【ラテクエ41自己リサイクル】（｀皿´）

鼻歌交じりに今日も皿をしっかりと磨くカメオ。

水の入った皿はカメオの頭の上で、陽光を浴びてぴかぴかに輝いている。



カメオは河童である。

自らの住処である水辺で、誰にも知られることなくひっそりと暮らしていた。

水辺に住む生物たちとともに、それなりに幸せに過ごしていた。



－だが、平穏な日々は突如として終わりを告げる。



『あの水辺には河童が住んでいる』



ある時、近くの村にそんな噂が流れていた。

好奇心旺盛な村の子供たちは、噂の真偽を確かめようと水辺を訪れた。



そして、見つけた。

水辺を泳いでいるカメオ。緑色の身体に、頭の上には真っ白な皿。

あれは河童に違いない。



子供たちは面白がって、ちょっとからかってやろうと、カメオに向かって石を投げつけた。

だがそのうちのひとつが、カメオの頭の皿を割ってしまった。

生命の源でもある皿を割られたカメオは、怒りを抱く間もなく死んでしまった。



ぐったりと動かなくなったカメオを見て、子供たちは恐怖し、その場を逃げ出した。

そして、その日起こったことは口外しないと誓い合い、何事もなかったかのように日々を過ごしていた。











ところで、村はその後流行り病で滅びたのだという。

なぜ村が突然病に冒されることになったのか。真相を知る者は誰もいない。











ソウ、誰モ知ラナインダヨ。アイツラ言ワナイモン。クスクスクス。