ウミガメのスープ

雌蝉がないた夏

作者: あたりめ屋

ここはラテシン病院

入院したカメミは

痛くもないのに「痛い、痛い」と言い

そのたびに、主治医のカメオはカメミのところに来た

しかし、カメミが本当に痛くて「痛い」と言っている時に限って、カメオは来なかった

いったいなぜ?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

カメミはカメオに対して恋愛感情をもっていますか?

YES

いいえ

痛いのは肉体的な痛みですか?

NO

はい

カメミは入院していますか?

YESです

いいえ

本当に痛い時は、麻酔医がやってきますか?

NO、カメオは本当に痛いかどうかを識別できていません

はい

カメミは人間ですか?

YES、にんげんです

いいえ

カメオは何度もカメミの「痛い」という台詞に騙され、カメミを嘘つきだと思い、本当にカメミが痛がっている時も嘘だと思いましたか?

NO、それだと本当に痛いときに来なかったのが「たまたま」ということになります

いいえ

カメミが本当に痛がっているのは注射されている時ですか?

NO、でも注射怖いよね()

いいえ

1 カメミはカメオに告白をしましたか?

NOです

いいえ

カメミはカメオが好きでよく痛いと嘘をついてカメオと話す機会を増やし、ついに告白したもののものの見事に振られ、失恋の痛みで「痛い」と言っていますか

NO、失恋関係ではないです。…でも問題からしてそれでも成り立つので…別解として良質つけますね

いいえ

本当に痛がっているとき、カメミはそれをカメオに伝えていますか?

NO

いいえ

カメミの本当の痛みは恋による胸の痛みですか?

No、恋愛による痛みではありません

いいえ

カメミは何かを哀れんで心を痛めていますか?

NOですかね、哀れむという感じではないです

いいえ

カメミは今後、カメオに会えますか?

NO!

いいえ

カメミは退院後カメオと結婚したが、そうなると本当に痛くても、カメオは忙しくてカメミのそばには来られませんか?

NO、それだと「カメオがたまたま家にいたとき」にはカメオは来てくれることになります

はい

カメオは亡くなりましたか?

YES

いいえ

カメミはカメオに会いたくて痛いと言っていたが、もう別の人を好きになったので、本当に痛くてももうカメオを呼ぶことはなく、新しく好きになった人に来てもらっていますか?

NOです。恋愛関係の話ではないのです

はい

核心カメミが本当に痛いのはカメオが死んでしまったからなので、もうカメオは来ませんか?

YES!正解です!

答え

「生きてるだけで幸せなことですよ!」

いかにも医者になりたての主治医、カメオが

入院した私に最初に言ったのは、そんな言葉だった

ふざけるな、と私は思った

高校最後の部活の大会、その前日に交通事故に遭った

足を骨折し2ヵ月入院。私の部活はあっけなく終わった。

そんな私に幸せ?馬鹿にしてるの?

頭にきた私は、こいつを不幸にしてやろうと思った

「痛い痛い!!!」

全然痛くないのに、私は痛みを訴えた

「大丈夫ですかっ!」

駆けつけるカメオの焦った顔、いい気味だった

「あーもう!ホントに痛い!!!」

「落ち着いて、大丈…」

「痛い!!!」

こうしてカメオを不安にすることが、私の日課になっていった。

次の日も

「あー痛い!」

その次の日も私は痛い痛いと言い

「ひとまず落ち着いて!ゆっくり呼吸をして…」

そのたびにカメオは来た

いい加減、嘘だと気が付いてもいいものだった

が、カメオは私を何も疑っていなかった

それどころか、痛みが治まったと言えば、「良かった」と笑顔まで見せた

何で、何で疑わないのか

意味が分からない、何で

「早く治ると、僕も嬉しいです!」

笑顔でそんなことを言う理由も、分からなかった

そして

この笑顔を見ると、なぜ妙に胸が熱くなるのかも

私には理解できなかった

「カメミさん、大丈夫ですか?」

「うん、まぁ、だいぶ良くなった」

いつしか私は、カメオに会うために痛みを訴えるようになった

それなら普通に呼べばいいのに、そうはしたくなかった

なんか恥ずかしかったし

実は痛くなかったとカミングアウトして、嫌われるのも怖かった






そして、退院の日

私はカメオに全てを打ち明けることにした

嘘のこと

そして、私のことも…


しかし

退院の見送りにカメオは現れなかった

都合が悪かったのだろうか。まぁいいか、気持ちの整理をして、もう一度来よう。




ガラガラガラガラ…




そう思って病院を出ようとした私の後ろを、救護カートが通って行った

熱中症だろうか、最近暑くなってきたから大変だなぁ

なんてぼんやり考えながら、私は病院を後にした








____そのカートにカメオが乗っていたと知ったのは、それから一月後のことだった_____










過労死だった


どこかの誰かが執拗に呼び出したせいだろう

痛いなんて言ったから

真面目なカメオは医学の勉強にも時間を割いた

私が殺したも、同然だった

私が、何で

嫌だ、どうして、私のせい

私は墓前で、そんな罪の意識をぐるぐるさせながら

私はただ立ち尽くした

そんな時




ミーン ミンミンミーン…




蝉の鳴き声がしてきた

その時、妙に、あぁ、そうかと

納得する自分がいた

私は蝉だった

「イタイイタイ」と同じ声で鳴きながら

ただ、一人を求めた

一匹の醜い蝉

鳴くのが恥ずかしかった雌蝉は

素直に求愛しなかった

その結末が、これだ




「…カメオ、先生」




グッと、胸の奥に




深く刺さるよな、痛み




「痛い、痛いの…本当に」




漏れ出る言葉は、止められなかった




「痛いよ、ねぇ、来てよ…いつも、痛いとき、きて、くれた…じゃん…」



なんで



なんで、言えなかったんだろう




ずっと分かっていたのに




「いたい、いたい…」













「あいたい」















誰も知らない、ひっそりとなく一匹の雌蝉のお話。


【まとめ】

カメミは痛くもないのに痛いと嘘をつき、そのたびにカメオは来た
カメミはそんなカメオに惹かれていったが、退院後、カメオが死亡。
カメミが、カメオを失った胸の痛みをいくら訴えても、カメオは来るはずもなかった。

— なくことだって、あるんです

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