ウミガメのスープ

わくわく → ズコーヽ(・ω・)/

作者: 植野

ある曲を順調に歌いあげていた女性。
しかしサビに入った途端、彼女は盛大に音を外した。

だが、それをおかしいと指摘したり、馬鹿にして笑ったりする者はいなかった。
彼女一人が、音を外したまま歌っていた。

状況を補完してください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

彼女はもともと音程を外すつもりで歌っていましたか?

NO 若干ミスリード注意です。

いいえ

彼女以外にも一緒に曲を歌っている人はいましたか?

NO この場では彼女しか歌っていませんでした。

はい

以前には彼女とともに歌っていた人がいましたか?

YES!

いいえ

以前一緒に歌っていた人の役割はコーラスやハモリですか?

NO

はい

久々の前半から、参加します!

YES!

はい

以前彼女とともに歌っていた人は亡くなっていますか?

YES!

彼女は泣いていますか?

解説ではNO けれど間違いなく泣きたい気持ちではあったでしょう。

はい

音を外したのは故意ですか?

YES Q1とは反対の回答に見えるかもしれませんが、同様にミスリード注意です。

はい

周りの人は、どこか一点を見つめていますか?

YES ある一点を注目しています。

いいえ

サビに入る前に何かハプニングが起こりましたか?

NO

はい

周りの人は彼女を見ていますか?

YES!歌っている彼女に注目しています。

いいえ

彼女は生前ともに歌っていた人の歌い方を模倣していますか?

NO!

いいえ

泣きたい気持ちになったのは、音を外してしまったからですか?

NO

はい

歌は彼女の口から発せられていますか?

YES (‘∀‘)<♪゚・*:

はい

彼女は葬式の場で歌っていましたか?

YES!!

いいえ

音を外さずに歌うことも出来ましたか?

NO というより…

はい

彼女は本来のサビの音程を知っていましたか?

YES! 知っていたでしょう。

いいえ

彼女に音程を外したという認識はありましたか?

NO! 「彼女」は正しい音程で歌っていました!

いいえ

前に一緒に歌っていた人の歌は、この場に流れていますか?

NO!

むしろ音程が外れて歌っていたのは前に一緒に歌っていた人の方で、曲本来の歌い方は音を外すものでしたか?

おっと、NO 遠くなってしまいました(・◡・*;)

いいえ

ミスリードとは音と音程の違いということですか?

NO あえて言うならば、「彼女」側の認識の違いです。

はい

彼女はハモりの方ですよね?

YES!彼女はコーラス担当でした! まとめてください。

はい

核心彼女はハモリを歌っていてリードのパートは亡くなった彼女が歌っていた。そのため事情を知っている葬儀の参列者はおかしいと感じませんでしたか?

YES! 参列者は皆、サビでコーラスパートに入る歌に納得しました!55分に解説へ行きます。

はい

核心共に歌っていた友人が死に、その葬式の場で彼女は歌った。しかし、彼女が歌っていたのはコーラス。コーラスが入るサビでは自分のパートを歌ったため原曲とズレてしまった。しかし聞いている皆の頭には友人の歌声が残っているため誰もが納得し聞いた。イエスタディワンスモアますか?

YES!エーブリーシャーラーラーラー

そのあと彼女も後追いますか?

かもね

後ろからご本人登場ですか?

ドッキリ大成功! <デデーン

答え

彼女は歌姫だった。
けれどこう書くと語弊があるのは否めない。
「彼女たち」は歌姫だったのだ。

リードボーカル担当のハルカ。
そしてコーラス担当のさゆり。
2人でひとつのハーモニーを生み出す、実力派の女性デュオだった。

しかし、彼女たちを照らしていたスポットライトは、あるときふいに途切れてしまった。
リードボーカルのハルカが不慮の事故で亡くなったのだった。

夭逝した歌姫を悲しむ人間は多く、近親者を中心とした葬儀とは日を改め、ファンを中心とした「お別れの会」が催された。
その式の中で、良きパートナーであったさゆりが代表としてスピーチマイクの前に立つ。


「……ハルカとの思い出は沢山ありすぎて、今、ここでなにを言えばいいか判らないです。スピーチなんて、したことないし……。
でも、私とハルカを繋いでいたのは……この、どこにでもあるような、マイクだから……」


さゆりはそこで言葉を切り、唐突に鼻歌でハミングを始めた。会場に集まったファンはすぐに、このメロディーが何であるかを理解した。
これはハルカとさゆりのデビュー曲。

そしてすっと短く息を吸い、アカペラが始まった。
水を打ったように静まり返る会場に、さゆりの歌声が響いて、響いて、響いて――そしてサビに差し掛かると、彼女はいつも通りに、「コーラスパート」を歌いだした。

美しいハーモニーを生み出すはずのコーラスパート。けれどもリードボーカルがなければ、音の外れた、か細い歌声にしか聴こえない。

それでもさゆりは歌うのを止めなかった。その場にいた誰もが彼女の心境を思い、言葉を失った。
しんとした会場から嗚咽が漏れ始めるのは、それから少し後のことだったという。



弔問に訪れたファンの一人は、当時を振り返ってこう語る。

「あれは、ハルカの代わりなどこの世の何処にもいないと吠えるような、鬼気迫る独唱だったよ」
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