すると突然記憶がフラッシュバックしました。
『ゲームオーバー』
仮面をつけた謎の人物が扉を閉めるところが鮮明に思い浮かびました。
なんだ・・?
思い出せ・・・一体何があったかを・・・
そうだ・・・
ウミガメのスープを食べてからの記憶がない・・・
まさか誰かが睡眠薬を?
古いブラウン管テレビがチャンネルを乱雑に変えるように
少しずつ記憶が断片的に思い出していきます
毛布で縛り付けられていた田中に謎の仮面の男がクイズを出していたんだ
ポッキーやプリッツどっちが文字数が多い? (´・ω・`)プリッツ?
ツナ缶と猫缶。猫が入っているのはどっちでしょう? (´・ω・`)猫缶?
3の倍数を言ってください。(´・ω・`)さん、ろっく、クゥ、トエンティ・・・フォーティー ナインティー
ブロッコリーは何色? (´・ω・`)あk・・くr・・黄色だ!
とか訳のわからない二択ばかり
(ちなみに不正解の度に土偶が田中目掛けて飛んでくる)
最終的に毛布が切られたせいで田中は数十メートル下に落下して死亡したんだ。
田中は確かに嫌な奴だった
人の背中に勝手に貼るカイロを貼り付けたせいで剥がせなくなったり
こっくりさんを流行らして俺の好きな娘を公衆の面前でばらしたりしたけど
何かと嫌がらせをしてくるけど殺させれいい訳ではない
なんとかしてここから脱出しないと自分も殺されてしまうのでは?
男は死に物狂いで何か使えそうなものはないかと探索しました。
するとカセットテープが出てきました。
仮面の男が用意したものか?
男はスイッチを入れました。
『ザザ~やぁ目が覚めたか?これを聞いているっと言う事は出口を探しているな?』
『出口はある。しかし教えるわけには行かない。ここから出すわけには行かない。』
『・・・田中のことは気にするな。影武者を用意しておいた。』
『今もそのそっくりさんがこっくりでもやりながら田中を演じているさ』
『だから何も気にすることはない』ープツンー
テープが切れました。
ふざけるな!田中を殺しておいて何が気にすることはないだ!!
無駄だとわかりつつもテープに怒鳴りつけました。
男はテープレコーダーを投げつけようとしました。
その時ふと自分もこれと同じテープを持ち歩いていることを思い出しました。
それは自分が好きな演歌でした。
男はテープレコーダの音量を最大限に上げ
心を洗い流すような熱い演歌を大音量で窓の外に流しました。
そのかいあって山奥にあった廃墟の近くを通りかかった通行人により
警察に連絡が入るという奇跡が起こりました。
そしてすぐに警察が駆けつけると男を捕獲しました。
めでたしめでたし。
あれ?捕獲?保護じゃないの?(´・ω・` )
警察が押収して防犯カメラの映像には
仮面の男が田中を殺害するときの映像が収められていました。
そして仮面の男の仮面を外した顔が男そっくりでした。
つまり田中を殺したのは男で自分で内側から鍵を掛けたのでした。
仮面も初めからこの部屋にありました。
男は田中を殺した罪の意識に苦しみ自ら記憶を封印したのでした。(完)
[編集済]
まさかの自作自演とは・・・・いや、そう見せかけて心神喪失で無罪を狙ったとしたら・・・・怖い!! [良い質問]
とある高級マンション。
その最上階を貸し切って住む大金持ちの田中のもとに、仮面の怪人が現れた。
「な、なんだお前は!?」
「ふっふっふっ」
怪人が笑いながら仮面を外すとその下から現れたのは、なんと田中そっくりの顔!
「驚いたか田中?私はお前に万が一のことがあったときに臓器移植をするために生み出されたクローンだ!私を生み出した奴らに復讐すべく、研究所の科学者たちを皆殺しにして、今度はこうしてお前を殺しに来たぞ!」
「なんだと!?た、頼む!殺さないでくれ!お前を作ったのは科学者たちの勝手だろう!?俺は関係ないじゃないか!?」
「う~ん、そう言われてもどうしよっかな。こっくりさんで決めようかな?」
怪人はマントの中から紙と10円玉を取り出すと、こっくりさんをし始めた。
「私は田中を殺すべきでしょうか?」
『チャンスくらいあげたら?コンコン☆』
「なるほど。ではチャンスをやろう!私と3の倍数の言い合いっこをして、勝てればお前のことは見逃してやる!」
怪人が先攻。
田中が後攻だ。
「では行くぞ。『3』!」
「えっと……『5』!」
田中の負けだった。
怪人が高笑いを上げながら田中に殴り掛かる。床に倒れる田中。
「ゲームオーバーだ!」
仮面の怪人はそう言うと部屋の扉を閉めて出て行った。
「っ……う、うう」
しかし頑丈な田中はまだ死んでいなかった。
フラフラと立ち上がり部屋の外へと出ようとするが……。
「!?……ド、ドアが開かない!」
なんと部屋に閉じ込められてしまった。密室だ。仮面の怪人が、田中が万が一息を吹き返した時のために策をろうじて行ったのだろう。
ケータイ……も駄目だ。殴られたときに、取り上げられてしまったらしい。
せっかく一命を取り留めたというのに、部屋から出られない。その上誰かに助けを求めることもできないのでは……このままでは飢え死にしてしまう!
「そ、そうだ!確か。以前に友人からもらったツナの缶詰がどこかにしまってあったはず!」
田中は必死に部屋の中に何か食料がないかと探した。その結果見つかったのは、おやつとして買い置きしておいたポッキーとプリッツと、ツナの缶詰……いや、よく見ればそれは猫缶だった。何故猫を飼っていない田中にこれをくれたんだ友人!?
田中は一先ず、ポッキー・プリッツと水道水とでなんとか飢えをしのぐことにした。
とにかく、なんとかして誰かに自分の危機を知らせなくては!
何か役に立つものはないかと視線を走らせた田中の目に止まったのは、布団のシーツだった。これを旗のようにして振れば、通行人の誰かが気づいてくれるのではないか。何色のシーツを使うべきかと迷った田中。黒と赤も捨てがたかったが、やはり警戒色である黄色が人目につくだろうと黄色のシーツをチョイス。
「おーい!おーい!」
力の限り黄色いシーツを振り回したが、遥か頭上のマンションの最上階の方へと目を向けてくれる通行人は誰もいない。
それならばシーツを切って結んでつなぎ合わせて、ロープのようにして脱出できないか。田中はシーツを3枚とも切った。それだけでは長さが足りなかったので毛布も切ってつないだ。しかし、地上にはまったく届かない。
「だめだ……!」
田中は絶望して、床に崩れ落ちた。
…………。
数日後。
ポタポタと水道の蛇口から水が落ちる音を聞きながら、田中は、死を覚悟しつつあった。ポッキーもプリッツも、もうとっくに食べきってしまった。
何日も前に背中に貼ったホッカイロがすっかり冷たくなっているが、一人ではそれをはがすこともできない。
もうだめだ。自分はここで死ぬんだ。
そう思ったら自然と、大好きな演歌を口ずさんでいた。疲れ切っているせいでそこまで大きな声は出せないが、心を洗い流すような熱い演歌を……。
すると、その演歌にハモってくれる声があることに田中は気づいた。窓の外から聞こえる!
田中が慌ててベランダから顔を出すと、一つ下の階の奥さんが、田中につられて演歌を口ずさみながら洗濯物を干しているところだった。
これぞ神の助け!いや、奇跡だ!
田中は必死に奥さんに事情を説明し、助けを求めた。
すぐに田中を救出すべく救助隊が組まれたが、救出は難航した。
マンションは防犯対策のためにとびっきり頑丈に作られてしまっていたので、ドアを壊して助けるわけにもいかない。
ひとまず下の階から食料などが投げ入れられたが、何故か土偶も飛んできた。
「こうなったら田中さんの部屋の窓の下にクッションを置いて、田中さんに飛び降りてもらいましょう!」
かくして田中は落ち、無事に九死に一生を得た。
しばらく何も食べておらず胃腸が弱っている田中のために、救助隊は温かいウミガメのスープを振る舞ってくれたという。
(完)
[編集済]
命は助かったけれども、臓器の為に自分のクローンを造っていた事が判明すると、社会的制裁。 判明しなかった場合は科学者連続殺人鬼となるのですね。もう袋小路。 [良い質問]
「まいったな。」
「まいったね。」
「まさかこんなところに閉じ込められるなんてね。」
「ね。」
「しかも地味に水位が上がってきてるよ。」
「ね。」
「わ。」
「ナイスキャッチ。」
「なんだこれ。」
「黒いな。」
「これ、土偶だ。」
「土偶?」
「土偶。」
「腹減ったな。」
「な。」
「なんか食うもん持ってないの?」
「スープ作ってやろうか。」
「おう。作れ。」
「その日、カメオ君はすっきりとした朝を迎えました。」
「なんだ。そっちか。」
「しかしすぐに、毛布を切り刻まなければならないことに気づきました。」
「地図でも書いたんだろ?」
「・・・あたりだ。つまんねぇな。」
「そりゃこっちのセリフだ。」
「おっ!」
「ナイスキャッチ」
「また土偶だ。」
「今度は赤か。」
「なんなんだろうねこれ。」
「ね。」
「今度は20の扉にしよう。」
「好きにしろ。」
「今俺が思い浮かべてる1文字を当ててみな。」
「3の倍数は重要か?」
「ん?お、まあYesかな。」
「・・・”r”か。」
「おおう。なぜ分かった。」
「お前津軽海峡大好きだもんな。」
「は?」
「”昨日”の”尻”だろ?」
「・・・なにそれ。」
「なんだ。マグレだったか。」
「おい、今度は上からくるぞ。」
「ほ。」
「ナイスキャッチ。」
「ん?」
「どうした?」
「この土偶、中身があるぞ。」
「人でも入ってんのか?」
「ああ。」
「え?」
「田中だ。」
「それはオドロキだな。」
「津軽海峡冬景色ってあれか。」
「ん?」
「冒頭部分とフランス語で考えたのか。」
「そうそう。」
「なるほどね。」
「だいぶ水が溜まってきたな。」
「いつまで浮かんでいられるかね。」
「うぉっ」
「あっ」
「なんで急に扉が開いたんだ?」
「水圧で開いたんじゃない?」
「しかしまさかこんなテープ一枚で扉がとまっていたとはね。」
「単なるテープじゃないかもしれない。」
「あ、ほんとだ。」
「ん?」
「ほんのりあったかい。」
------
「田中ー!聞いてくれよー!!」
「どうした?」
「ツナ缶だと思って間違えて猫缶食っちまった!!クソまじぃ。。」
「ご愁傷様。」
「間違えるといえば、いつ見てもどっちがどっちかわからないあの双子、最近見ないな。」
「ポッキーとプリッツか?あいつらならたぶん当分学校来ないぞ。」
「ん?なんで?」
「いや、ベンツとフェラーリどっちで登校しよう?とかわけわかんない相談されたからさぁ、」
「さすがはグリコ兄弟。わけわかんねぇな。」
「こっくりさんのやり方を教えてやったんだ。」
(完)
[編集済]
非常に理不尽に不条理な状況に置かれた二人のお話ですね 惜しむらくは要素が幾つか抜けていた事でしょうか [良い質問]
田中さんは奇行とは無縁の、占いやおまじないが大好きな小学生の女の子。
最近は毎日放課後に教室で友達とこっくりさんをやるのにハマっているので、今日も帰りが遅くなってしまいました。
「さん、ろく、きゅう、じゅーにっ」
3の倍数を唱えると幸せになれるというおまじないを実行しながら家路を急いでいると
「じゅーご、じゅーは…………あっ!」
田中さんったらドジっ娘!
おまじないを言うのにあまりに夢中になっていたので、家の隣にある湖の前でうっかり転んでしまいました!
転んだ拍子に、田中さんのランドセルから、ラッキーアイテムの黄色い土偶がぽ~んと湖めがけて飛んでいきます。
ぽちゃん
土偶はそのまま湖に落ちてしまいました。
その時です!
湖の水面が一瞬で光り輝いたかと思うと、湖の中から、神々しい金色の仮面をつけた女神様が現れました。
「あなたが落としたのはこの黄色い土偶?それともこの黒い土偶?もしかしてこの赤い土偶かしら?」
田中さんは黄色よりも黒や赤の方が好きだったので、なんと答えようか少し迷いましたが、結局素直に答えました。
「私が落としたのは、黄色い土偶よ」
「あなたは正直な子ですね。正直なあなたには、落し物を返してあげます。それに、私の魔法で不思議な力を使えるようにしてあげましょう。きっとあなたには明日から幸運が降り注ぎますよ。……ですが、いいですね?その正直な心を、決して忘れてはいけませんよ?」
「うんっ、分かった!」
次の日から田中さんは超ラッキー少女へと生まれ変わりました。
田中さんが「えいっ」と念じれば、いじめっこの背中からホッカイロが剥がれなくなります。
田中さんが大好きなポッキーを食べたいと念じれば、宙からポッキーが湧いてきました。
温かい物が飲みたいときには、目の前にウミガメのスープが注がれたお皿が出てくるのでそれを飲みました。
大抵のことは、なんでも田中さんが思った通りになりました。
「すごい!全部女神様のおかげだわ!」
田中さんは女神様に感謝しました。
…………。
しかし、そんな奇跡のような出来事も長くは続きませんでした。
女子高生になった田中さんは、放課後に友達とこっくりさんをする習慣は相変わらずでしたが、もう以前のように、思ったように奇跡を引き起こすことはできなくなっていました。
「きっと魔法の力が切れてしまったんだわ……」
田中さんはそう思いました。
そして、こう思ってしまいました……。
「もう一度あの女神様に会えば、きっとまた魔法の力を手に入れられるはず……ッ!」
田中さんは急いで家に帰ると、もう使わなくなった古く黄ばんだシーツを引っ張り出し、それを湖へと落としました。
あのときと同じように女神様が現れます。
しかし成長した田中さんは、あのときのような『正直な心』を忘れてしまっていたのです!
「あなたが落としたのはこの黄色いシーツ?それともこの黒いシーツ?もしかしてこの赤いシーツかしら?」
「黒……いえ、赤よ。私、赤が好きなの。赤いシーツをちょうだい」
その途端。
神々しかった女神様の仮面がポロリと剥がれ落ち、仮面の下から驚くくらい恐ろしい顔が現れました。
まるで夜叉か般若のようです!
「愚か者めッ!正直な心を忘れるなと言っただろう!正直ならば無事に家に帰してやるつもりだったが、嘘をついたお前は……ゲームオーバーだッ!」
見えない何かにものすごい力でひっぱられたかと思うと、田中さんは湖の中へと落っこちてしまいました。
とっさに息を止めましたが、しばらくして、何故か水の中なのに息ができることに気が付きます。
しかしどんどん水底の方へと引っ張られて…………気が付いた時には田中さんは、湖の底にある、ほとんど箱のような小さな小屋の前と連れてこられました。
女神様は再びあの神々しい仮面をつけていましたが、今の田中さんには、その顔がもう恐ろしいものとしか思えなくなっていました。
「嘘つきはこの中に閉じ込めてやる!」
「そんな!いやっ!家に帰して!」
「安心しろ。お前が居なくなったことになど誰も気が付かないさ。見ろ、お前の偽物を用意しておいてやったぞ」
見ると、女神様の横には田中さんのそっくりさんが立っていました。
「明日からはコイツがお前の代わりをしてくれるさ!」
そう言って女神様は田中さんを小屋の中へと突き飛ばし、そのまま扉を閉めてしまいました。
「いやぁぁぁああああ!出してぇえ!!」
田中さんは泣き叫びます。
しかしそこは光すら届かぬ、完全な密室なのでした……。
◆ ◆ ◆
さて。
次の日から、田中さんの様子がおかしいというのがご近所中の噂になりました。
友達とのこっくりさんでも、いつもなら間違えないような手順を間違えます。
突然毛布をナイフでズタズタに切り裂いたりします。
水道の蛇口からポタポタと零れ落ちる水を、ペロペロと楽しそうに舐めとったりします。
ツナ缶と間違えて、猫缶を美味しそうに食べていた時もありました。
「た、田中さんが、奇行をするようになっちゃった!?」
田中さんを知る人たちは誰もが不思議がりました。
その中でも特に強く疑問を持ったのが、田中さんの親友のカメコです。
「あの田中さんは絶対に偽物だよ!」
そう思ったカメコは田中さんを校舎裏に呼び出しました。
「どうしたのぉカメコちゃん?こんなところに呼び出したりしてぇ?」
「あなた、田中さんじゃないでしょ!?」
「……えぇ?おかしなこと言うねぇカメコちゃん?私は田中だよぉ?」
「だったら歌ってみて!」
「歌ぁ?」
「そうよ!田中さんは演歌が得意だったの!あなたが田中さんだって言い張るんなら、歌って証明しなさい!」
「…………」
田中さんのそっくりさんは歌いました。
そっくりさんの演歌は、かなり上手ではありました。
しかしその演歌は、カメコの耳には、いつもの田中さんの演歌とはまったく違って聞こえました。
いくら上手でも、今目の前で歌われているこの歌には心がこもってないのです。
本物の田中さんの演歌は、もっと心が洗われるような素晴らしい演歌なのです!
親友のカメコにはその違いが一目瞭然でした(目でなく耳ですが)。
「やっぱりお前は偽物だな!本物の田中さんを返せっ!!!!」
「ぐっ!!」
正体を言い当てられた偽物の田中さんの体が急にぼろぼろと崩れ落ち始めました。
そのまま宙に四散して、消えていきます……。
◆ ◆ ◆
そのとき、本物の田中さんが閉じ込められている小屋の中に急に光が差し込んできました。
そうです。
田中さんは女神様の魔法でここに閉じ込められてしまったわけですが、その魔法は『誰かが田中さんのそっくりさんのことを偽物だと見破ってくれればここから脱出できる』という種類の呪いだったのです。おとぎ話なんかでよくあるやつですね!
田中さんの体はふわりと、地上に向かって浮かび上がりました。
ふと下に視線を向けると、女神様と目が合いました。
「……フンっ、良い友達を持ったことに感謝するんだね。これに懲りたら、二度と余計な嘘はつかないようにすることだ」
「ありがとう女神様!!」
こうして田中さんは無事に家へ帰ることができました。
きっと明日の放課後も、友達と仲良くこっくりさんをすることでしょう。
(完)
[編集済]
田中さんは良い友達を持ってよかったですね。しかし、高校生にもなってマダこっくりさんするんかいw [良い質問]
田中は、今朝背中に張り付けたホッカイロがまったく剥がれないことに、今気が付きました。
「……まじで?」
はい、まじです。
いくら剥がそうとしても、接着剤で張り付けたみたいに全く剥がれません。
試しに手元にあったポッキーを隙間にねじ込ませて剥がせないものかとやってみましたが、ただポッキーがポッキリと折れただけでした。
プリッツでもやってみましたが、プリッと折れました。
キッチンの蛇口から水がポタポタと落ちているのを見て、もしかしたら水に浸せば取れるのではないかと考えましたが、それも失敗に終わりました。
この服、一番のお気に入りなのに!
「うー……ん」
どうしたものか……。
頭蓋骨という小さな密室の中で、田中の脳がフル回転します。
しかし所詮は田中の小さな脳みそ。
結局何も良い案が思いつかなかったので、双子の妹の知恵を借りることにしました。
田中の双子の妹は名をカメコといって、見た目こそ田中とそっくりなのですが、田中よりもずっと頭がよくて両親の期待を一身に受けている良い子ちゃんなのです。
……ただちょっとオカルト趣味なのが玉にきずなのですが。
「カメコ!ちょっといいか?」
リビングでテレビを見ていたカメコに声をかけます。
テレビでは、
仮面を付けた男が『ゲームオーバーだ!』なんて大げさなことを言いながら、重々しい鉄の扉を閉じている映像が映し出されています。
どうやらまた、カメコ好みのサイコな映画をレンタルショップで借りてきた模様。
扉の内側に閉じ込められた人々は皆どこかしら怪我をしているので、おそらく、命を懸けた死のゲームでもしたのでしょう。そしてゲームオーバーになったのでしょう。
「ん?なぁに兄貴~?あ、お母さんが、今日の夕飯はウミガメのスープだって言ってたよ」
「ちょっと相談があるんだが……」
「ん?んんん?なになにどうしちゃったのかしこまっちゃって?可愛いいもーとに何の相談?」
「実はな、兄ちゃんな…………『ホッカイロが剥がれなくなった』んだ」
「………………はああ?」
カメコがぽっかりと口を開けます。
テレビでは仮面の男が仮面を外して見せながら、主人公らしき青年と会話をしているのが流れています。
『お前は私がお前の父親を殺したと思い込んでいるようだがそれは違う!実は、私がお前の父親なのだ!』
『嘘だぁぁ――――――ああっっ!!!!』
『嘘ではない!実はさっき扉を閉めたのも、本当は息子であるお前を助けるためだったのだ!』
『なんだとぉぉ――――おおっっ!?!?』
「ふざけてると思うだろうけど本当なんだ!ほら!ためしに剥がそうとしてみてくれ!」
初めはいぶかしげな顔をしていたカメコでしたが、言われた通りホッカイロが剥がれないことを確認すると、大声で笑い出しました。
「マジじゃん!どうしちゃったのこれ!」
「俺にも分からん。とにかく剥がれないんだ。お前なら何かいいアイディアがないかと思って聞きに来たんだが」
「こんなにピッタリ張り付いちゃってるモン、あたしにどーにかできるわけないでしょうが!あははははははは!」
「ふん、なんだよ。カメコの役立たず。成績良いくせに!」
「は!?なんだよその言い方?兄貴のば~かっ!」
怒ったカメコはソファーにあった、土偶の形のクッションを田中に投げつけました。
今はやりのゆるキャラ『どぐっしー』をかたどったクッションです。
カメコのお気に入りのクッションなのですが、こないだ寝ぼけた田中がうっかり破いてしまったので、今は継ぎはぎだらけのフランケンシュタインのようになってしまっています。
唯一の希望に裏切られた田中はしょんぼりと自室に戻ると、再びなんとかホッカイロを剥がせないものかと試行錯誤し始めました。
高いところから落ちた衝撃でうまく剥がれてくれないかと思い、椅子に乗って背中から地面に落ちてみましたが、痛いだけでした。
あまりにも苛々したので思わず毛布をハサミでバラバラにしてしまいましたが、部屋が汚れた上に、今夜寝るときに寒くなってしまっただけでした。
いそいそと毛布の切れ端を片づけ始めた田中はついでに部屋のちょっとした模様替えまで始めてしまって、布団のシーツの色はやはり重要だ、何色にすべきか……なんて真剣に悩みだしました。黒か、赤か……やはり、温かみのある黄色が一番落ち着くだろうか……。
「ばんごはんよ~」
母の呼び声に田中はハッとして、自分が今やるべきことをようやく思い出しました。
いかんいかん!
模様替えに夢中になって、現実逃避している場合ではない!
ホッカイロをどうすべきか考えなくては!
とりあえず、3の倍数でも数えて落ち着こう!
心を落ち着かせるという意味において、3の倍数はとっても重要です!
「3、6、9、12、15、18、21っ!」
口に出しながら、田中はばんごはんを食べるべくリビングへと向かいます。
「あ、兄貴まだホッカイロ剥がれてないんだね?あははは!だっさーい!」
カメコが笑いながら、また『どぐっしー』を投げつけてきたのをさらりと避けて、食卓へと向かいます。
テレビでは、
重い病におかされた少年が大好きな演歌歌手に会う!という特別ドラマを放送しています。
どうせ視聴者の涙を誘うだけ誘っておいて、心を洗い流すような熱い演歌のおかげで奇跡的に少年の病気が治った……みたいな展開に持っていく気なのでしょう。
よくありがちな展開です。
カメコはこういう番組を好まないので、おそらくは母の趣味でしょう。
「母さん、今日はウミガメのスープなんだって?」
「そうよ。それとツナサラダ」
「……母さん。母さんが今手に持ってるのはツナ缶じゃなくて、ルナのごはんだよ?」
「え?あ、あらいけない!よかったわ、ぎりぎり開ける前に気がついて!」
足元では猫のルナが「みゃおうん」なんて鳴いて、自分のごはんの催促をしています。
◆ ◆ ◆
……田中と母親からは少し離れた場所で、カメコは、田中の背中にまだホッカイロが張り付いたままなのを見てほくそえみました。
「……『どぐっしー』の仕返しに、ちょっとこっくりさんに頼んで呪いをかけてもらっただけなのに、まさかそれがこんな形で効果が現れるなんてなぁ」
あとで新しい『どぐっしー』グッズを買ってくれる約束をしてくれたら、呪いをといてあげてもいいかな?
カメコはそう思いながら、自分も食卓へと向かったのでした。
(完)
[編集済]
やばい、妹エスカレートしていったらどぐっしーにも呪いかけそうですねw そして作中作、元ネタ以外にSWが入っている~w [正解][良い質問]
タイトル:脱出ゲームは鬼六の香り
「やあ、皆さん、今晩は」
モニターに映し出されたのは、顔の右上側半分だけを覆う、歪な仮面を付けた男の顔だった。
密室に閉じ込められた俺たちに、その男は告げる。
「ゲームをしよう。私の名前を君達が当てられたら君達の勝ち。当てられなければ君達の負け。シンプルだろう?」
男の説明によれば、ラウンドの小ゲームと、名前当ての大ゲームをするらしい。小ゲームをクリアする毎に、男の名前のヒントが手に入るという。小ゲーム自体はクリアできなくても、男の名前を当てることが出来た瞬間に、俺たちの勝ちが決定し、ここから脱出出来る。逆に、いくら小ゲームをクリアしても、男の名前が分からなければ、そこでジ・エンドという訳だ。
第一ゲーム「クッキーパーティ」は、ひたすら弾幕のように飛んでくるポッキーとプリッツ(要素3)を避ける、というものだ。当たり判定は、服に付いたチョコレートで行われるので、ぶっちゃけプリッツには当たっても平気である。ただし、ポッキーとプリッツに紛れて土偶も(要素4)飛んでおり、これは当たると相当痛いので、俺たちはそこそこ真剣に避けた。このゲームは何とかクリアでき、「3の倍数(要素10)」というヒントが手に入った。
第二ゲーム「爆弾解体」は、様々な仕掛けが施されたツナ缶を開けるゲームだった。缶に貼られたカイロがなかなか(要素1)、取り付けられた爆弾っぽい赤・黒・黄色の導線の赤と黒のどちらを切るかで迷ったりしたが、結局部屋に不自然に置かれていたベッドのシーツと同じ色(要素7)だということで黄色の導線を切った(要素13)ら、缶は開いた。が。
「くくく、残念だったね。それはツナ缶ではなく、猫缶だよ(要素8)。本当のツナ缶は、ベッドの下に隠されていた。しかも、ただのプルトップ缶だから、先程まで君達が繰り広げていたような茶番をせずとも開けられたんだ」
そう男に告げられ、ベッドの下で小さな何かが爆発した。爆風は大したことがなかったが、中身が発酵しているのか、恐ろしく臭かった。
第三ゲーム「ウミガメのスープ」は、微妙なゲームだった。仮面の男に振る舞われた人数分のウミガメのスープの内、毒入りがいくつかあるからそれを当て、毒の入っていないスープを食べろ、というものだったのだが、ベッドの上の毛布が、青・緑・黄色のグラデーションになっていることから、BTB溶液の代わりになるのではないかと考え、切り刻んで(要素14)浸すという、訳の分からない事をさせられただけだった。正直、毒無しでも、毛布を突っ込んだスープなんか食べたくなかったが、なんとか食べた(要素5)。ここで手に入ったヒントは、「第一ゲーム」だった。
「さあ、第三ゲームまで終わってしまったよ?まだ私の名前は分からないのかな?」
俺たちは、仮面の男の正体はおろか、一緒にゲームをしている仲間についても、ほとんどよく分かっていなかった。面識はない…ように思えたが、何故か初対面とも思えなかった。
「そうか。まだ私の名前は分からないのか。それでは、ここでゲームは終了だ。君達の負けでね」
仮面の男がそう言ったと思うと、部屋の壁一面から沢山の蛇口が姿を現し、それらの蛇口から一斉に、絵具で着色された白い水がポタポタと落ちてきた(要素12)。一つ一つの蛇口から出る水の量は少なくとも、蛇口の数が多いので、すぐに水は俺たちの膝を濡らした。一緒にゲームをしていた仲間たちは、にわかに色めき立って、この世の終わりのような顔をして叫んでいた。密室に閉じ込めた(要素2)のは、このためだったのか、と考えながら、俺は何か違和感を覚えていた。俺は前にも、こんな体験をしたことがある、と。膝の上まで水が浸み、阿鼻叫喚の中に放り込まれたことが……。そこで俺は閃いた。
「お前の名前は、田中水白(みじろ)だ」
俺は思い出した。ポッキー・プリッツは数字の1に見立てられることがある。1を組み合わせて作れる3の倍数と言えば、111だ。そして、11月1日、俺は、ある男が焼身自殺を図った挙句、その部屋の暑さに耐えかね窓から落ちた(要素15)ことを覚えている。その男の名前は、田中「水白」。白い水だ。田中が焼身自殺を図った理由は、ポッキーパーティのために乗り込んだ船で爆弾が爆発し、遭難した挙句にウミガメのスープと偽られて人肉を食べさせられたことだった。あの時人肉のスープを食べさせたのは、俺たちだった。
パチパチパチパチ……
「正解だ。少々遅くなってしまったようだが、君は解答に成功した。約束通り、君達全員をその扉から出してあげよう」
仮面の男はそう言い、仮面を取った。火傷の跡が仮面の下に痛々しく残っていた(要素11)。そう、田中の顔の火傷も、ちょうどこんな感じだった。などと俺が考えていると、壁の一部が開き、外には開けた空間が見えた。
GOOD END…?(続きます)
[編集済]
第二ゲームツナ缶と見せかけてシュールストレミング缶の気がしないでも無いですねw
「ゲームオーバー」 そう言って、俺はスイッチを操作して、扉を閉じた。火傷の跡の特殊メイクを剥がすと、生前の弟とそっくりの顔が現れた。あいつらは、水白が死んだということさえ覚えていなかった。ふざけるな。水白の双子の兄である俺・泉が、どんな思いでこっくりさんをしたり(要素9)、探偵社に依頼したりしてお前ら罪人どもを突き止めたのかも知らずに、のうのうと生きていやがった。そんな奴らを生かしておく義理などない。あと、水白とか言う難読名前読める俺すげえ的な感じでドヤ顔してたあいつがムカつく。俺は、毒ガスを、扉の先の、ゲームをしていた密室よりも広い部屋に流した。その部屋から、水白の好きだった演歌が聞こえてくるが、そんなの知った事か。……あいつらが歌ってるのか。水白のことを想って?いや、でも、でも、そんな。 俺は結局、あいつらを殺せなかった。あいつらに聞いたところ、誰もそんな演歌は歌わなかったらしい。ちくしょう。水白が演歌を歌って俺を止めてくれたのか(要素6)……ありがとよ。俺、人殺しにならずに済んだよ… fin. [編集済]
復讐からは何も産まれない事を水白は教えてくれたんでしょうね [良い質問]
長文クリックをしそこね、大変申し訳ございません。 FFのネタは改めて新たに投稿させていただきます。。。 [編集済]
どんま~い
――……ガシャンッ
病院の自動ドアをくぐろうとしたウミエの目の前に何かが飛んできて粉々に砕けた。
土偶だ。
息子のウミタの病室に置物として置いてあったはずの物だ。
ハッとして視線を上に向けると、5階建ての病院の最上階、一番左端。ウミタの病室の窓が大きく開いていた。中からは、この距離でも確かに我が子の物と分かるわめき声が聞こえてくる。
ウミエは急いで病院の階段を駆け上がり病室へと急いだ。
「ウミタ……ッ!」
病室の中は散々な有様だった。ウミタが暴れて壊したのだろう。切り裂かれた毛布の切れ端がそこら中に散らばり、棚の上では花瓶が倒れ…………そして部屋の中央では顔を泣き腫らしたウミタが看護師になだめ られていた 。
看護師がウミエに気がついて振り返る。
「お母さん。良いところに来てくれました。……少し、ウミタくんの側にいてあげてください」
「はい。あの、すみませんウチの子が……」
「いいんですよそんなの!では、私はナースステーションに戻りますので」
看護師はさっと部屋の片づけを済ませると、二人の邪魔をしないようにそっと部屋から出て行った。
仕事のできる女性というのは、きっとああいう女性のことを言うのだろう。
そう感心しながら、ウミエはウミタのことをベッドに座らせる。
『やっぱり病院のシーツならこれくらい真っ白でなくっちゃ!』ってくらいに清潔そうな白いシーツが、ウミタの体重の分だけ柔らかく沈み込んだ。
ウミエは場を和ませる意味も期待 して、持ってきた花を花瓶に活け始めた。
ウミタの病室は個室なので室内に水道が付いているのだ。
「ウミタ。どうしてこんなことしたの?」
「だって……背中に貼ったホッカイロが剥がせなくて、苛々したんだ」
「そんなことぐらいでこんな八つ当たりしちゃだめでしょう?お医者さん達が困っちゃうわよ?」
「別に……僕の病気を治せないお医者さんなんて、困っちゃえばいいんだ!」
「ウミタ…………」
「ずーっとお外で遊んでない!もう、病気なんて嫌だ!こんなの、密室に閉じ込められてるのと同じじゃないか!」
「…………」
水道の蛇口から水がポタポタと落ちる音だけが、真っ白な部屋の中でやけに大きく響いた。
◆ ◆ ◆
ウミタは大病を患っており、もう何年も入院生活を続けている。
親戚が病院を経営しているつてで格安で個室をあてがってもらえたのは幸運だったが、様々な自由が制限される入院生活は、日に日にウミタの元気を奪っていった。
決して治らない病気ではないのだ。しかしそのためには成功率の低い、難しい手術をしなければならない。
そして何よりも問題なのは、カメタ自身が手術を受けることに弱気になっているということだった。
遺跡や演歌など、古き良き物が大好きだったウミタ。
元気だったころは、大きくなったら考古学者になりたいと言っていたウミタ。
誕生日プレゼントの土偶の置物をあんなに喜んでくれていたウミタ。
「お願いします!息子のために、病院まで来て 歌ってはくれませんか!?」
少しでもウミタを勇気づけることができれば……っ!
ウミエはそう思い、今日病院に来る前、演歌歌手のラテ山シン太郎(通称ラテシン)の事務所を訪ねていた。
ウミタはラテシンの大ファンなのだ。
「ギャラはいくらくれるんだ?30万?60万?90万?120万か?」
「あの……何故3の倍数ばかりなんですか?」
「そんなの儂が3の倍数が大好きだからに決まっておるだろう!私は3月3日生まれなんだ!で、いくらだ?」
「あの……うちは主人が息子が生まれたばかりの頃に亡くなっていまして、平たく言うと、貧乏なんです。なので申し訳ないんですがギャラはお支払できそうにないんです……息子の入院費だけで手一杯の状態で……」
「なんだと!?ギャラがないんじゃ話にならん!帰れ帰れ !二度と来るな!」
「そこをなんとかっ!」
「ええいっ、うるさぁぁあい!貧乏人はこれでも食ってろーっ!!」
そう言うラテシンにポッキーとプリッツを投げつけられたウミエは、そのまま事務所を追い出されてしまったのだった。
(※ポッキーとプリッツはこの後スタッフが美味しくいただきました)
◆ ◆ ◆
「……どうしたらいいのかしら」
病院をあとにしたウミエはスーパーで一人分の夕食の買い物を済ませ、頭を悩ませながらとぼとぼと家に向かって歩いていた。
どうしてもウミタにラテシンの演歌を聞かせてあげたい。
しかしそのためにはお金が足りない。
「…………ん?」
そのときウミエの耳に、かすかに歌声が 聴こえてきた。
この歌声は、間違いなくラテシンの歌声……!
しかし、ラテシンがこんな街中にいるはずはない!
見ると、目の前の公園で『そっくりさんコンテスト』が開催されているようだ。
そしてなんと、今壇上で歌っているのは、例のラテシンのそっくりさんではないか!!!!
なんということだ!う、うまい!
心を洗うような熱い演歌だ!
その歌声は、まさにラテシンその物だった!
超一流の歌声!
顔は、二枚目演歌歌手として名高いラテシンに比べて三枚目……いや、六枚目……きゅ、九枚目くらいだったが!
(※3の倍数は重要です)
顔以外は本当にラテシンによく似ている。
体格もよくラテシンと同じくらいだ。仮面か何かで顔さえ隠せば、充分ラテシンと言い張って通用するレベルの瓜二つ具合だった。
「こ、これだわ!」
ウミエはコンテストが終わると、すぐさまラテシンのそっくりさんを呼び止めた。
男は名を田中と言った。
「お願いします!演歌好きの病気の息子を勇気づけるために、ラテシンのふりをして歌ってください!」
「ええっ!?いや、そ、そんなこと急に言われても……」
「お願いします!お金はありませんが、できる範囲でならなんでもお礼させてもらいますから!あ、よければこのツナ缶をどうぞ!」
ウミエはそう言って、買い物袋の中から缶詰を取り出す。
しかしそれはよく見ると、ツナ缶ではなく、猫缶だった。
「…………」
「…………」
気まずそうに見つめあう二人。
「す、すみ ません。すぐには決められないので、ちょ、ちょっと待ってくださいね」
田中はそう言って物陰に行くと、こっそりと『10円玉』と『赤い鳥居と文字が書かれた紙』を取り出した。
歌には自信があるもののそれ以外にこれと言った取り柄がなく気が弱い田中は、小さい頃から、困ったことがある度にとりあえずこっくりさんに相談するのが癖なのだ。
「こっくりさん、こっくりさん、どど、どうしたらいいんでしょうか?俺なんかの歌で病気の男の子を助けてあげられるんなら是非とも力になってあげたいとは思うんだけど、でも、俺、そんな大それたことができる自信がないよ……」
『男には、やらねばならぬ、時がある!自信を持つんだ田中!コンコン☆』
「こ、こっくりさん……っ! 」
『田中にはこっくりさんがついている!こっくりさんは田中の味方だ!コンコン☆』
「こっくりさん……ありがとう。俺、やってみるよ!お礼なんかいらない!俺の歌で誰かが救えるんなら、やってみたい!」
『その息だ!コンコン☆』
◆ ◆ ◆
こうして田中は、次の日、ウミタが入院する病院を訪れた。
衣装にも気合を入れた。
黒にしようか赤にしようかと迷ったが、結局は派手な黄色のスーツを選んだ。
そして顔を隠すために狐の仮面をかぶった。
段取りはこうだ。
病院の1階から、田中が歌いながら階段を登っていく。
当然5階にいるウミタにも、田中の声が聞こえるはずだ。
大好きなラテシンの歌声にウミタが期待に胸を膨らま せきったところで、満を持してウミタの病室の扉を開ける!
そしてウミタの病気を励ませば、ミッションコンプリートだ!
病院へは、ウミエが話を通してくれている。
「よし、行くぞ!」
作戦実行だ。
田中は、大きく息を吸うと歌いだした。
曲はラテシンのナンバーワンヒット曲、
『ゲームオーバー』だ!
♪ゲームオーバ~♪
♪ラララ、ゲームオーバ~♪
♪HEY、ゲームオーバ~♪
♪俺の人生バグってる~♪
♪ラララ、ゲームオーバ~♪
♪チートなんか使えない~♪
歌いながら、ついにウミタの病室の前までたどり着くと、中からは興奮したウミタの声が聞こえた。
「嘘!?え?なんでラテシンの歌が聞こえるの!?」
よし!
どうやらすっかり田中の歌声をラテシンの物だ信じてくれているようだ!
田中は、ウミタの病室のドアを静かに開けると病室に入った。
「♪ゲ~ムオ~バ~♪」
最後のフレーズを歌い切り、扉を閉める。
「らっ!ラテシン!?すごい!本物!?」
「そ、そうだよ。本物だよ」
「なんで仮面なんかつけてるの!?」
「ゆ、有名人だからね。顔を見られたら、色々とまずいんだよ」
「なんでラテシンがこんなところにいるの!?」
「君のお母さんに頼まれたのさ。君が勇気をもって手術を受けるように、歌で励ましてくれって」
「そうなの?…………ラテシンが言うんなら、がんばってみようかな」
そのとき!
安物を買ったのが悪かったのか、仮面の留め具がブチッと音を立てて切れ、仮面がペロンと床に剥がれ落ちてしまった!
最悪のタイミング!
「ええっ!?」
「うぉあああっ!?」
「…………」
「…………」
「…………おじちゃん、誰?」
「え、えっと!えっと!」
先ほどまであんなに笑顔だったウミタの表情がみるみる泣き顔に変わったかと思うと、ウミタは突然病室の窓を開け、なんと窓から大きく身を乗り出した。
「嘘つき!ラテシンじゃないじゃないか!」
「ウミタくんっ!?」
「嘘つき!僕の病気だって、どうせ治らないに決まってるんだ!このまま病気でずっと閉じ込められて、痛い注射も、色んな検査も我慢してから死ぬくらいなら、いっそ今ここから飛び降りて死んでやる~~っ!」
「ウミタくん!早まっちゃだめだ!」
田中はとっさにウミタの腕を掴む。
だが支えきれず、結局二人そろって窓から落ちてしまった。
田中はなんとか、自分の体でウミタの体を覆うように抱きかかえたが、このままでは二人ともお陀仏だ!
絶体絶命のピンチ!
地面が目前に迫ってきている!
……と、突然
『コンコン☆』
というどこかで聞いたことがあるような鳴き声が聞こえたかと思うと、
田中は自分達の体が、
地面に落ちる直前、
ほんのわずかにだけ浮かび上がったのを感じた。
直後ドサリと地面に落ちたが、
その衝撃は本来田中達が味わうべきものに比べれば微々たるものであった……。
「お……おじちゃんっ!?」
田中まで自分と一緒に落ちてしまったことにショックを受けているのか。
それともたった今起きたばかりの不思議な現象に戸惑っているのか。
無傷のウミタが驚きを隠せない表情で田中の顔を見上げる。
同じく無傷の田中は、あの気の弱さが嘘だったかのように、力強く頷いて見せた。
「いいかいウミタくん。見てごらん。君はあんなに高い窓から飛び降りても生きていられるような強い子なんだよ?そんな君が、病気くらいで死ぬわけがないだろう。大丈夫だ。君のママも、おじちゃんも、君の味方だよ。だから安心して手術を受けてくるといい。男には、やらねばならぬ時があるんだ」
「お、おじちゃぁぁあぁあぁぁん!!!!」
ウミタは頷くと、田中の胸に飛び込んで泣きじゃくり始めた。
なんという奇跡!
感動のエンドロール!
◆ ◆ ◆
「い、いい話だ!」
ここは日本のとある町にある、田中さんという家の食卓です。
先ほどのラテシンのそっくりさんの『田中』と同じ苗字ですが、それとはまったく無関係の一般家庭です。
何しろ先ほどまでのウミタくんをめぐる一連の騒動は、全部“ドラマ”の中の出来事なのですから!
まあ、田中なんてよくある苗字ですからね。
食事をしながらテレビを見るのは無作法とするお家もあるようですが、どうやら田中家は違うようです。
家族4人でテレビドラマを見ながら、夕食のウミガメのスープに舌鼓を打っています。
『重い病におかされた少年が大好きな演歌歌手に会う!』という内容の特別ドラマを……。
「兄貴って感動もののお話見るとさ。なんだかんだで絶対に泣くよね」
「うるせっ!ほっとけ!」
「母さん。醤油取ってくれ」
「はい、あなた」
(完)
[編集済]
おおう 前話とつながっているとは~ で、結果全然ありきたりではないw [良い質問]
※グロテスクな表現があります!苦手な方は絶対に読まないで下さい。
今日は楽しいハロウィンです。 僕はカメタロウ。
朝、外は寒い。だって冬だもの。
だから貼るカイロを貼って行くことにした。
仮装は毛布を切って作った着ぐるみをあらかじめ作っておいたから、露出している人たちよりは大分快適だ。
僕の手持ちのお菓子はポッキーとプリッツでケチってやった。
すると友人カメオがカンカンに怒った。
「割に合わねえじゃねえか!!こっちはツナ缶だぞ!?」
ツナ缶だとしたら確かにカメオは大損をしているだろうけど…
「残念、それは猫缶だ。猫缶じゃ食べられないからこっちの割が合わないよ」
と僕が言て笑うととさらにカメオはカンカンに怒った。
でものど自慢大会での心を洗い流すような熱い演歌が心に染みたらしく、奇跡的にもカメオは機嫌を治した。
=====
カメオが怒ると手が付けられないのは昔からだ。
高校の時、僕と、カメオと、カメオのそっくりさんの金持ちカメタとでよくこっくりさんをやった。
「この中で一番早く死ぬのはだれ?」
という悪趣味な質問をすると、『カ』『メ』まで指を運んだ瞬間、
ものすごい力でカメオが『タ』に向かってコインの強く力を込めた。
僕は負けじと『オ』に向かって引っ張った。
『タ』と『オ』の攻防戦をしていたが、カメタが飽きてコインに上に向かって強く力を加えた。
結局『カメ6』という訳の分からないことになり、 ほっと安心した僕たちは適当に指を動かして『カメ6あし』という答えにして、
「カメは四本足だろう!」と誤魔化して止めにした。
しかししばらくカメオは怒りちらした。
けれど、T大志望のがり勉の田中について
「田中は落ちますか?」
と質問した時は、僕らはすっとコインをYESに持って行った。
僕らは三人ともどうあがいても馬鹿だったから成績優秀な田中は劣等感が許せなかったんだ …と思う。
しかし数日後、窓際でぺちゃくちゃ三人で喋っていたら、すっと上から黒い影が落ちて来たときは、 声も出ず、三人顔を見合わせた。
それから二度と僕らはこっくりさんをやらなくなった。
=====
朝は凍っていた蛇口から水がぽたぽた落ち始めたころ、 カイロが熱くてたまらなくなってきた。
しかし剥がそうとしたがはがれず、ずっとジンジンと背中が熱い。
なのでカメオが招待されたという仮面パーティーに早めに行って飲み物でもいただく事にした。
会場はまるで廃墟のような出で立ちだったけれど、中には豪勢な食事や煌びやかな装飾が。
会場では仮面が配布されていた。 色とりどりの仮面の中で、黒いのと赤いので僕は迷っていた所、カメオはその隙に黒を取って行った。 赤の仮面も誰かが持って行ってしまい、結局僕は残った黄色の派手な仮面を被ることになった。
ここで人生初のウミガメのスープを飲んだ。絶妙な味。
こんなおいしいスープを皆に配れるんだから主催は金持ちに違いない。
しばらく経つとパーティーも乱痴気騒ぎになり、ついには会場にあった土偶が僕の方に飛んでくる始末。
なんで僕の頭に向かって土偶が飛んでくるんだよ!?危なくてしょうがない。
僕は逃げごむように会場を探検した。
と、怪しい部屋が。
分厚い扉、頑丈なレバー。部屋の中に入ると茶色したシーツのベットがぽつんと置いてある。それ以外には何にもない。
「悪趣味な部屋だな」
するとと突然後ろから誰かが僕を強く押した。
僕は勢いで部屋に倒れ込むように入った。 振り返ると黒い仮面の男。
「おい!カメオ!冗談はよ…」
すると黒仮面の男は口を開いた。
「ゲームオーバー」
そう言って、仮面の男は扉を閉めた。
===============
(以下、カメタロウは『タロウ』と略します)
タロウ「おい!出せよ!」
と大きな声を張り上げていると、 突然ドアの小窓から覗く、黒仮面の男が倒れた。
そして後ろから現れたのはカメオだ。
カメオ「おい。早く帰るぞ。何だかここは不気味だ」
タロウ「こいつに閉じ込められたんだよ!」
黒仮面「カメオ!僕だ!」
黒仮面の下には、いまだどことなくカメオに似て成長をとげたカメタの顔があった。
タロウ「カメタ!?なんでお前こんなこと!」
カメタ「お前には用がない!カメオ!思い出せこいつの事!カメタロウはとんでもない奴だったじゃないか?」
沈黙が広がった。
タロウ「僕の何がとんでもない奴だって?」
カメタ「お前が殺したんだろう田中のこと!こっくりさんしているときに田中の事を言い出したのはお前じゃないか!」
タロウ「え…そうだったか?」
カメオは黙ったままだ。カメタはカメタロウを睨みつけた。
カメタ「しかも田中は死んだ!」
カメオ「こっくりさんは所詮遊びだ!」
カメタ「そうだよ!所詮あれはゲームだ!だから早く僕は終わりにしたいんだ!思い出せよカメオ!僕らの質問をしたときもそうだ!こいつだけカメオの名前に向かってコインを押していた! 僕ら二人は自分の名前に向かって力を入れていたのに!」
タロウ「!?」
カメタロウはその時当時の記憶がよみがえった。
こっくりさんを切り出したのはいつも僕だった。
怒りっぽかったが、当時カメオは控えめで、率先していたのはいつも僕だった。
だからこっくりさんをやるときはいつも、二人は遠慮して僕に向かい合って二人が並んでいた。
そのせいで気づかなかったが、 カメタは『オ』に向かって、カメオは『タ』に向かって力を込めていたのではなく、こっくりさんの効果を恐れた二人は、自己犠牲に、カメタは『タ』に向かって、カメオは『オ』に向かってコインを引っ張っていたんだ。
タロウ「でも、誰が先に死ぬなんて、決まらなかっただろう?」
するとカメオが、ふと
『カメ6あし』とつぶやいだ。
カメタ「気づいたか、カメオ…『カメ6あし』の意味が」
タロウ「カメは4本足だろう?」
カメタ「僕ら三人の足数を足して六本の足って解釈したら?」
カメタロウは唖然とした。
カメタ「だからこの廃墟でわざわざパーティーを開いたんだ!この部屋にお前を閉じ込めて!独り先に死んでもらうために!」
カメオ「俺たち三人で生きるでいいじゃないか!」
カメタ「それが出来ないことは田中の件でこっぴどく思い知っただろう!?こいつだけいなくなればいいことだ!」
カメタはもう一度カメタロウを部屋に押し込んだ。カメオは必死で止めた。
そして、すっぽりと三人が部屋に収まった途端、 バタンという強い音でドアが閉まった。
カメオ「おい!誰だよ閉じ込めたのは!」
カメタがへたり込んでベットに腰掛けると、ベットに置いた手が真っ赤に染まった。
カメオが突然意気消沈したカメタを心配すると、カメタは震えながらドアを指さした。
僕は見えた。
カメオ「何だ!?おい、カメタしっかりしろ!何?誰見えたって?!」
ドアの小窓から覗く、赤い仮面の正体は…
=====
最後はにこっくりさんの言う通り。
三人はベットの上に両足切り取られた状態で見つかったとかいないとか。
(割愛。ご想像にお任せします)
【追記1】答えが不明瞭なので要約…『カメタが田中の件でこっくりさん(ゲーム)の呪いを恐れたために、呪いを終わらせる(ゲームオーバー)ために、足ちょん切り部屋にカメタロウを閉じ込めて殺害を試みてドアを閉めた』
(11月16日編)
[編集済]
呪いって信じるから呪われるのでしょう。自己暗示ってやつですね。 [良い質問]
Bar LATEthink の2軒隣の酒場にて
一緒の世界に色々な物語があるの好きです [正解][良い質問]
ギギィ・・・立てつけの悪いドアの音が響く。
全く・・・店の入り口が出していい音じゃないだろう。
薄暗い地下の古いバー。このドアが唯一の外界との繋がり。
このドアを閉じた途端、ここは密室になる・・・。②
なんてな。地下の飲み屋なんて全部そんなもんだ。そうだろ?
ドアの音からは想像もできないほど、磨き込まれたカウンターの端から3番目の席に座る。
まぁ、言うなれば常連の指定席ってやつで、カウンター11席の内、
俺はいつも、ここか、反対側の3番目の席だと決めている。⑩
「いつものスコッチ。ダブルで。」
「はいよ、どっちにするね?」
「今日は赤の気分じゃないかなぁ、黒にしておこうか。」
薀蓄はマスターに任せるとして、
俺はお気に入りのジョニーウォーカーを注文した。
「今日は違う色もあるんだがね。」
「何?スイングか?リザーブか?どっちでもいい、それをくれ。」
マスターはニヤリと笑うと、
黄色い箱からゴールドのボトルを取り出して、⑬
「おーい」と奥に声を掛けた。
「おや、いらっしゃい。」
ブランデーグラスにクラッシュアイスを詰めて、
そこにポッキーやプリッツを挿した③
ポッキーオンザロックを片手に、
腰に貼ったカイロさえ自分では剥がせないだろうなと思えるママが
ひどく緩慢な動作で顔を出す。①
ポッキーはともかく、
プリッツを挿すのはやめてくれとあれほど・・・ふやけるんだよ!
「そうだったねぇ、あっはははは」と豪快な笑いを聞きながら
出された酒のグラスを手に、煙草をくゆらせていると
なにやら表でキャアキャア騒ぐ声が近付いてくるのに気付いた。
おそらく隣のスナックの客が
ホステスを引き連れているのだろうが・・・。
最近の若い女ってのは何でああもみんな同じなんだろうな。
胸をでっかく強調して、そのくせウエストはぎゅうぎゅうに絞って
奇声を上げて飛んで駆け寄られた日には、
土偶が飛んで来たのかと思うぜ。④
ギイィィ・・・。
予想に反して、開いたのはこの店の扉だった。
チッ。今日はというか、この店では静かに飲みたかったんだがな。
俺の失望感を見抜いて、マスターが苦笑しながら
ポタポタと水滴が落ちていた蛇口を閉めて、氷を割り始める。⑫
製氷機を使わないカチ割氷にこだわるのも、
この店の気に入っているところだ。
「はい、ゲームオーバー!」
と言って、その中の一人・・・何かのイベント帰りなのか、
妙な仮面をつけた男が、後ろ手にドアを閉めると、
またひときわ高い嬌声が上がった。
まるでプロレスラーのマスクのような仮面をしたその男は
トラ柄のシーツを巻きつけたような出で立ちで、
そのシーツが、男の雰囲気を際立たせるのに
一役買っているようだった。⑦
明らかに出来上がっているその集団が
奥のボックス席にに座り込むと、
「絶対お茶ひいてると思ったのになー。
速攻でゲーム終わっちゃたよ、マスター。」
と、マスターに随分と失礼なことをあっけらかんと言う。
「それは残念でしたね。でもいつもお茶引いてたら、
そのドアが二度と開かなくなります。」
さほど気にしていない素振りで、にこやかに準備をする辺り、
大人だなぁと思う。
あんな酔っ払い、酒の味も肴の味もわかりゃしないんだろうから
ツナ缶の代わりに猫缶でも食わせときゃいいんだ、とか
俺ならすぐ思っちまうな。⑧
まぁ、客商売、そういうわけにもいかないか、
考え見りゃ大変な仕事だぜ。
「しょーがない約束だ。皆何でも好きな物注文しろ。俺の払いだ。」
また嬌声が上がったと思うと、女たちが口々に注文を始める。
「私、ピンドン!」
「バカ!何でもって言っても限度がある!」
「じゃあ、ウミガメのスープ!」
「やばい、やばいってそれ!きゃははは」
「・・・あるよ」
「( ̄□ ̄;) あるんだ・・・。じゃあソレと・・・あれとこれとそれも。」
一通りの注文を終えると、
よろよろした足取りでママが注文の品をボックス席へ運んでいく。
そんなに一度に運ぼうとするなよ、と心配になって見ていると、
「飲んでみるかい?スープ。」
よほど興味津々の間抜け面をしてたんだろう。
マスターが俺に聞いてきた。
ゴクリ・・・喉が鳴った。だって・・・ウミガメのスープだぞ?
目の前に出された黄金色のスープを前に緊張する俺。⑤
一口啜る・・・。ん?ただのコンソメ?
「謎が溶けてりゃいいんだろ?」
マスターは自家製のオールスパイスの小瓶を振って
とぼけた笑顔を見せた。
「このスパイスのレシピは秘密だからな。」
なるほど、ツナ缶が猫缶とはいかなくても、
ちっちゃな仕返しはアリなんだなw
伝票に『秘伝のスープ』と書き込むマスターに呆れていると、
どうやら向こうのボックスの男は完全に酔っ払ってしまったらしく
仮面、取っちゃえば目が覚めるんじゃない?などと、
女たちの企みが聞こえてくる。
どんな顔なのか、別に興味はなかったが
なんとなく、チラ見してしまう。それをまたマスターに笑われた。
いつものことだが、ここでは子ども扱いだ。
女たちの様子から見て、本物のお忍び客ではないようだが、
仮面の下から出てきた素顔は、
こりゃまた驚くほど本当の仮面の主にそっくりだった。⑪
以前に、ランドセルを孤児院に届けたり、
万札入りの封筒を投げ込んだり
ちょっとした流行になった名前の、中の人にそっくりだ。
仮面を取られた事にも気が付かないのか、
そのそっくりさんは、こっくりこっくりと居眠りしている。⑨
起こすを諦めたのか、女たちは奢りをいいことに
自分達で勝手に楽しむことにしたようだ。
まぁ、潰れちまったあの男が悪い。同情する気もないさ。
「風邪ひかれちゃ、面倒だよね。」
女の一人がそう言うと、自分のストールを
まだ船を漕いでいる男の肩にかけてやっていた。
すると「そうだね。」と他の女たちも
それぞれの持ち物を膝や肩にかけている。
どうみても、毛布を切った切れ端としか思えないひざ掛けが
混ざっていたのが面白かった。⑭
「ね?」とマスターが意味深な笑顔を向けて、俺に話しかける。
「何が?」意味が分からず、俺はマスターに聞き返す。
「嫌なだけのヤツなんて、そうはいないんですよ。」
そう一言呟くと、氷を取りに厨房の奥へ入って行った。
遠い昔。通学の早朝。
歩道橋をじゃんけんして勝った方が出したものの分だけ登る遊び。
じゃんけんに強かった田中は、いつも俺の上にいた。
あと1回、あいつが勝てば終わりのところで、
俺の方を振り返り「じゃーんけーん・・・」と声を上げた時、
歩道橋を酔っ払いの女が歩いて来て、
よろめいて、田中にぶつかって・・・。
まっすぐ俺の方へ落ちてくる田中を・・・俺は避けた。⑮
勢いで手すりにぶつかった弾みで、
田中は車道へ・・・転落して行った。
俺が受け止めてやれば、もしかしたら・・・。
大人たちは、「そんなことをしてたら二人とも・・・。」
「避けたことは悪くない。」そう言ってくれたが。
俺が避けなければ。あの女が酔ってなければ。
後悔と恨み言は際限なく俺を責め立てた。
俺は、世の中のほとんどの人間を、
俺も含めて信じられない奴だと思い込むことで
罪の意識から逃れる道を選んだ。
有線が場違いな演歌を流している。
「♪熱き心に 時よ戻れ。懐かしい想い 連れて戻れよ・・・」
ひとしきり飲んで騒いで、疲れ果てた女たちが引き揚げるようだ。
俺の後ろを通り抜け、出口へとぞろぞろ移動する。
一人のバッグが俺の頭を掠っていった。
いつもの俺なら、目くじらをたてて、
酔っ払いめと罵倒していただろう。
「あ、おにいさん、ごめんなさいね。ぶつかっちゃった。」
「あんな大騒ぎに嫌な顔しないでくれてありがとね。」
「じゃーねー、マスター。またねー」
それぞれに短い会話と挨拶を交わして、
潰れた男を抱えて出て行く・・・。
「俺も帰るよ。マスター、勘定。」
会計をしながら、マスターがまた「おーい」と奥に声を掛ける。
「あら、帰るの?毎度w」
ぎこちなく義手でのれんを分け義足を引き摺ってママが出てくる。
「ああ、また来るよ、田中。」
「もう、いつまで田中って呼ぶつもり?失礼しちゃうわね。」
カラカラとママが笑う横で、マスターが笑う。
店を出て、数メール行ったところで、
他の店から出てきた客とすれ違う。
哺乳瓶を片手にした、まだ少年のような・・・。
・・・出てきたの、飲み屋から・・・だよな???
全く世の中、色んな人間がいるな。俺はつい笑い出していた。
袖振り合うも多生の縁・・・か。
明日の朝日は、更に眩しいかもしれないな。
俺はさっき聞いた歌を思い出しながら、小さな奇跡を感じていた。⑥
Fin
良い子の一行解説
仮装した酔っ払いが、次の店の客数を連れと賭けていて、0人と予想していたが、客がいたから。
[編集済]
かっこいー そして、こっくりさんの使い方素晴らしいです
漫才「ラテ1グランプリ」第一組目『西洋ガールズ』
(適当に脳内再生してくださいw)
[編集済]
M1流します [正解][良い質問]
さて、最初のコンビはこちら、残酷無垢な王女様と瀟洒な魔女の異色のコンビ!
「西洋ガールズ」! どうぞー!
[編集済]
YES WE CAN CAN CAN CAN CAN CAN CAN CAN CAN オー オー
魔女「はい、どうもどうもー」
チロル「どうもー。西洋ガールズです。よろしくお願いします」
魔女「よろしくお願いしますね」
チロル「いやー、それにしてもですね。私たち二人、本当に異色のコンビだと思いません?」
魔女「ま、まあ。というか、私たちを知っている人たち自体が少ないと思いますけどねー」
チロル「いや、私は結構認知度高いと思うよ?」
魔女「え? ホント?」
チロル「うん。外道だとか、鬼畜だとか、畜生だとか言われてますねー」
魔女「いやいやいや、めっちゃ悪評じゃないですか! いいんですか、それで」
チロル「バカ、いいのよ、これで。この業界で生きているためにはこれくらいインパクトが無きゃ」
魔女「なるほどね〜。でも私は無理だなー、そういうのは。他になにかいい方法は無いかしら?」
チロル「あ、じゃあ、もっと貴方にしかない特別な個性があればいいのよ!」
魔女「個性?」
チロル「そうそう。例えばさ、お面を着けてみるとか」
魔女「お面ー? 本当にそれ有効かしら」
チロル「まあまあ、ちょっと試してみよ。ほら!」
魔女「うわっ! ちょっと…視界が狭いわね〜なんのお面?」
チロル「ジェイソン」
魔女「嫌よ!! なんでよりにもよってそれ!? それなら素顔の方がいいわよ!」
チロル「そっちの方が怖いから?」
魔女「そうそう、驚きの素顔が……ってなんでやねん! そんな怖い顔してないわよ!? 私! もう、ならせめて普通のお面にして!」⑪
チロル「もう、しょうがないな〜(ガサゴソ」
魔女「これは?」
チロル「狐面」
魔女「まあ、いいかねえ。ボソッ(なんでつけてんだろ、私)」
チロル「それかね、やっぱりここで人気を得るには、面白い問題を出題すればいいと思うの」
魔女「あー、まあ。面白い問題を出題する方は人気だしねえ」
チロル「そうそう。だからね、私。出題してみたいの」
魔女「ほー、出題」
チロル「でもね、やっぱり初めて出題するときって不安じゃない?」
魔女「まあ、確かにねー」
チロル「だからね、ちょっと問題見て欲しいのよ」
魔女「はいはい、スープパートナーってことだね。でも私も出題経験ないから自信無いなー」
チロル「いいのいいの、こういうのは第三の目というのが大事なのよ」
魔女「ああ、なるほどねえ。じゃあ、もうちょっと人数連れてこようか?」
チロル「あ、いらないいらない」
魔女「え? いらないの?」
チロル「うん。私に必要なのは、第三の目と、第六の目と、第九の目と、第十二の目と…」⑩
魔女「なんで!? 三の倍数!!?」
チロル「今から、三の倍数と六の倍数の時には…」
魔女「…アホになるのか」
チロル「www」
魔女「ww…ダメじゃん……問題の質低くなるじゃん…ww」
チロル「ww……ま、まあ、とにかく問題を見て欲しいのよ」
魔女「はいはい、解ったよ」
チロル「えーとね、『ウミガメのスープを食べた男が、自殺してしまいました。なぜでしょう?』」⑤
魔女「お! 本歌取りか〜。どれどれ、解説は?」
チロル「『ウミガメのスープを食べたから』」
魔女「(´°д°`) 」
チロル「もう一問あるのよ! 『蛇口から水がポタポタと落ちたので、男は赤か黒かで迷って最終的に黄色を選んだ。一体なぜ?』」⑫⑬
魔女「えっと…解説は?」
チロル「『蛇口から水がポタポタと落ちたから』」
魔女「(´°д°`) 」
チロル「もう一問もう一問! 『心を洗い流すような熱い演歌を歌ったので、奇跡が起きた。なぜ?』」⑥
魔女「……心を洗い流すような演歌を歌ったから?」
チロル「正解!!! よく解ったねー!」
魔女「そのまますぎるわ!!!」
魔女「ちがうなー、問題じゃないなー(´・ω・`)」
チロル「えー」
魔女「それに何かズルいなー」
チロル「ズルい?」
魔女「いや、一次元上の話^^; それよりもそれはさすがにダメだよー」
チロル「えー✡(,,Ծ‸Ծ,,☽)✪」
魔女「たまに勘違いしてなぞなぞを出す方がいますけど、それより酷いですよ^^; もうちょっと考えなきゃ」
チロル「えー、でもよくわかんないよー」
魔女「うーん、慣れるためにはもうちょっと質問者として参加して、どういうものか見ないと」
チロル「えー、でも今未解決問題ないじゃん」
魔女「まあそれはしょうがn……」
チロル「100問ほどしか」
魔女「あるなーー!!」
魔女「結構あるなー! え!? 100!!? 出題制限されるんじゃないの!? さっさと消化させなきゃ!」
チロル「大丈夫大丈夫、どれもあとは『田中が落ちてきますか?』で解決できるから」
魔女「どんな問題よ!!」
魔女「え!? 全部かぶったの!!? 今なら誰でもスナイパー穫れるじゃん!! 大体、田中、何回落ちてんのよ!!」
魔女&チロル「「『オチ』だけに!!?」」
魔女「www…ボソッ(オチだけにって…大体、なんであんたもかぶせてくるのよ…ww)」
チロル「ww…ま、まあまあ。とにかく、問題を出して欲しいのよ。それを解いて経験つけるからさ」
魔女「え〜〜、自信無いなー」
チロル「いいからいいから、どんなのでもいいから」
魔女「んー、じゃあ『カメオは父から好きな物を好きなだけ食べていいって言ったので、好きなだけ食べました』」
チロル「うんうん」
魔女「『そしたら父に怒られました。一体なんででしょう?』」
チロル「あ! いくつか候補浮かんだ!!」
魔女「お! 幸先いいね〜。じゃあ質問して絞ってみてよ」
チロル「うーんとね、じゃあ『貼るカイロが剥がれなくなりましたか?』」①
魔女「(´°д°`) …No」
チロル「『たまに土偶が飛んで来るからですか?』」④
魔女「(´°д°`) …No」
チロル「『そっくりさんでコックリさんをしたからですか?』」⑨
魔女「どんな状況よ!!!」
魔女「なに!? こっくりさんってなに!? 父怒る前に困惑するわ!!!」
チロル「Yes? No?」
魔女「Noに決まってるでしょうが!」
チロル「案なくなっちゃった…(ノ△・。)」
魔女「どんな考え方してんのよ! 土偶が飛んで来るって何!? 何で貼るカイロが出てくるの!? 思考飛びすぎよ! スペースシャトルか!!」
チロル「……」
魔女「……」
チロル「……滑りましたか?」
魔女「やかましいわ!! なんでこういう時だけ空気読むのよ!」
チロル「えー、でもこれからどうやって質問すればいいか…」
魔女「ほら、『重要人物は二名のみですか?』とか、『現代日本で成り立ちますか?』とか、もっと基本的な質問があるでしょ?」
チロル「『要素の使い方が邪道ですか?』とか?」
魔女「基本的すぎるわ!!」
魔女「ww…確かにYesかもしれないけど……それは言わない」
魔女&チロル「「お・約・束・☆」」
魔女「かぶせるなーー!!!」
魔女「全く…」
チロル「まあまあ、とにかく出題の感覚が掴めたからさ、もう一回出題させてよ」
魔女「えー」
チロル「あと一問! あと一問だけ!! きっとハラハラして面白いから!」
魔女「ハラハラ……? まあいいや。いいよ、出題してみなよ」
チロル「ありがとー♪ じゃあ、準備スタート!」
『〜〜♪』
魔女「え? ちょっ、何? この音楽。何? この人たち。ちょ、ちょっ、どこ連れてくのよ! えっ!!」
チロル「はーい、ルール説明!! 今、この変な仮面かぶった魔女さんが閉じ込められてるルームには、巨大風船が設置されています。私が出題すると、ふくれていくので、割れる前に解いて脱出できればクリアーです!!」②
魔女「ちょっ、え!? 何そのルール! 台本にな──」
チロル「それじゃ、スタート! 『ポッキーとプリッツがあったせいで田中はツナ缶とネコ缶を間違えた。一体なぜ?』」③⑧
魔女「ちょ、ちょっと…わ、本当に膨らんできた!!」
チロル「胸が?」
魔女「風船がじゃ!!!」
魔女「って、何よこの問題。何も思いつかない。えーと、えーと…」
チロル「じゃあヒント! 『シーツの色は重要よ!』」⑦
魔女「はあ!? シーツ!!? そんなのどこにも出てきて無いじゃないの!」
チロル「じゃあもひとつ特別に!『毛布を切ります!』」⑭
魔女「余計解らんわ!! なんでネコ缶からシーツや毛布が出てくんのよ!!!」
チロル「ほらがんばって! あと1分」
魔女「ええー、もう時間無いじゃない! ええっと…『ポッキーがトッポでも成り立ちますか?』」
チロル「…多分?」
魔女「ええっと、じゃあ…『重要人物は田中一人ですか?』」
チロル「…多分?」
魔女「(´°д°`) ……えっと、『ネコは登場しますか?』」
チロル「さあ?」
魔女「(´°д°`) ……『非現実要素はありますか?』」
チロル「50%ぐらい?」
魔女「(´°д°`) ……『この謎を解かせる気はありますか?』」
チロル「ヽ(~~~ )ノ ハテ?」
魔女「どつくぞーーー!!!ρ(`D´#) 解かせる気ないじゃない!!?」
チロル「あと5秒♪」
魔女「うわっ。ちょっと待って、マジでヤバいって」
チロル「3…2…1…0ーー!」
魔女「ぎゃーーーー!!!」
チロル「……」
魔女「……あの。チロルさん……。ゲームオーバー?」
チロル「うん」
魔女「あの……風船割れてないんだけど」
チロル「割れてないのにリアクションしなきゃいけない。これ以上無い罰でしょ?」
魔女「タチ悪すぎるわ!! 大体、出れる訳ないじゃない!! こんなの」
チロル「もー、下をよく見てヾ(´ー`)ノ」
魔女「下ー…?」
チロル「赤、黄、青の三色のシーツが敷かれてるでしょ?」
魔女「うん…」
チロル「青のシーツをめくってみてね…毛布があるでしょ? それを切ってみると…」
魔女「鍵だ…!」
チロル「ね?ヾ(´ー`)ノ」
魔女「本当にヒントだったのね…^^;」
チロル「あ、出る時扉閉めてね」
魔女「はいはい…ボソッ(問題成り立たなくなるしね…)」
チロル「どうだった?」
魔女「うーん、ウミガメじゃないなー。これ」
チロル「えー?」
魔女「ちなみに、さっきの問題の答えはなんですか?」
チロル「『田中が落ちてきたから』」
魔女&チロル「「『オチ』だけに!!?」」
魔女「いい加減にしろ、やめさせてもらいます」
チロル「どうも、ありがとうございましたー」
(完)
[編集済]
ところでこの魔女は親切なのだろうか?w
――21世紀の日本。
その典型的一般的家庭であるところの田中家。
その田中家の長男である『田中カメオ』の部屋の天井を突き破って、突如、巨大な何かが落ちてきました。
それはまるで銀色のタマゴでした。
機械仕掛けのタマゴです。
全身が金属でできており、部屋の天井から一部が外にはみ出してしまっているほどに巨大なタマゴでした。
せっかく昨日洗ったばかりだった真っ白なシーツが、屋根だった物の破片や埃にまみれてあっという間に灰色に染まっていきます。
タマゴに押しつぶされて、毛布もビリビリに切れてしまいました。
空から降ってきたタマゴにかろうじて潰されずに済んだ田中が部屋の隅っこで震えていると、突如タマゴの表面に四角いひび割れが現れました。
かと思うと!
そこが扉のようにパカッと開き、なんと中から人が降りてきました。
背格好は田中とほぼ同じですが、顔に物々しい仮面を付けているので顔までは判別できません。
田中は、以前何かのSF映画で見たガスマスクを思い出しました。
「……あれ!?」
目に当たる部分が黒いガラス張りになっているので、田中からはあちらの顔が分からりませんが、あちらからは田中の顔がよく見えるのでしょう。仮面の人物は田中を見つけると、驚いたような声を上げました。
「ん!? んん~?おかしいな。俺、何か設定の入力間違っちゃったのかな?……えっと。確認なんだけど、君の名前って田中君? 田中カメオ君?」
「え!? え、ええ、はい。そうですけど」
「あー……やっぱそうなんだ」
まいったなぁ。
ってことは俺の設定ミスじゃなくて、マシンのバグか な……。
仮面の人物はそう呟いて銀色のタマゴを仰ぎながらしばらく何か悩んでましいたが、しばらくすると「まあ、いっか」と言って、展開に置いてけぼりになっている田中の方を振り返りました。
そのまま明るく田中に話しかけてきます。
顔は見えませんが、仮面の下はきっと満面の笑顔です。
「はっじめまして田中君!俺はXX世紀から来た未来人!21世紀の生活ってやつを見るために、タイムマシンに乗ってやって来たんだ!そのために、今日一日君の生活を観察させてもらおうと思うんで、どーもヨロシク!」
「は!?」
「まあまあ。色々とツッコミたいことはあるかもしれないけど、そういう訳だからとにかくヨロシク。ほら、そんなことよりも今って朝だろう?ってことはこれから 中学校だろ?早く行こうぜー!この時代の学校、超楽しみー!」
そう言うと自称未来人は田中を置いて、さっさと玄関から出て行ってしまいます。
「……え、あっ!ちょ!ちょっと待って よ――っっ!」
呆然としていた田中も、玄関がしまる音ではっと我に返り、慌てて未来人を追いかけ出ていきました。
◆ ◆ ◆
「あの!いきなり未来人とか言われても信じられないし、ぼく困ります……」
「別に君に迷惑はかけないって!壊した部屋も、俺が帰ったら元通りになるはずだから安心してよ!それに、俺が未来人だっていうのはとりあえず納得してくれてもいいだろ?ほら、君以外には、俺の姿は見えてないっぽいじゃん!」
並んで道を歩く二人。
ここに来るまでに、何度も通行人とすれ違いました。
ですが、見るからに怪しい仮面を付けた自称未来人のことを気にする素振りを見せる人は誰もいません。
それどころか、自称未 来人の体の中をすり抜けて歩いていく人までいました。
あ~やっ ぱりマシンのバグっぽいなぁ。
未来人は田中には聞こえないくらいの小声でそう呟いてから、声の音量を元に戻して、
「それにしても……」
と辺りを見回しました。
田中家の外には、学校まで道沿いに所狭しと水道が生えていました。
水がポタポタと垂れている……と思ったら、よく見ればそれはジュースでした。
生垣には緑の枝の木々の代わりに、クッキーを棒状にしたみたいなお菓子が生えています。
見上げれば、どこまでも黄色い空が広がっています。浮かんでいる雲は薄紫です。
その黄色と紫の強烈なコントラストを背景に、何やらときどき小さな黒い影が飛び交っています。
「……これが21世紀の“一般的な”風景?」
「そうですよ。いつものぼくの通 学風景です。何かおかしいですか?」
「いや、何かっていうか…………とりあえず、あの水道は一体……?」
「通学中に喉が乾いたら自由に飲んでいいんです。便利ですよね」
「あの細長いお菓子は?」
「ポッキーとプリッツですよ。通学中にお腹がすいたら食べるんです。便利ですよね」
「じゃあ、あの空を飛んでいる物 は何?」
「何って、土偶ですよ。ときどき飛んでくるんです。あ、そっか、未来には土偶がないから驚いてるんですね?」
「いや、確かに未来に土偶はないけど、俺の歴史の知識によれば、確か土偶ってそもそも空を飛ぶ物ではなかったはずなんだけど……」
そのとき、一体の土偶が『どっぐ~~♪』と甲高い声で鳴きながら滑空してきて、未来人の目の前を通り過ぎていきました。
「…………えっと」
土偶はそのまま近くの電線にとまって、ずんぐりむっくりな手足で何やら毛づくろいのようなことをしています。
未来人は何か言いたそうにしばらく固まっていましたが、
「……ま、いっか。突っ込んでたらキリがないし、さっさと学校に行こう田中君」
なんだかもう色々と諦めたようでした。
◆ ◆ ◆
学校では、延々と3の倍数を暗記させられる授業をやりました。
「……ねぇ、これって何の意味があるの?」
未来人が至極退屈そうに尋ねます。
田中が授業に励んでいる間、未来人は教卓の前をうろついたり、他の生徒にちょっかいを出したりしていたのですが、やはり彼の姿は田中以外誰も見えていないようでした。
先生にばれないよう、田中が小声で答えます。
「え?だって、3の倍数は重要でしょう?」
「どうして?」
「どうし てって、受験で使うでしょう?」
「そうなの?」
「そうなのって言われても……」
田中は困ったようにちょっと首をかしげましたが、
「でも学校で教えるってことは、きっとそうなんですよ」
と言って、3の倍数を書きとる作業に戻りました。
今、157,248です。次は157,251と書かねばなりません。
「ふ~ん」
未来人は心底どうでもよさそうです。
田中のすぐ後ろの机によじ登ると、堂々とあぐらをかいてしまいました。
「で、この授業の後は何をするわけ?」
「給食の時間ですよ。今日の給食はウミガメのスープと猫缶なんです。ぼく、どっちも大好きなんですよね」
「ねっ、猫缶!?」
未来人が思わず叫びます。
他の人には聞こえない大声なので、教室の中で田中の肩だけが一瞬びくっと反応しました。
「ね、ね、ね、猫缶?俺の聞き間違いじゃなければ、田中君、今『猫缶』って言ったの!?ツナ缶じゃなくて!?」
「え?は、はい。そ、そうですよ?美味しいですよね猫缶。食べられちゃう猫がちょっとかわいそうですけど」
「猫缶の中身についてものすごく勘違いしてる――っっ!?」
未来人はがっくりとうなだれました。
オマケに大きなため息まで吐いています。
「だめだ。その勘違いは絶対だめだ……向こうに戻ったら、絶対におじさんに報告しなくちゃ」
ブツブツと呟く未来人のことを、田中は心底不思議そうに見つめていました。
◆ ◆ ◆
放課後になると、田中は友達とこっくりさんで遊び始めました。
「…………ねーえ。それさー楽しいのーお?」
未来人が飽き飽きしたように聞きます。
というか、本当に心底田中を観察することに飽きているようで、自分の姿が見えないのをいいことに、教室の後ろにある生徒用のロッカーの上に寝っころがって手足をぶらぶらとさせています。
「はい。すっごく楽しいですよ。今マイブームなんです」
「へえ、そりゃまたすっごい陰気なマイブームだこと。……っていうかこっくりさんも、21世紀の日本においてそこまでメジャーな遊びじゃなかったはずなんだけどなぁ。そもそも遊びなのかっていうのも疑問だし」
「そんなことありませんよ。現にぼく達は、これを毎日やってるんですから」
「……そんなことして遊ぶくらいだったら、誰か女子でも誘って遊んで来ればいいのに」
「ええっ!?」
未来人の一言が予想外過ぎたのでしょう。田中はびっくりして、思わず10円玉から指を離しかけました。
あぶないあぶない!
こっくりさんの最中に10円玉から指を離したりしたら大変です。
「そ、そんなの無理ですよ……」
「なんで?田中君イケメンだから、誘ったらきっと女子たち喜ぶよ ?」
ただでさえ明るい調子だった未来人の声が、今までよりも一層明るくなります。
多分、仮面の下の顔はニヤニヤと笑っていることでしょう。
「ええっ!?ちょっと、からかわないでくださいよ未来人さん。ぼくみたいな不細工のことをイケメンだなんて……」
「……なぬ!?」
そのときちょうど田中がやっていたこっくりさんが終わりました。
こっくりさんこっくりさんお帰りください。
と、きちんと完了のあいさつを済ませてから、もう家に帰るという友達たちに別れを告げ、トコトコと未来人の隣まで歩いてきました。
未来人は先ほどまでのご機嫌な様子が嘘のように、何やら身じろぎ一つしないで固まっています。
「ほら。ぼく、背もそんなに高くないですし、鼻だってちょっと低いし、話がとくに上手いわけでもないし、運動も苦手だし」
「…………」
「本当に駄目な奴なんですよ、ぼくって。そもそも女子に声をかける勇気なんてないですしね」
「…………」
「ぼくみたいな駄目な奴が女子と遊ぶ約束なんかができたら、それこそ奇跡ですよ。あはは」
「……ほほう?テメェ、言 ったな?」
それは今までの明るい調子の未来人の声とは、まったく違っていました。
どすのきいた低ぅい声。
怒っています!
未来人が怒っています!
それも、かなり!
いわゆる怒り心頭というやつです!
見えないけれど、仮面の下の顔はそれはもうすごいことになっていることでしょう!
鈍い田中にも未来人の怒りはヒシヒシと伝わりました。先ほどまでの自嘲たっぷりの笑顔を凍りつかせて『一体ぼくの発言の何が気に食わなかったんだろう?』と慌てて数歩後ずさりました。
しかし田中が後ずさった分だけ、未来人は距離を詰めてきます。
┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨!!
そんな漫画的効果音が聞こえてきそうなくらいの迫力を、田中は未来人から感じました。21世紀初頭風(?)に言うなら、げきおこスティックファイナルリアリティ(以下略)というやつです。
「み、未来人さん!?」
「……そこまで言うんなら、俺が奇跡ってやつを起こしてやろうじゃんか?」
そう言って未来人は、田中の腕を掴むとそれを思いっきり引っ張りました。
どうやら田中にだけは未来人の姿が見えるのと同じように、他の人間には触れな い未来人も、田中にだけは触れるようです。
いきなり腕を引かれた田中はバランスを崩して、近くでおしゃべりをしていた女子の一団の中に突っ込んで行ってしまいました。
女子A「え?ちょっと田中何してんの?マジ受けるんだけど」
女子B「マジ受ける~」
女子C「マジ受ける~」
なんとも頭の悪そうな会話でしたが、突然の事態に陥ってしまった田中はそれどころではありません。
生まれたての小鹿のように震えきって、
「ど、ど、どうしたらいいの未来人さん?」
と怯えています。
しかし問われた未来人は、女子たちの通学バックの隙間から『心を洗い流すような演歌特集』というタイトルのCDがのぞいていることに、目ざとく気がついていました。
「案ずるな田中!その女子たちを、カラオケに誘うのだ!」
「か、カラオケ!?」
「そうだ!この時代にもカラオケぐらいあるだろう!?それに誘え!そして、『カラオケで心を洗い流すような演歌が歌いたい気分だな~。ぼく、演歌大好きなんだよね~』と言うがよい!」
「よ、よく分からないけど、分かりました」
田中は言われた通りにしたおかげで『明日一緒にカラオケに行こう』という約束を女子とすることができました。
生まれて初めての、女子とのデートの約束です。
◆ ◆ ◆
「すごい!本当に奇跡みたいです!ありがとう未来人さん!」
ところ変わって、朝のあの惨状から変わらず銀のタマゴに占拠されたままの田中の部屋。
学校から帰ってきた田中は 、興奮冷めやらぬ様子で未来人に何度も何度もお礼を言いました。
時間はもう夕方から夜に差し掛かろうとしています。土偶たちも、雛土偶の待つ巣に帰っていく時間でしょう。
「はっはっはっは!そうだろうそうだろう!お前が本気になれば、クラスの女子の一人や二人や三人くらい楽勝なんだって!」
何故かデートの約束を取り付けた田中本人と同じか、それ以上に、未来人も自慢げに高笑いしています。
……しかし。
何かを思い出した未来人は急にはしゃぐのをやめると、田中の部屋に在った壁時計をチラリと見ました。
「本当に、本当にありがとう未来人さん!明日が楽しみですよ!」
「……礼なんか言うなよ。なんか可哀想になっちゃうだろ」
「可哀想?何故ですか?」
「だって君に、“明日なんて来ない”から」
「え?」
田中が首をかしげます。
「明日なんて来ない。『この世界は朝から夜までをループするように作った』って、おじさんが言ってたからね。夜になったら明日にはならないで、そのまま今日の朝に戻るだけだ。多分、もうすぐちょうど“終わりの時間”だよ」
「……え?な、何を言っているんですか、未来人さん?」
その問いには答えずに、未来人はあの銀色のタマゴに乗り込みました。
「……ゲームオ ーバーだ」
そう言って彼がタマゴの扉を閉じた瞬間。
辺りは目も開けていられないくらいのまばゆい光で包み込まれました。
…………。
そして光が収まった時にはもう、田中は、先ほどまで自分が何をしていたのかまったく思い出せなくなっていました。
「……あれ?」
ぼく、今まで何をしてたんだっけ?
そこにあるのは田中にとって、いつもと何の変哲もない自分の部屋です。
昨日洗ったばかりのシーツも真っ白で綺麗なままですし、ふかふかの毛布も無事です。もちろん屋根にも壁にもひびひとつ入っていません。
時計を見ると、今は朝です。もう学校に行かなくてはならない時間した。
「大変だ!急いで学校に行かなくちゃ!今日の給食は、ウミガメのスープと猫缶なんだよね!」
田中は今日も、黄色い空が広がる世界へ飛び出していきます。
◆ ◆ ◆
「おじさん、いくら試作品だからってこれはクソゲー過ぎるよ!“エッグポット”のゲームは一度始めたらゲームオーバーになるまでは密室状態で出られないんだからさ、もうちょっと考えて作ってくれないと、試乗する側も困るんだけど!」
――時は、XX世紀。
壁も天井も機械で埋め尽くされた『いかにも研究所です!』といった見た目の研究所に、例の銀のタマゴが設置されている。
タマゴのすぐ隣では、今さっきタマゴから出て来たばかりのあの仮面の未来人が、研究所の責任者相手に次々に文句を言いまくっていた。
白衣姿の責任者の胸には『田中』のネームプレートが輝いている。
「え、そんなに酷かったかな?グラフィックとか、かなり力を入れたんだけど」
「グラフィックは最高だったさ!まるっきり本物と変わらない質感だったよ!……でもそれ以外が最悪!時代考証滅っ茶苦茶!土偶はもっと古い時代の物のはずだし空なんか飛ばないし、ウミガメのスープもあの時代の給食で食べられていたような一般的なメニューではないはずだし!多分猫缶とツナ缶をインプットし間違えてるし!それに何なの、あの空の色!?」
「あ、そこ気づいてくれた?よかった~。プログラミングに苦労したんだよあの“黄色い空”。黒い空とか赤い空と迷ったんだけどね、やっぱり黄色がいいかな~って思ってさ」
「青だよ!」
「へ?」
「あの時代の空の色は!黄色でも、黒でも、赤でもなくて、青だよ!!」
「へ!?そうだったの!?」
「オマケにあのゲームって、確か、『自分が21世紀の一般家庭の子供になった体験ができる』っていう触れ込みのはずでしょ?全然違ったよ?俺の顔とか名前の読み込みはできてたみたいだけど…………なんか、俺のそっくりさんのことを、俺が近くで観察するゲームになってた」
「マジで!?」
責任者がかなりショックを受けたように驚く。
うんうんと頷く仮面の未来人。
「マジマジ。まあ、おじさんの試作品でおかしなことが起きるのはいつものことだから、こっちも機転をきかせてなんとか乗り切ったけどさ。……正直、自分と同じ顔した人間が色々チグハグなことしたり、ネガティブなことを言ったりしてるのを間近で見るのは苦行でしかなかったんですけど?」
「そっかー……それはまずいなぁ。となると商品化はまだまだ先かなぁ」
「しっかりしてくれよなおじさん。ただでさえ体感型ゲーム機は危険だなんだってメディアに叩かれやすいんだからさ、下手なゲームを世に出して格好の餌食になるのだけはやめてくれよ?」
「うん……わかったよ」
「じゃあ、細かいダメ出しは後でメールで送るから、今日はもう帰っていいかな? 精神的にすっげー疲れた」
「もちろんいいよ。やっぱり持つべき物は歴史に強い甥っ子だねぇ。色々ご苦労様――カメオ」
仮面の未来人が仮面を外すと、その下から出てきたのは“あの田中”の顔だった。
身支度を終え研究所の自動ドアから出てきたカメオの目に飛び込んでくるのは、先ほどまでのゲームの中とはまるで違う、ネオンがギラギラと輝く未来の町だ。
「…………別に俺そこまで不細工じゃないし、背だってこれから伸びるっちゅーねん」
カメオは不機嫌そうに独り言を言うと、スモッグのせいで色なんかまるで分からなくなってしまった空に向かって大きく伸びをした。
すぐ近くの道路に設置された超巨大テレビには、歩行者向けのコマーシャルが映し出されている。
『新発売! 剥がれないホッカイロ! これさえあれば、うっかりホッカイロが剥がれてしまうイライラとはもうオサラバ!?』
(完)
[編集済]
超大作これまでで最長かもしれないですね [良い質問]
『終わらないドリームライン(仮)』
アソコからホラーチック?な学園ものですか [良い質問]
総じて、夢というものは現の時にのみ観測できるものだ。
夢の中にいる時には、その世界がどれだけ矛盾していようと、破綻していようと、法則を無視していようと、私たちはそこに違和感を持つことは無い。
なぜなら、私たちの存在というのは世界に比べて非常に小さいもので、観測するには大きすぎるのだ。
そしてたとえ身の回りの世界がどういうものか解ったとしても私たちは結局、そこで生きていくしかないのである。
〜〜〜〜
「昨日、夢を見たのよ」
真昼のカフェテラス。目の前に座っていた我が友人である田中夢美は、そんなことを突然語り出した。
「ああ…そう。よかったね?」
私、楠木夏美がとりあえずそう言うと、夢美はあからさまに不満そうなしぐさを見せてストローから口を離す。
「むー、反応薄いわね」
「いや…そりゃそうでしょ。夢なんて誰だって見るわよ」
だが私が至極真っ当であろう考えを口にすると、それを愚かとあざ笑うかのように夢美のくすっと笑う声が聞こえた。
「そうね。夢はだれでも見るわ。でもね、夏美。あなたは昨日見た夢のことは覚えてる?」
「夢の…こと?」
「そう。夢の内容」
「え〜っと、昨日は…確か…」
たまに飛んで来る土偶を避けながら、なんとかして思い出そうとする。しかし霧がかかったようにというよりもむしろ、何かが蓋をしたような感じがして、何も思い出すことが出来ない。ふと、もう一度夢美の顔を見るとどことなく、笑ってるように見えた。それになんだか少し腹が立って。
「ばからしい。覚えてないわよ、そんなこと」
「そうね」
夢美の笑いながら同意した。
「夢の内容なんて、普通誰も覚えてないわ。覚えていたとしても、ごく断片的なこと。でもね、私は覚えてるのよ。昨日見た夢の内容を。初めから最後までね」
そう言って、食べづらそうにポッキーを食べる夢美に、プリッツにすればいいのにと思いながら同時に、なるほどと思った。
「確かに、奇妙ね」
「でしょ? まさに私たちの活動に合っていると思うのよ」
「そうね。『カオス』におあつらえ向きの内容だわ」
私がそう言うと、夢美はその略し方はやめてよー、と苦言を呈した。
『カオス』それが私たちのサークルの名前だ。いや、正式名称は『characteristic actionable occultic space』。名付けた夢美によると意味は『独創的で実用的な幻想の空間』らしい。その名から察すると思うが、いわゆるオカルトサークルであった。
しかし夢美は嫌うが、私はその頭文字をとったこの略称の方が好きであった。だってあれ、長いし。それにこっちの方が私たちのサークルを端的に表しているように思われた。
「でも」
私が話を戻そうと、口を開く。
「なんで覚えてたの? 何か心当りとか」
「ああ、それね」
夢美がポッキーの袋一袋をからにして、答えた。下にはぽろぽろとかすや折れた短いポッキーが結構落ちているがまあ仕方ないだろう。
「それはね、多分私が最初から夢と認識していたからだと思うの」
「夢と、認識?」
「そう。最初から今いる世界が、夢だと解ったの」
「なるほど」
私はその現象に目星がついていた。
「明晰夢、ってやつね」
「そう」
明晰夢、とはこれが夢だと解る夢のことを言う。夢美はそれを見たのだろう。
元々霊感の高い娘だ。それを見るのは特に珍しいことではないようにも感じられた。
「明晰夢って、好き勝手なこと出来るって聞いたけど?」
私がそう聞くと、夢美は思い出すように顔を上向けて言った。
「そうね…でも、あまりにも非現実的なことは出来なかったわね」
「非現実的なこと?」
「ええ。例えば空を飛ぶとか、破壊光線が撃てるとか──」
「撃とうと思ったのw?」
「ええ」
そう言う夢美に、私はその夢について興味を持ってきた。
「ねえ、夢美。一体どんな夢だったの?」
「あら。聞きたい?」
「夢美の話を聞いてたらね」
私は手元にあった(元々夢見の)ポッキーの袋を取り出してポリポリと食べながら、夢美を見る。
「ふふっ、どっちにしろ話そうと思ってたしね」
「あら、そうだったの」
「じゃないと、こんな話しないわよ」
そう言って、確かに、と私が言って二人して笑った。
それから、夢美がゆっくりと、昨日の夢について語りはじめた。
〜〜〜〜
「いった〜〜」
腰に感じた痛みで、私は気がついた。辺りを見回すと、どうもどこかの学校の教室らしい。
ここで私はどこか、ああ、これは夢なんだなと思った。
なぜ思ったのかは解らない。
ただ、何となくとしか言えなかった。
「でも、ここはどこかしら…」
「ねえ──」
不意に、下から声が聞こえた。驚いて下を見ると、誰かが私の下敷きになっていた。
「あ、ご、ごめんなさい!」
慌ててよけて、私はその人物を奇妙だと思った。
「いてて、突然降って来るから驚いたよ」
「あの…なんであなたはその、なんで仮面をつけているのですか?」
〜〜〜〜
「仮面をつけてたの?」
「付けてたの」
思わず、夢美の話にツッコンでしまった。仮面をかぶった人。確かに奇妙な人物だ。
「すいません、ご注文のウミガメのスープです」
するとその時、注文していたウミガメのスープが運ばれてきた。私はこのお店のウミガメのスープが大好きなのだ。
一口、口につけて。
「……?」
シェフを呼んだ。
「なんでございましょうか」
「すいません、これ、本当にウミガメのスープですか?」
「え? そうだと思いますが…」
「味が少し違う気がするんです。確かめてください」
「か、畏まりました」
シェフが私のウミガメのスープを持って、奥へと引っ込んでいった。
「相変わらず、ここのスープへのこだわりは凄いわね」
「当たり前じゃない。何年食べてきていると思ってるのよ」
すると先ほどのシェフが慌てて戻ってきた。
「申し訳ございません。私と弟の副料理長とこっくりさんをして確かめましたところ、どうやら材料のツナ缶を間違えてネコ缶にしてしまったようです」
「ほらね?」
私が夢見に向かって得意げに言うと、彼女は参ったとでも言うように両手を上げた。
「こちら、作り直したものです。それから、今回のお詫びと致しまして、どうぞくじを引いてください」
目の前には青と黒と赤と黄色のカプセルが並んでいた。私は悩んで、黒か赤かにしようかと思っていたら──
「これにしなさいよ」
ひょいっと、夢美が黄色を手にとった。
「えー?」
少し不安に思ったが、夢美はくじ運はいい方だ。私はおとなしく夢美の言う事に従った。
「おめでとうございます!! 大当たり!! ウミガメのスープ四杯無料券を差し上げます」
そう言って、シェフは券を四枚机に置いて、去っていった。
「ほらね?」
今度は、夢美が言う番だった。私はどことなく悔しくなって──
「で? 続きは?」
スープを飲みながら、夢の続きを促した。
「はいはい…で、結局仮面をつけてる理由は何となくではぐらかされてね。とりあえず二人であたりを探検することにしたの」
〜〜〜〜〜
扉を開けて周囲を見ると、長い廊下が続いていた。上には『2−1』のプレートが。
やはり教室だったらしい。
その教室から私たちは完全に出て、とりあえず真っ直ぐ進むことにした。
進んでいくと、さっきと同じように教室のプレートがいくつか見え、その下には扉が見えた。
とりあえずそれらは無視して、私たちは先へと進んでいく。
すると一番奥には、トイレと洗面台が置いてあった。
蛇口からはポタポタと水が落ちている。
「そういえば、のど乾いたな…」
そう呟くように言って、蛇口をひねり、水を出す。
勢いよく流れ出す水に口をつけようとして──。
〜〜〜〜
「飲んだの?」
私が聞くと、夢美は首を横に振った。
「ううん、間一髪」
「そう、それはよかったわ」
私はほっとため息をついた。
「夢で食事の夢を見るのは、夢でトイレの夢を見るのと同じくらい不吉だものね」
「実際、トイレも出てきてるんだけどね」
夢美がそう言うと、あら、と私は返す。
「しなければセーフよ。トイレも食事も」
「それに、水を飲むことが食事になるのかも怪しいわ」
「確かに。でもしないにこしたことは無いわね」
「そうね」
夢美はふふっと笑い声を上げながら同意した。
黄泉竈食ひ──。
古くから日本に伝わる言い伝えで、黄泉の国で食事をすると、現世には戻れなくなるというものだ。
私はそれは黄泉の国に限った話ではないと思っている。異世界で何かを口にすると、現世には帰れなくなる──。
まあ、自分が実際に体験したことは無いので本当の所はわからないが。
しないにこしたことは無いだろう。とくに夢美は霊感が強いのだから。
「それでね、話を戻すけど──」
〜〜〜〜
とりあえず両端まで行ってみたが、階段のようなものは見つからず、この一階のみのようであった。玄関のような出口もみられない。一見、大きな密室のようであった。
「じゃあ、あとは教室を見て回るしか無いわね……」
プレートを見ると、
『2−1』『2−2』『2−4』『2−5』『2−7』『2−8』『2−10』
そして、そのプレートに対応して、8室が存在していた。
仮面の人物にどこから調べるか尋ねたら、どの部屋からでもいいとのことだ。
とりあえず私は元いた『2−1』から調べることにした。
〜〜〜〜
「あっははははは、なるほどね〜」
私は少し堪えきれずに、笑い出してしまった。
「あら、何か気づいたことがあるのかしら?」
だがそんな私の反応を気にもとめずにむしろ手を動かしながら何か試すような言い方をしている所から、夢美も本当は気づいているのかもしれない。
「いやー、三の倍数の排除なんて、そこからでも随分意地の悪い世界ということがわかるわ」
「あら。どうして?」
手を動かしながら、わざとらしく聞いてくる夢見に私は答えた。
「3というのはね、ある種の神聖数で縁起がいい数字って言われてるのよ」
「へー。でも、一番縁起がいい数字って7のようにも思えるけど」
「そうね。7もよく縁起のいい重要な数字と言われるけど、中国や一部の文化はむしろ縁起の悪いものとして見ている所もあるの。日本の七福神やラッキーセブンって欧米の文化が入ってきたことによる影響という説もあるしね。それに比べて3は大体どこも縁起のいい数とされているの。物語にもよく3は使われているわ」
「月の民である穢れなきかぐや姫は、3寸の大きさで見つかって、3ヶ月で大きくなり、3日間宴会をし、3年引きこもり、そして3年文通をした──」
「その通り。その点で言えば、最も神秘的な数と言えるわね」
「ふうん──ということは、その3の倍数が徹底的に排除された私の夢は──」
「少なくとも、縁起のいい夢ではなかったということね」
私がそう言うと、夢美はどこか納得したように、あー、と声を漏らしながら、動かしていた手をピタリと止めた。
「じゃーん。出来た。みてみて、夏美」
「なにそれ」
「熊さん」
夏美の手には何かの動物にも見えなくもない形をした毛布と、その下には切り取られた毛布片が落ちていた。
「上手い?」
「31点」
「厳しいわね」
「これでも随分オマケしてあげたのだけれど」
あはは、と夢美は笑って、その毛布を机の端にそっと置いた。
「それじゃ、話に戻っていいかしら」
「あーはいはい、どうぞ」
〜〜〜〜〜
『2−1』のプレートがついた教室には見た所、何のおかしな所も無かった。
「次、行きましょうか」
『2−2』のプレートがついた教室にはいると、その後ろの壁には、一面習字の半紙が貼付けられていた。
その半紙にはどれも『世界平和』と書かれていた。
「随分いい教育してるのね…」
そんなことを呟くと、仮面の人物が一歩前に出て、半紙を一枚、ペラリとめくった。
『安ラカナ死ヲ』
「っ!」
突如として風が吹き、半紙がめくり上がる。一面、壁はその言葉で埋め尽くされた。
「ホント、いい教育してるわね……」
もうここには何も無いだろう。私はその教室を出て、『2−4』の教室へと向かった。
『2−4』の教室はどこか嫌な感じがしたが、調べなければ前へと進めないだろう。
私は恐る恐る扉を開けて、中へと入った。その教室は暗く、何も見えない。
確かこの辺りにスイッチがあるはずだ…。手探りであたりを調べると、やがて何かに触れて、ぱちっと音がして蛍光灯が灯った。
「っ!!」
その光景に、私は息をのんだ。
てっきり教室と思っていたがその光景は教室のそれとはかけ離れ、ベッドが多数並ぶ静かな室内であった
これは保健室…? いや、病院?
そんなことを思っていると、奥のベットに誰かが眠っているのに気づいた。
「これは…」
そこには、二人の人間。
私と、夏美が眠っていた。
なにこれ、一体どういうことなの? なんで私と夏美が…
そう思考が混乱していると。
「ゲームオーバー」
不意に声がした方を見ると、そこにはあの仮面の人物が。
その人物は仮面をとって、ニヤリと笑って──。
そのまま。扉を閉めて出ていった。
その光景を、私はただ黙って眺めていた。
だって、さっきのあの仮面。その下にあった顔は──
〜〜〜〜
「あなただったのよ」
「はあ?」
指をこちらにピッと指して言う夢美に、私は素っ頓狂に声をあげる。ウミガメのスープを飲み干して、再び尋ねる。
「私?」
「うん」
「出演料は高いわよ?」
「勝手に出てきたんじゃないw」
「それで…続きは?」
「ないわ」
「はあ?」
私は再び思わず声を漏らす。だが今のは仕方ないだろう。
「しょうがないじゃない」
夢美はため息をつきながら答えた。
「起きちゃったんだもん。目覚ましの音がして」
「ああ、あの」
夢美の言葉を聞いて、私は夢美が持っている無駄にバカ高い(もちろん値段的な意で)目覚まし時計のことを思い出す。
「なぜか演歌が流れる目覚まし時計のこと?」
「バカね、あんな心の洗われるような演歌を出す時計なんてそうそうないわよ?」
「それだけのために尊い犠牲になった諭吉さんたちのことを考えるとねえ…」
「あら。でも今回のことは奇跡なのかもしれないのよ?」
「奇跡?」
私がそう尋ねると、夢美はそう、といって頷いた。
「あの演歌が無かったら、私はあの夢から出られなかったかもしれないわ」
「そのせいで今不完全燃焼気味でもあるんだけれど?」
「夢なんてそんなものでいいのよ。結末まで見るものじゃないわ。起きて、無理に結末を見ようとすると──」
「すると?」
「二度寝して学校に遅れる」
あはは、と私は笑った。そんな私を見て、夢美はぽつりと呟く。
「それにしても本当に、不思議ね。夢って」
「え?」
「だって、私のときとはまるで逆だもの」
一瞬、いや、その言葉を受け止めた今でも、夢美が何のことを言ってるのかわからなかった。
「どういうこと…? 夢美」
「だってそうじゃない?」
そう言う夢美は笑っているように見えた。
「私は世界に違和感を持てたけど、その仮面の人物が夏美だと気づけなかった」
ただ、あくまで『そう見える』だけだ。
「それに比べて夏美は私を私と認識できたけど」
だって──。
「世界に違和感を持てなかった」
仮面を、かぶっているのだから。
「ねえ、夏美──?」
不意に呼ばれて、びくっと思わず肩を跳ね上がらせる。
夢美はゆっくりと仮面に手をかけ、取った。
素顔の夢美はそういえばたしかにこんな顔だったし、私の予測取り、笑っていた。
だが、私はそんな夢美の姿に言いようもない恐怖を感じた。
「今日は何時に起きた? 朝ご飯は何を食べた? いつ、ここに来た?」
「え…えっと…」
思い出せない。霧のかかったようにというよりもむしろ、何かに蓋をされているような、そう、まるで昨日の夢を思い出すかのような感覚だった。
「あなたは不思議に思わなかった? よく思い返して。本当に、今身の回りに異常はなかった?」
「あ…あ、あ……」
さっきまでのことを思い出してみる。よく思い出せない所もあるが、確かに改めて思い出すと、狂っていることが起きていたのに徐々に気づいていく。
「ここは…夢?」
聞くつもりは無かった。ただ、無意識に喉から震えた声が溢れ出していた。
「さあ?」
それに対し、夢美の答えは意外だった。わからないと言ったような表情を見せて、両手を上げる。
「どちらが夢か、どちらが現かなんて、誰にもわからないわ。蝶になった夢を見た男が、自分は蝶で、今まで男になっていた夢を見ていたのかそれとも今蝶の夢を見ているのかわからないように」
「胡蝶の夢、ってこと…」
その通り、と答える夢美を見て、私は今更になって違和感を感じた。
夢美はもっと天真爛漫な娘だったはずだ。こんな落ち着いた娘ではなかったはず……
そう思うと同時に、頭のリミッターが外れたかのように、これまで感じなかった様々な違和感が一斉に襲いかかる。
そして、血の気が引く思いがした。
自然と視線は夢美から、先ほどまで自分が食べていたポッキーと、ウミガメのスープが入っていた皿へと移る。
そしてもう一度夢美の方を見て。
夢美は笑って。
「ゲームオーバー」
〜〜〜〜〜
ふと。目を覚ますと、目の前には見知らぬ天井が映っていた。
「ここは…」
ゆっくりと起き上がる。気だるさにくわえ、少し頭痛がした。
「ああ、夏美!! 起きたのね!!」
突然の大声に驚いて声の方を見ると、ベットにすぐとなりには我が友人である田中夢見が座っていた。
「あれ? 夢美…ここは?」
「ここ? 病院よ」
「病院!? なんで私そんな所に」
「覚えてないの?」
夢美は半ば呆れたようにため息をついたあと、答えた。
「夏美は昨日、階段から落ちて今までずっと意識不明だったのよ」
階段……。言われてみればそうだったような気がする。ということはこの頭痛は、その時の影響だろうか。
「もう、心配したのよ?」
「はは、ごめんごめん」
「こんなに眠って、一体どんな夢を見てたことやら」
夢……よくない夢を見た気がしたが、どうも霧がかかったというよりもむしろ、何かが蓋をしたような感じがして、何も思い出すことが出来ない。
「ん〜、よく覚えてないや」
「そうね。夢なんて覚えていていいものはないわね〜。それにしても、感謝しなさい!」
「ああ、ありがとうね、看病してくれて」
「そっちもあるけど、そっちじゃないわ! あなたが目が覚めたのはこの目覚まし時計のお陰よ!!」
そういって、幾人もの諭吉さんを生け贄に捧げて手に入れた愛用の目覚まし時計をドヤ顔で差し出して来る。
「お、おおう」
「この心が洗われるような演歌がなかったら、あなたはまだあの訳の分からない世界にいたかもしれないのよ!」
「そ、そうね…ありがとう…?」
不意にほんの少し違和感を感じたが、すぐに泡なって消えてしまった。
「? どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
それから私の意識が戻ったと言う知らせを聞きつけた医師がやってきて、検査を受けた。
特に異常は見られないらしいが、大事を取ってもう一日入院することになった。
「じゃあ、夏美。私はいったん戻るね、お大事に」
「うん、ありがとう。…あれ?」
「どうしたの?」
「それ……夢美もけがしたの?」
見ると、夢美の手の甲には湿布のようなものが貼ってあった。私の視線に気がついて何を気になっているのか察したのだろう、夢美はその手をひらひらとさせて答えた。
「ああ、ちがうちがう。これね、貼るカイロなんだけど剥がれなくなっちゃって。しょうがないからそのままにしてるのよ」
「ふーん。そうだったんだ」
「うん。じゃあね」
「また明日」
「────」
「?」
最後に。夢美が何かを言ったような気がしたがこちらには聞こえず、何を言ったのか尋ねる前に扉を閉めて出ていってしまった。
「まあいいか」
どうしても気になるなら明日聞けばいいや。そう思って、ベットに横になって、少しの違和感を覚えて。
──そして、消えた。
「あれ? なんで今私、病院のシーツに違和感を覚えたんだろう」
そうだ。この病院の黒色のシーツに別段おかしな所はない。
少し考えて──。
「やっぱり、気のせいか」
(完)
[編集済]
ホントに気のせいかな?w
タイトル:奇行ギャンブラー田中のおこづかい帳11月18日
カジノは勝てないように設計されていますからねw [良い質問]
■19:00
カジノ・ウミガメにて今日も稼業を開始。
従業員からはおととい来いとばかりに、
蛇口からポタポタ落ちた水を
一滴ずつ地道になすりつけられる嫌がらせを受ける。(12)
しかし田中は動じない。
残高:-100,000ラテ
■19:05
今日の幸運を確かめるためにスロットに挑戦。
コインは1枚も持っていないので、
他の客がジャックポットしたところをヨイショしつつ
1ラテコインを1枚かすめ取る。
その1枚を100ラテスロットに投入。当然動かない。
仕方がないので心を洗い流すような熱い演歌を歌ってみる。
すると奇跡的にスロットの心を見事動かし、(6)
「ちょっとだけよ」とばかりにリールが回り始める。
出た絵柄は【タ・ナ・カ】。
ジャックポット達成。
1ラテコインを10,000枚勝ち取る。
残高:-90,000ラテ(内コイン分10,000、借り分-100,000)
■19:15
幸運をかみしめた田中はルーレットに挑戦。
田中を見たディーラーから「またお前かと」舌打ちをされる。
それに気がつかない田中は、黒に賭けるか赤に賭けるか迷う。
最終的に黄色の20141118番を選択し、
先ほどの10,000枚を全て投入。(13)
ボールは吸い込まれるように緑の0番ホイールへ。
勝ちを確信していた田中は目をむく。
良く確認すると、田中が賭けた10,000枚のコインの下には
賞味期限2014年11月18日と印刷された
ツナ缶(黄色のパッケージ)が。
そしてすぐ隣には製造番号0番と印刷された
猫缶(緑色のパッケージ)が。
しまった、ツナ缶ではなく猫缶に賭けるべきだったのか!(8)
残高:-100,000ラテ
■19:20
田中、「今のなし!」と宣言。
いけしゃあしゃあとディーラーに交渉を持ちかける。
相手にしないディーラーに対して、田中は奥の手を用いる。
「こっくりさんをしよう。良いお告げをもらえたほうが勝ち」
そういうことならとディーラーは田中の賭けに乗る。
ディーラーが用意した10ラテコイン1枚を
田中とディーラーが指で押さえる。
先攻はディーラー。実は田中とそっくりさん。(9)
コインはテーブルの上を『赤の1→緑の0→緑の0』の順に動く。
ディーラーは100ゲット。
後攻は田中。もちろんディーラーとそっくりさん。(9)
コインは『赤の1→黒の11→赤の1』の順に動く。
田中はポッキーとプリッツの日をゲット。
判定、後攻の田中の勝利。
1ラテコイン50,000枚と副賞のポッキーとプリッツを獲得。(3)
残高:-50,000ラテ(内コイン分50,000、借り分-100,000)
■19:40
一服しようとカジノ内のバーに立ち寄る。
バーの片隅では商人が高級羽毛布団と毛布を出張販売している。
興味を持った田中が商人に近づくと、
突然、商人の毛布がビリビリに切れてしまう。
「毛布を切りましたね?」と言いがかりをつけられた田中は
「切りました」と認める。(14)
「なら弁償にこの毛布を100,000ラテで買いなさい!」
迫る商人。逃げ出そうとする田中。
商人は高級羽毛布団を広げると、
田中を布団の中に押し込めてしまう。
「布団という名の密室から逃れることはできませんよ!」(2)
田中は観念し、100,000ラテで買うと口約束する。
残高:-150,000ラテ(内コイン分50,000、借り分-200,000)
■19:55
商人は言葉を続ける。
「しかしこのままではつまらないですね。
では、これから私が出す問題に答えられたら、
特別に弁償は無しにして、ここから出してあげましょう」
それはありがたい話だ。
「問題! 私の好きな3の倍数は?」
田中は高級羽毛布団のにおいを堪能しながら考える。
「ヒント。シーツの色は重要です」(7)
商人から早くもヒントが。
良く見ると、高級羽毛布団のシーツの色は黄色。
つまり、黄色に関係した3の倍数。ひらめいた!
「答えは20141118だ!」
「正解」
田中は高級羽毛布団という名の密室から解放される。
先ほどのルーレットではじめに田中が賭けたのは
黄色の20141118。
この数字は3の倍数で、3で割ると6713706。
何とこの3の倍数が田中の窮地を救うとは。(10)
しかもこの一連のやり取りを見ていたバーの客たちから
「良いものを見せてもらった」と投げ銭が飛んでくる。
1ラテコインを100枚獲得。
残高:-49,900ラテ(内コイン分50,100、借り分-100,000)
■20:20
バーで一服ついた田中は、
次はポーカーに挑戦することにする。
この席からはいつも参加者の怒号が飛び、
たまに怒号ならぬ土偶も飛んでくることで有名な、(4)
カジノ・ウミガメでも有数の魔の住処である。
「今日のツキなら勝てる気がする……!」
根拠のない自信に満ち満ちた田中はポーカーの席につく。
参加料として1ラテコインベット。
ディーラーから5枚のカードが配られる。
中を見るためにめくろうとすると、めくれない。
このカードは、貼るカイロ?
それがテーブルから剥がれなくなってめくれない?(1)
これでは中の手を確認する手段がない。
絶体絶命のピンチ。
残高:-49,901ラテ(内コイン分50,099、借り分-100,000)
■20:30
田中は近くにいた従業員にウミガメのスープを注文。
間もなくやってきたウミガメのスープを
こっくりさんでゲットした
ポッキーとプリッツを浸しつつ食べる。(5、3)
そして次の一口は飲み込まずに
めくれないカードの上にデロデロデロ。
案の定、貼るカイロはふやけ、テーブルはウミガメ色に染まり、
カードをめくることに見事成功。
カードの中身を確認する。
ハートの3、ダイヤの6、クラブの9、スペードのK、予備の白カード。
ノーペア。
何かおかしなカードが紛れている気もするが、
まあいいだろう。
少し考えた田中は今日のラッキーナンバー、
3の倍数にあやかることに。(10)
この中で3の倍数でないものはスペードのKだけ。
13は3がつくものの、実は3の倍数ではない。
そんなうんちくを頭の中で垂れ流しつつ、スペードのKを切り、
ディーラーにカードを1枚要求。
来たカードはスペードのQ。12は3の倍数だ!(10)
しかし、手はノーペアのまま。
このままでは負ける。どうする?
そこで田中はハッタリをかますことに。
残りのコイン50,099枚を全て投入、
場の賭け金を吊り上げ、ディーラーと参加者の動揺を誘う。
残高:-100,000ラテ
■20:40
そのスキに、持っていたポッキーのチョコ部分を使って
予備の白カードにクラブのQの図柄を器用に書き込む。
これでQのワンペア、しかも手札は全て3の倍数。(10)
これで勝てる。
「では賭けは成立ということで手札をオープンしてください」
ディーラーの宣言とともに、田中は自信満々に手札を公開。
ディーラーが参加者の手札を一つ一つ確認していく。
「2のワンペア、ノーペア、5のワンペア、8のワンペア」
やった! みんなQのワンペアより下の手だ!
「ミスター田中、これは何ですか?」
ディーラーは田中がポッキーで書いたクラブのQを指差す。
「チョコレートの国の女王様」
「不正行為とみなし、負けです」
シャレの通じないやつめ。
そもそも、予備の白いカードをよこしたのはそっちじゃないか。
田中はふてくされる。
残高:-100,000ラテと後ろ向きな心
■20:55
田中の元に、カジノの支配人がやってくる。
「お貸ししてある100,000ラテ、返済期限は今日です。
勝って返すとのことでしたが、今日は勝てましたか?」
「勝てませんでした!」
笑顔で答えた田中は支配人から柔道の体落としをくらう。
続いて締め技。田中の意識が急速に落ちてくる。(15)
残高:???
■23:50
田中は意識を取り戻す。
ここはカジノ・ウミガメの入り口のようだ。
そして身ぐるみ剥がされている。
今日も野宿か。
泣きそうになった田中は脇の下から仮面を取り出し、
足の裏に装着。
「今日はゲームオーバー。しかし明日こそ!」
そして仮面を外した。
田中の足の裏には「大丈夫(゚∀゚)」の記述が。
仮面の下にこんな素顔が隠されていたとは驚きである。(11)
残高:0ラテ
■23:55
ここまで記録をつけた田中はおこづかい帳を閉じる。
そのとき、カジノ・ウミガメの支配人がやってきて、
「その仮面も身の代として頂きます」
田中は仮面も取り上げられる。
支配人は仮面をつけ、田中に「ゲームオーバー」と言うと、
カジノの扉を閉めてしまった。
残高:身も心もすってんてん
(終わり)
[編集済]
新機軸として、時間を使って来ましたか~
投票箱はコチラです 参加の有無は関係ございませんので皆様よろしくお願い致します
http://enq-maker.com/7mdeRw6[編集済]
それでは、結果発表です。
まずは最難関要素賞です
最難関要素賞は・・・・・
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オリオンさんの
「要素⑥ 心を洗い流すような熱い演歌が、何かしらの奇跡を起こします」です!!
心を洗い流します 演歌は重要です 奇跡が起こります の3つに分けられる要素を一つにしたのですから、選ばれますねw
続きまして、匠賞です
巧賞は・・・・・
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さしゃさんです
さしゃさんオメデトウございます ぱちぱちぱちぱち
天童さん・黒井由紀さんと獲得同数でしたが、独断と偏見で選ばせて頂きました。
続きまして、最優秀作品賞です
最優秀作品賞は・・・・・
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2票獲得
オリオンさん作の
「妹は大事にしようという話」です!!!!
オリオンさんオメデトウございます ぱちぱちぱちぱち
今回も票が割れ。後2作品、獲得同数でしたが、別の話とのリンク好きと言う私の好みでこの作品を選びました。
最後になりました。
今回最多票を獲得し見事シェチュ王の栄冠を獲得したのは・・・・
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獲得したのは・・・
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ノックスRさんです!!!!!
有効投票数9票の内4票獲得文句なしのシュチュ王獲得オメデトウございます。 わーっ!!ぱちぱちぱちぱち!!!!!
実は最優秀作品賞と同数なのは2作品ともノックスさんでした。
と言う訳で次回はノックスRさんにMCをお願いしたいと思います。ノックスRさんよろしくお願い致します。
今回運任せで要素を選んだら、無茶な要素が揃いましたが見事にやってのけお見事としか言いようがございませんでした。
参加していただいた方、ご覧下さった方、真にありがとうございました。
最後になりましたが、恒例なので私も解説書きました。宜しければお読み下さい。
では、次回の【正解を創りだすウミガメ】までさようなら~ またお会いしましょう。
リアルガチ脱出ゲーム《要素②》
ラテシンのオフ会を流行りの脱出ゲーム(1チーム6名《要素⑩》)で参加する事になりました。
しかし、コレが初めてのオフ会だったので全員顔を知りません。
そこで一人が目印としてラテシントートバッグを持って行くと言うことになりました。
はやる気持ちが抑えきれずに1時間以上早く着いてしまった為に
トートバッグを持った人はまだ来ていないみたいなのでおやつのポッキー《要素③》を食べながら待ちました。
程なくして全員集合いよいよ脱出ゲーム開始です。
開始の際に今回の黒幕である仮面をつけたパイナップル頭の男が「うらないでおもてなし~」との歌詞が印象的な演歌をバックに現れました。
「ヤバイよーヤバイよー。皆は密室に閉じ込められちゃったよー、この密室から1時間以内に脱出するんだ。リアルガチで!!
ではスタート」
唐突に始まりました。
(58分間、色々ありましたが時間の都合上割愛)
たまに飛んでくる土偶《要素④》をキャッチして土偶の背中の模様と仮面の男のそっくりさんがこっくりさんをしている《要素⑨》際に使用している紙を照らし合わせて「しーつのいろとつな」と言うヒントを得ました。
蛇口から水がポタポタ落ちている《要素⑫》のを、缶のラベルを濡らして、水あぶり出しから「えんか」と言うキーワードを得るはずでしたが、ツナ缶ではなく横綱が描かれている猫缶を選択した《要素⑧》為にこのヒントはもらえませんでした。
「残り30秒です。」アナウンスが聞こえました。
最後は扉を開ける為に扉の横にあるコードを切ると言うものでした。
コードは赤黒黄色の3本。
コードのヒントはシーツの色《要素⑦》。しかしシーツの表が黒、裏が赤。さてどちらを切ればよいのだろう・・・。
「そうか!!最初に仮面の男が歌っていた心を洗い流すような熱い演歌の歌詞を思い出そう
「占いでおもてなし」ではなくて「裏無いで表無し」裏にある赤でも表にある黒でもないんだ。
ならば、切るのはこれだ!!」
黄色のコードを切りました《要素⑬》。
ギィーと音がして扉は開きました。
急いで扉へ向かう6人
3・・・2・・・1・・・0
6人は全員扉を通り抜ける事が出来ました。
6人の後ろでは「時間切れゲームオーバーです」と仮面のスタッフに脱出する扉を閉めました。
「この成功率0.001%の密室からの脱出成功おめでとう、リアルにミラクル《要素⑥》」扉が開き仮面のパイナップル頭の男が拍手をしながら出迎えてくれました。
仮面をしているせいなのか、仮面男はすっ転びました。リアルガチに。
すると仮面が剥がれました。何と仮面の男は出川ではなくただのそっくりさんでした。逆に本人ではない事に驚きました《要素⑪》。リアルに。
脱出成功の商品として上の階にあるレストランのお食事券をプレゼントされたのでこの後はレストランで楽しいお食事会をする事にしました。
偶然にもメニューにウミガメのスープがあったので全員ウミガメのスープを頼み舌鼓を打ちました《要素⑤》。
一方その頃、田中も別会場で参加していましたが、一つ目の暗号解読に失敗。混乱して備品の毛布を切って《要素⑭》脱落《要素⑮》して、脱出失敗。
って言うか逮捕。
手錠をかけられてしまい貼るカイロも剥がせない状態になってしまいました《要素①》。
(おしまい)
要素② 密室は関係します
要素③ ポッキーやプリッツは出ます
要素④ たまに土偶が飛んできます
要素⑤ ウミガメのスープを食べます
要素⑥ 心を洗い流すような熱い演歌が、何かしらの奇跡を起こします
要素⑦ シーツの色は重要です
要素⑧ ツナ缶と猫缶を間違えます
要素⑨ そっくりさんがこっくりさんをします
要素⑩ 3の倍数は重要です
要素⑪ 仮面の下には驚きの素顔が隠れています
要素⑫ 蛇口から水がポタポタ落ちます
要素⑬ 黒と赤で迷って最終的に黄色を選択します
要素⑭ 毛布を切ります
要素⑮ 田中が落ちてきます
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。