作成者:公認イベント事務局
部屋名:月の間
ルームキー:月餅のカロリーの高さよ
部屋名:月の間
ルームキー:月餅のカロリーの高さよ
このチャットルームは、セントクリストファー・ネイビスさん、イタリアさん、アイスランドさんのみ利用できます。
それ以外の方は#red#立ち入り厳禁#/red#ですのでよろしくお願いします。
この部屋は、猛者のスープの問題を制作するためにあります。
目的がそれであれば、何をしても構いません。
問題制作の時間を、どうぞごゆるりとご堪能下さいませ。
改めまして第二回ラテシンチーム対抗戦~最強のスープはどれだ~にご参加アリガトウございます
つきましてはこの先のルールの補足についてご説明させていただきます
名前は匿名のまま、お伝えしましたが、チーム内では明かしても構いません
ですが、誰がチームであるかを外に明かすのはお止めください
この部屋を利用して問題を作成し、終了後公開をお許しいただければ、他の方の勉強にもなると思うので、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます
何かご質問があれば忌憚なくどうぞ
1.セントクリストファー・ネイビス
2.ひらめき重視のトリック系
3.平日 21:00~24:00(結構こまめにサイトを覗いているため、これ以外の時間帯でも可能。)
休日 8:00~24:00
4.亀夫君問題以外ならOK。
5.チャームがあり、納得感が得られる問題を意識して問題作成に取り組んでいきたいと思っております。
1.イタリア
2.トリック系!良いトリックと、それに合うクルーを見つけたい!
3.毎日21時~23時頃が主。シエスタ中につき昼はそれほど参加できないよ
4.ウミガメのスープ!パスタに合うと聞いたから!
5.たくさん意見を交わして、ノリと勢いで良い問題を作り上げたい!
1.アイスランド
2.どちらも好きですが作るのはトリック系が多いです
3.夕~朝。昼も日によっては。
4.ウミガメか亀夫君、でも扉や新ジャンルも気になる…
5.絶対優勝するぞ!
~タイトル候補~
・下町バイオレンス ・下町アビューズ ・無言の告白 ・沈黙の告白 ・child abuse
・心の傷が癒えるまで ・心の傷が癒えるとき ・引き裂く絵 ・サイレントメッセージ ・絵は口ほどにものを言う
・告白する少女 ・クレヨンを持つ少女 ・絵を描く少女
・たすけてくれよん ・夏子を食らうサトゥルヌス
【簡易解説】
夏子の絵を見た先生(葵)が、頭を撫でて褒めようとしたところ夏子は手で頭をかばった。夏子が親から虐待を受けているのではないかと疑った葵は、強い責任感に駆られ夏子の自宅を訪問。夏子が母親(海子)から虐待を受けていることを明らかにする。夏子は祖母(亜希子)に引き取られることになったが、今度は亜希子が、娘が逮捕された腹いせに夏子を虐待するようになった。
―――
「ひまわりの絵を描いてみましょう」
夏子が園庭に咲くひまわりを見ながら絵を描いていると、葵が近寄ってきた。
「うわー、夏子ちゃん上手な絵だねー」
葵が夏子の頭を撫でて褒めようとすると、夏子は#b#咄嗟に手で頭をかばった。#/b#
(この反射的な動作……もしかして、#red#虐待#/red#を受けてる?)
その日の夕方、次々と子供を迎えに親が来る中、夏子の親はなかなか来ず、迎えに来たのは最後。
ようやく親が来てくれたというのに、夏子はどこか悲しげだった。
(そういえば、夏子ちゃんがお母さんと楽しそうに喋っているところってあんまり……)
疑念を疑念のままで放っておいて後悔したくないと思った葵は、帰りに夏子の自宅を訪れることにした。
保育園から歩くこと約15分。
商店街を抜けた先にある古びたアパートの3階に夏子の自宅はあった。
葵はあらかじめ取っておいた夏子の黄色のクレヨンをバッグから取り出し、インターフォンを押した。
「あの、水平保育園の山崎葵ですけど、夏子ちゃんが忘れ物をしていたので届けに来ました」
「えっ……はい、今行きます」
2分ほど経ってようやくドアが開き、夏子の母親である海子が現れた。
「こんばんは。これ、夏子ちゃんが忘れていたので……」
「何でわざわざ……明日渡してくれたら良くないですか?」
「帰り道なので、ついでにと思いまして……。あっ、夏子ちゃん居ます?」
「何か夏子に用があるんですか?」
「いや……」
「夏子はもう寝ました。じゃあ、先生ありがとうございました。さようなら」
「あっ、さよう……」
葵が「さようなら」と言い切らない内に、海子はドアを閉めてしまった。
何だか家に来てほしくなかったかのような対応だ。
疑念はさらに深まる一方……。
でも証拠がない以上これが精一杯だった。
葵は家路につくことにした。
とその時、
「あんた、クレヨン保育園に忘れたでしょ!なんでちゃんと持って帰ってこれないの!」
「ママ、ウウッ、ゴメンなさい……。ヒクッ、ゴメンなさい……」
泣きながら謝る少女の声が聞こえる。
夏子だ。
「夏子ちゃん大丈夫!?」
葵は必死にドアを叩いた。
「あっ……先生、な、何ですか?」
怯えた様子の海子がドアから顔を覗かせた。
「今、夏子ちゃんが泣いているのが聞こえましたけど……。実は今日、保育園で夏子ちゃんを撫でようとしたら、夏子ちゃんは頭を庇おうとして……。もしかして……」
「……」
「ちょっと失礼します」
「えっ……」
海子を強引に押しのけ、家の中へ入っていくと、リビングに体育座りをして泣いている夏子の姿があった。
着ている服は所々穴が空き、薄汚れている。
葵は夏子に駆け寄り、ギュッと抱きしめると、そっと服をめくり上げて背中を見た。
きっと海子に虐待をされたのだろう、そこにはいくつもの痣があった。
「これ、お母さんがやったんですよね?」
「これは……」
「ママは悪くない!私が良い子じゃないから……良い子じゃないのがいけないの……」
「夏子ちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ」
「虐待なんかしてません。この前、夏子がお風呂ではしゃいで転んで背中をぶつけたんです。ねぇ、夏子?」
「うん……」
「痣は古いものから新しいものまでありますよ。何度も転んだって言うんですか?……これからもこんな生活を続けていくんですか?」
「……これが私のしつけ方なんです!夏子もそれを理解してくれてるはずです!先生にとやかく言われたくありません!」
「本当に夏子ちゃんのためになると思ってるんですか?あなたのやっていることはただの犯罪ですよ!このまま帰るわけには行きませんし、警察を呼ぶことにします」
「ちょっと待って先生!」
葵の腕を掴み必死に抵抗する海子を払いのけ、葵は警察に電話をかけた。
数分後、警察官はやって来た。
泣きじゃくる夏子と海子、そして葵を乗せたパトカーが
暗闇へと消えていった――。
―――
その後、祖母亜希子の家で生活することになった夏子。
ようやく平穏な日々が送れるかと思われたのだが……。
「あんたのせいで海子は逮捕されたのよ!あんたが良い子にしてないから!」
「あら、夏子の分の晩御飯作るの忘れちゃったわー」
「2日間旅行に行って来るからじっと家にいなさいね」
もはや亜希子は夏子が知っている#b#優しいおばあちゃん#/b#ではなく、溺愛する娘が逮捕された憎しみから#b#復讐の鬼#/b#と化していた。
暴力こそ振るわれないものの、ネグレクトを受ける日々。
#b#でも夏子は以前とは違った。#/b#
「せんせー、たすけて。おばあちゃんが変わっちゃった。わたし、あんなおばあちゃん嫌だ……」
夏子は、たった一人、信頼できる葵にそう打ち明けた。
―――
夏子の人生を変えたひまわりの絵。
それは今も押入れで誇らしげに咲いている。
現在 公認イベント事務局さん 春雨さん ぞたさん ホルスさん が入室してます。(4人)
【総発言数:843】
[327122]ホルス[豪傑]
おー、そっちの方が良いですね。書き換えときます。 タイトルは、「下町アビューズ」「夏子を食らうサトゥルヌス」「サイレントメッセージ」に投票します。
[17年08月21日 13:03]
おー、そっちの方が良いですね。書き換えときます。 タイトルは、「下町アビューズ」「夏子を食らうサトゥルヌス」「サイレントメッセージ」に投票します。
[17年08月21日 13:03]
[327120]春雨[豪傑]
あと因果で果の方にインパクトある場合は後に記述したほうがチャーム上がりそう?と思ってます。
↓の下の方。どうでしょ?
夏子が祖母から虐待を受けるようになったのは、保育園の先生に絵を褒められたことが原因だという。
一体どういうことだろう?
夏子は保育園の先生に絵を褒められたことがきっかけで、祖母から虐待を受けるようになったという。
一体どういうことだろう?
[17年08月21日 12:46]
あと因果で果の方にインパクトある場合は後に記述したほうがチャーム上がりそう?と思ってます。
↓の下の方。どうでしょ?
夏子が祖母から虐待を受けるようになったのは、保育園の先生に絵を褒められたことが原因だという。
一体どういうことだろう?
夏子は保育園の先生に絵を褒められたことがきっかけで、祖母から虐待を受けるようになったという。
一体どういうことだろう?
[17年08月21日 12:46]
[327061]ホルス[豪傑]
おじいちゃんを登場させると、「おじいちゃんも無視してるの?」ってことになると思ったので、いないことにしました。それと、「好きな絵を書いてください。」と言われて、虐待をする母親の絵を好んで描くかなと思ったので、冒頭も少し変えました。
何か気になることがあれば、書いといてください。改善案も出来ればお願いします。内容によっては明日(もう今日か)修正するかもしれません。
[17年08月21日 00:52]
おじいちゃんを登場させると、「おじいちゃんも無視してるの?」ってことになると思ったので、いないことにしました。それと、「好きな絵を書いてください。」と言われて、虐待をする母親の絵を好んで描くかなと思ったので、冒頭も少し変えました。
何か気になることがあれば、書いといてください。改善案も出来ればお願いします。内容によっては明日(もう今日か)修正するかもしれません。
[17年08月21日 00:52]
[326994]ホルス[豪傑]
それでは、カメコ⇒夏子、ウミコ⇒海子として解説を修正します。
質問制限ですが無しで良いと思います。まあ、出題してくださるのは春雨さんですから、最終的には春雨さんの判断で。
[17年08月20日 23:31]
それでは、カメコ⇒夏子、ウミコ⇒海子として解説を修正します。
質問制限ですが無しで良いと思います。まあ、出題してくださるのは春雨さんですから、最終的には春雨さんの判断で。
[17年08月20日 23:31]
[326931]ぞた[豪傑]
今日の猛者スープは質問制限の注意文書いてないし、うちも書かなくて良いかな~と思います。
注意の文言が問題欄の半分以上を占拠しそうなので
[17年08月20日 22:11]
今日の猛者スープは質問制限の注意文書いてないし、うちも書かなくて良いかな~と思います。
注意の文言が問題欄の半分以上を占拠しそうなので
[17年08月20日 22:11]
[326794]ホルス[豪傑]
春雨さんがまとめてくださった解説ですが、「後で後悔」とかいうおかしな日本語など、全体的にブラッシュアップされてて良いと思いますが、いくつか気になったことが。
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ。」の最後に「!」がついていますが、先生はカメコに強い口調で言うかなぁ、と思ったのと、カメコの絵が褒められる場面がカメコ目線と神目線の二つありますが、どういう狙いなのか気になりました。
それと問題文ですが、よくよく考えれば、カメコが祖母から虐待を受けるようになったのは、絵を褒められたのが直接の原因ではないので、
「カメコが祖母から虐待を受けるようになったのは、保育園の先生に絵を褒められたことが原因だという。
一体どういうことだろう?」
の方がしっくり来るかなぁ、と思いました。
326676>要約はあった方が良いと思います。ただ私が書いたように⇒で繋いでいくよりも、きちんと文章にした方が良いと思うので、今から作ります。
326704>私も調べましたが、逮捕された事案は結構あるようなので問題ないかなと。
326713>ありがとうございます。上に追加しました。
いっぱい喋って申しわけないです。(>w< )
[17年08月20日 14:28]
春雨さんがまとめてくださった解説ですが、「後で後悔」とかいうおかしな日本語など、全体的にブラッシュアップされてて良いと思いますが、いくつか気になったことが。
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ。」の最後に「!」がついていますが、先生はカメコに強い口調で言うかなぁ、と思ったのと、カメコの絵が褒められる場面がカメコ目線と神目線の二つありますが、どういう狙いなのか気になりました。
それと問題文ですが、よくよく考えれば、カメコが祖母から虐待を受けるようになったのは、絵を褒められたのが直接の原因ではないので、
「カメコが祖母から虐待を受けるようになったのは、保育園の先生に絵を褒められたことが原因だという。
一体どういうことだろう?」
の方がしっくり来るかなぁ、と思いました。
326676>要約はあった方が良いと思います。ただ私が書いたように⇒で繋いでいくよりも、きちんと文章にした方が良いと思うので、今から作ります。
326704>私も調べましたが、逮捕された事案は結構あるようなので問題ないかなと。
326713>ありがとうございます。上に追加しました。
いっぱい喋って申しわけないです。(>w< )
[17年08月20日 14:28]
[326782]ホルス[豪傑]
伏線のためだけなのか、混雑を防ぐ目的もあったのか分かりませんね。
名前ですがカメコやカメオよりは、漢字を使った名前の方が重厚感が出て良いかもしれません。
[17年08月20日 13:25]
伏線のためだけなのか、混雑を防ぐ目的もあったのか分かりませんね。
名前ですがカメコやカメオよりは、漢字を使った名前の方が重厚感が出て良いかもしれません。
[17年08月20日 13:25]
[326769]春雨[豪傑]
あ、MVS読んで把握した
解説に
>上手く発音できないので1人2問まで、ゆっくり回答します。(´・ω・`)
ってあるから、あの問題はそれも伏線に使ったってだけか
[17年08月20日 11:39]
あ、MVS読んで把握した
解説に
>上手く発音できないので1人2問まで、ゆっくり回答します。(´・ω・`)
ってあるから、あの問題はそれも伏線に使ったってだけか
[17年08月20日 11:39]
[326767]ホルス[豪傑]
うーん、どうでしょうね?今日の問題にも書かれてあれば便乗することにしましょうか。 ちなみに、昨日参加してみましたが去年ほど混雑してませんでしたね。
[17年08月20日 11:30]
うーん、どうでしょうね?今日の問題にも書かれてあれば便乗することにしましょうか。 ちなみに、昨日参加してみましたが去年ほど混雑してませんでしたね。
[17年08月20日 11:30]
[326766]春雨[豪傑]
あと問題文の
※これは猛者のスープです。
たくさんの質問により混雑が予想されますのでスムーズに進行するために
質問は1人2問、こちらが回答してからまた質問をされますよう
ご理解のほどをお願いします。
何も言われてないんだけど要るんかな
[17年08月20日 11:17]
あと問題文の
※これは猛者のスープです。
たくさんの質問により混雑が予想されますのでスムーズに進行するために
質問は1人2問、こちらが回答してからまた質問をされますよう
ご理解のほどをお願いします。
何も言われてないんだけど要るんかな
[17年08月20日 11:17]
[326765]春雨[豪傑]
私は名前はいつもオリジナルにしてるけど変換しやすいのが良いですね
(海祐とか不評だった気がする)
登場人物がカメコ・先生・母・祖母なので記号的なのもアリかなとは思うけど
[17年08月20日 11:15]
私は名前はいつもオリジナルにしてるけど変換しやすいのが良いですね
(海祐とか不評だった気がする)
登場人物がカメコ・先生・母・祖母なので記号的なのもアリかなとは思うけど
[17年08月20日 11:15]
[326750]ホルス[豪傑]
そうですね。結婚のくだりはなしということでしたら、別に男とも女ともとれる名前にする必要はなくなりますね。 皆さんはどっちが好きです?
結婚のくだりは別にそこまでこだわってないので、あってもなくても良いですよ。
ただ、なしとなると、最後の児童養護施設の場面がちょっとあっさりしてる気がするので、もうちょっと肉付けしたいような感じもしますね。
[17年08月20日 08:43]
そうですね。結婚のくだりはなしということでしたら、別に男とも女ともとれる名前にする必要はなくなりますね。 皆さんはどっちが好きです?
結婚のくだりは別にそこまでこだわってないので、あってもなくても良いですよ。
ただ、なしとなると、最後の児童養護施設の場面がちょっとあっさりしてる気がするので、もうちょっと肉付けしたいような感じもしますね。
[17年08月20日 08:43]
[326693]春雨[豪傑]
◆要約◆
先生がカメコの絵を褒めるため頭を撫でようとしたら、カメコは手で頭を庇おうとした。
⇒それを見た先生はカメコは虐待を受けているのではないかと思った。
⇒親から虐待を受けていることが発覚し、隔離された。
⇒カメコは祖母に引き取られたものの、祖母は娘が逮捕された腹いせにカメコを虐待するようになった。
―――
「自分の好きなものを絵に描いてみましょう」
葵先生がそう言ったので、私はパパが居なくなる前の私たち三人家族を描いた。
パパのお顔を思い出しながら一生懸命描いていると、いつの間にか先生が傍に立っていた。
「うわー、カメコちゃんお上手な絵だねー」
褒められて嬉しかったけど、急に先生がママみたいに手を振り上げて私を叩こうとしてきたので、とっさに手で顔をかばった。
いけない、避けようとするとママはもっとひどく私を叩くんだった。
そう思い出してそっと腕の間から先生を覗くと、先生は驚いたような目で私を見ていた。
―――
「うわー、カメコちゃんお上手な絵だねー」
葵がカメコの頭を撫でて褒めようとすると、カメコは#b#手で頭をかばった。#/b#
(この反射的な動作……もしかして、#red#虐待#/red#を受けてる?)
その日の夕方、次々と子供を迎えに親が来る中、カメコの親はなかなか迎えに来ず、迎えに来たのは最後。
ようやく親が迎えに来てくれたというのに、カメコはどこか悲しげだった。
(そういえば、カメコちゃんがお母さんと楽しそうに喋っているところってあんまり……)
疑念を疑念のままで放っておいて後悔したくないと思った葵は、帰りにカメコの自宅を訪れることにした。
保育園から歩くこと約15分。
商店街を抜けた先にある古びたアパートの3階にカメコの自宅はあった。
葵はあらかじめ取っておいたカメコの黄色のクレヨンをバッグから取り出し、インターフォンを押した。
「あの、水平保育園の山崎葵ですけど、カメコちゃんが忘れ物をしていたので届けに来ました」
「えっ……はい、今行きます」
2分ほど経ってようやくドアが開き、カメコの母親であるウミコが現れた。
「こんばんは。これ、カメコちゃんが忘れていたので……」
「何でわざわざ……明日渡してくれたら良くないですか?」
「帰り道なので、ついでにと思いまして……。あっ、カメコちゃん居ます?」
「何かカメコに用があるんですか?」
「いや……」
「カメコはもう寝ました。じゃあ、先生ありがとうございました。さようなら」
「あっ、さよう……」
葵が「さようなら」と言い切らない内に、ウミコはドアを閉めてしまった。
何だか家に来てほしくなかったかのような対応だ。
疑念はさらに深まる一方……。
でも証拠がない以上これが精一杯だった。
葵は家路につくことにした。
とその時、
「あんた、クレヨン保育園に忘れたでしょ!なんでちゃんと持って帰ってこれないの!」
「ママ、ウウッ、ゴメンなさい……。ヒクッ、ゴメンなさい……」
泣きながら謝る少女の声が聞こえる。
カメコだ。
「カメコちゃん大丈夫!?」
葵は必死にドアを叩いた。
「あっ……!先生、何ですか!?」
怯えた様子のウミコがドアから顔を覗かせた。
「今、カメコちゃんが泣いているのが聞こえましたけど……。実は今日、保育園でカメコちゃんの頭を撫でようとしたら、カメコちゃんは頭を庇おうとして……。もしかして……」
「……」
「ちょっと失礼します!」
「えっ……」
ウミコを強引に押しのけ、家の中へ入っていくと、リビングに体育座りをして泣いているカメコの姿があった。
葵はカメコに駆け寄り、ギュッと抱きしめると、そっと服をめくり上げて背中を見た。
きっとウミコに虐待をされたのだろう、そこにはいくつもの痣があった。
「これ、お母さんがやったんですよね?」
「これは……」
「ママは悪くない!私が良い子じゃないから……良い子じゃないのがいけないの……」
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ!」
「虐待なんかしてません。この前カメコがお風呂ではしゃいで転んで背中をぶつけたんです。ねぇ、カメコ?」
「うん……。」
「痣は古いものから新しいものまでありますよ。何度も転んだって言うんですか?……これからもこんな生活を続けていくんですか?」
「……これが私のしつけ方なんです!カメコもそれを理解してくれてるはずです!先生にとやかく言われたくありません!」
「本当にカメコちゃんのためになると思ってるんですか?あなたのやっていることはただの犯罪ですよ!このまま帰るわけには行きませんし、警察を呼ぶことにします!」
「ちょっと待って先生!」
葵の腕を掴み必死に抵抗するウミコを払いのけ、葵は警察に電話をかけた。
数分後、警察官はやって来た。
泣きじゃくるカメコとウミコ、そして葵を乗せたパトカーが
暗闇へと消えていった――。
―――
その後、水平保育園から20分ほどのところにあるおばあちゃんの家で生活することになったカメコ。
「もう大丈夫」
私を迎えに来た時、おじいちゃんはそう言っていたけど、おばあちゃんはただじっと私を見ていた。
その少し茶色がかった吊り目は、ママによく似ていた。
「あんたのせいでウミコは逮捕されたのよ!あんたが良い子にしてないから!」
「あら、カメコの分の晩御飯作るの忘れちゃったわー」
「3日間旅行に行って来るからじっと家にいなさいね」
もはやおばあちゃんはカメコが知っている#b#優しいおばあちゃん#/b#ではなく、
娘が逮捕された憎しみから#b#復讐の鬼#/b#と化していた。
暴力こそ振るわれないものの、ネグレクトを受ける日々。
#b#でもカメコは以前とは違った。#/b#
「せんせー、たすけて。おばあちゃんが変わっちゃった。わたし、あんなおばあちゃん嫌!」
カメコは、たった一人、信頼できる葵にそう打ち明けた。
―――
頼れる身寄りがないカメコは児童養護施設で暮らすことになった。
一日に三度の食事、清潔な服装、そして暴力のない生活、
カメコはようやく当たり前の日常を手に入れることができた。
―――
――――――
―――――――――
「ねえ葵さん……私、妊娠したみたい。」
「えっ、ほんと?やったー!」
「私、ちゃんと子供を育てられるかしら……」
「大丈夫だよ。人の心の痛みが人一倍分かる君ならきっと良いお母さんになるよ」
「ありがとう、葵さん」
[17年08月20日 01:41]
◆要約◆
先生がカメコの絵を褒めるため頭を撫でようとしたら、カメコは手で頭を庇おうとした。
⇒それを見た先生はカメコは虐待を受けているのではないかと思った。
⇒親から虐待を受けていることが発覚し、隔離された。
⇒カメコは祖母に引き取られたものの、祖母は娘が逮捕された腹いせにカメコを虐待するようになった。
―――
「自分の好きなものを絵に描いてみましょう」
葵先生がそう言ったので、私はパパが居なくなる前の私たち三人家族を描いた。
パパのお顔を思い出しながら一生懸命描いていると、いつの間にか先生が傍に立っていた。
「うわー、カメコちゃんお上手な絵だねー」
褒められて嬉しかったけど、急に先生がママみたいに手を振り上げて私を叩こうとしてきたので、とっさに手で顔をかばった。
いけない、避けようとするとママはもっとひどく私を叩くんだった。
そう思い出してそっと腕の間から先生を覗くと、先生は驚いたような目で私を見ていた。
―――
「うわー、カメコちゃんお上手な絵だねー」
葵がカメコの頭を撫でて褒めようとすると、カメコは#b#手で頭をかばった。#/b#
(この反射的な動作……もしかして、#red#虐待#/red#を受けてる?)
その日の夕方、次々と子供を迎えに親が来る中、カメコの親はなかなか迎えに来ず、迎えに来たのは最後。
ようやく親が迎えに来てくれたというのに、カメコはどこか悲しげだった。
(そういえば、カメコちゃんがお母さんと楽しそうに喋っているところってあんまり……)
疑念を疑念のままで放っておいて後悔したくないと思った葵は、帰りにカメコの自宅を訪れることにした。
保育園から歩くこと約15分。
商店街を抜けた先にある古びたアパートの3階にカメコの自宅はあった。
葵はあらかじめ取っておいたカメコの黄色のクレヨンをバッグから取り出し、インターフォンを押した。
「あの、水平保育園の山崎葵ですけど、カメコちゃんが忘れ物をしていたので届けに来ました」
「えっ……はい、今行きます」
2分ほど経ってようやくドアが開き、カメコの母親であるウミコが現れた。
「こんばんは。これ、カメコちゃんが忘れていたので……」
「何でわざわざ……明日渡してくれたら良くないですか?」
「帰り道なので、ついでにと思いまして……。あっ、カメコちゃん居ます?」
「何かカメコに用があるんですか?」
「いや……」
「カメコはもう寝ました。じゃあ、先生ありがとうございました。さようなら」
「あっ、さよう……」
葵が「さようなら」と言い切らない内に、ウミコはドアを閉めてしまった。
何だか家に来てほしくなかったかのような対応だ。
疑念はさらに深まる一方……。
でも証拠がない以上これが精一杯だった。
葵は家路につくことにした。
とその時、
「あんた、クレヨン保育園に忘れたでしょ!なんでちゃんと持って帰ってこれないの!」
「ママ、ウウッ、ゴメンなさい……。ヒクッ、ゴメンなさい……」
泣きながら謝る少女の声が聞こえる。
カメコだ。
「カメコちゃん大丈夫!?」
葵は必死にドアを叩いた。
「あっ……!先生、何ですか!?」
怯えた様子のウミコがドアから顔を覗かせた。
「今、カメコちゃんが泣いているのが聞こえましたけど……。実は今日、保育園でカメコちゃんの頭を撫でようとしたら、カメコちゃんは頭を庇おうとして……。もしかして……」
「……」
「ちょっと失礼します!」
「えっ……」
ウミコを強引に押しのけ、家の中へ入っていくと、リビングに体育座りをして泣いているカメコの姿があった。
葵はカメコに駆け寄り、ギュッと抱きしめると、そっと服をめくり上げて背中を見た。
きっとウミコに虐待をされたのだろう、そこにはいくつもの痣があった。
「これ、お母さんがやったんですよね?」
「これは……」
「ママは悪くない!私が良い子じゃないから……良い子じゃないのがいけないの……」
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ!」
「虐待なんかしてません。この前カメコがお風呂ではしゃいで転んで背中をぶつけたんです。ねぇ、カメコ?」
「うん……。」
「痣は古いものから新しいものまでありますよ。何度も転んだって言うんですか?……これからもこんな生活を続けていくんですか?」
「……これが私のしつけ方なんです!カメコもそれを理解してくれてるはずです!先生にとやかく言われたくありません!」
「本当にカメコちゃんのためになると思ってるんですか?あなたのやっていることはただの犯罪ですよ!このまま帰るわけには行きませんし、警察を呼ぶことにします!」
「ちょっと待って先生!」
葵の腕を掴み必死に抵抗するウミコを払いのけ、葵は警察に電話をかけた。
数分後、警察官はやって来た。
泣きじゃくるカメコとウミコ、そして葵を乗せたパトカーが
暗闇へと消えていった――。
―――
その後、水平保育園から20分ほどのところにあるおばあちゃんの家で生活することになったカメコ。
「もう大丈夫」
私を迎えに来た時、おじいちゃんはそう言っていたけど、おばあちゃんはただじっと私を見ていた。
その少し茶色がかった吊り目は、ママによく似ていた。
「あんたのせいでウミコは逮捕されたのよ!あんたが良い子にしてないから!」
「あら、カメコの分の晩御飯作るの忘れちゃったわー」
「3日間旅行に行って来るからじっと家にいなさいね」
もはやおばあちゃんはカメコが知っている#b#優しいおばあちゃん#/b#ではなく、
娘が逮捕された憎しみから#b#復讐の鬼#/b#と化していた。
暴力こそ振るわれないものの、ネグレクトを受ける日々。
#b#でもカメコは以前とは違った。#/b#
「せんせー、たすけて。おばあちゃんが変わっちゃった。わたし、あんなおばあちゃん嫌!」
カメコは、たった一人、信頼できる葵にそう打ち明けた。
―――
頼れる身寄りがないカメコは児童養護施設で暮らすことになった。
一日に三度の食事、清潔な服装、そして暴力のない生活、
カメコはようやく当たり前の日常を手に入れることができた。
―――
――――――
―――――――――
「ねえ葵さん……私、妊娠したみたい。」
「えっ、ほんと?やったー!」
「私、ちゃんと子供を育てられるかしら……」
「大丈夫だよ。人の心の痛みが人一倍分かる君ならきっと良いお母さんになるよ」
「ありがとう、葵さん」
[17年08月20日 01:41]
[326479]ホルス[豪傑]
終わり方は難しいですね。私の解説ですが完成させました。326388を編集しましたので、詳しくはそちらで。一部変更もしました。最後は先生が男という意外性とまさかの展開を狙ったんですけど、余計かも。
[17年08月19日 16:59]
終わり方は難しいですね。私の解説ですが完成させました。326388を編集しましたので、詳しくはそちらで。一部変更もしました。最後は先生が男という意外性とまさかの展開を狙ったんですけど、余計かも。
[17年08月19日 16:59]
[326413]ぞた[豪傑]
「自分の好きなものを絵に描いてみましょう」
先生がそう言ったので、私はパパがいなくなる前の私たち三人家族を描いた。
パパのお顔を思い出しながら一生懸命描いていると、いつの間にか先生がそばに立っていた。
「絵がお上手ね」
褒められて嬉しかったけど、急に先生がママみたいに手を振り上げて私を叩こうとしてきたので、とっさに手で顔をかばう。
いけない、避けようとするとママはもっとひどく私を叩くんだった。
そう思い出してそっと腕の間から先生を覗くと、先生は驚いたような目で私を見ていた。
それからは忙しくってあまりよく覚えていない。
先生が私の手を引いてひげのおじさんのところに連れて行ったこと。
おうちのことをおじさんがたくさん聞いてきたこと。
私はママと離れて、田舎のおばあちゃんとおじいちゃんの家でしばらく暮らすと決められたこと。
「もう大丈夫」
私を迎えに来た時、おじいちゃんはそう言っていたけど、おばあちゃんはただじっと私を見ていた。
その少し茶色がかった吊り目は、ママによく似ていた。
「幼稚園はどこも遠くて通えなくなっちゃったけど、おじいちゃんたちと一緒に暮らそうな」
おじいちゃんは太陽の出ている間は畑に行く。
おばあちゃんはママよりも強く私を叩く。
「お前がいたせいであの子は!」
私は今も、三人家族の絵を描いている。
[17年08月18日 22:55]
「自分の好きなものを絵に描いてみましょう」
先生がそう言ったので、私はパパがいなくなる前の私たち三人家族を描いた。
パパのお顔を思い出しながら一生懸命描いていると、いつの間にか先生がそばに立っていた。
「絵がお上手ね」
褒められて嬉しかったけど、急に先生がママみたいに手を振り上げて私を叩こうとしてきたので、とっさに手で顔をかばう。
いけない、避けようとするとママはもっとひどく私を叩くんだった。
そう思い出してそっと腕の間から先生を覗くと、先生は驚いたような目で私を見ていた。
それからは忙しくってあまりよく覚えていない。
先生が私の手を引いてひげのおじさんのところに連れて行ったこと。
おうちのことをおじさんがたくさん聞いてきたこと。
私はママと離れて、田舎のおばあちゃんとおじいちゃんの家でしばらく暮らすと決められたこと。
「もう大丈夫」
私を迎えに来た時、おじいちゃんはそう言っていたけど、おばあちゃんはただじっと私を見ていた。
その少し茶色がかった吊り目は、ママによく似ていた。
「幼稚園はどこも遠くて通えなくなっちゃったけど、おじいちゃんたちと一緒に暮らそうな」
おじいちゃんは太陽の出ている間は畑に行く。
おばあちゃんはママよりも強く私を叩く。
「お前がいたせいであの子は!」
私は今も、三人家族の絵を描いている。
[17年08月18日 22:55]
[326388]ホルス[豪傑]
「せんせー、これみて~」
そう言って、葵にひまわりの絵を見せるカメコ。
その絵は他の保育園児が描いたものよりもはるかに上手かった。
「うわー、カメコちゃん綺麗なひまわりの絵だね~」
葵がカメコの頭を撫でて褒めようとすると、カメコは#b#手で頭を庇った。#/b#
(この反射的な動作……もしかして、#red#虐待#/red#を受けてる?)
その日の夕方、次々と子供を迎えに親が来る中、カメコの親はなかなか迎えに来ず、迎えに来たのは一番最後。
ようやく親が迎えに来てくれたというのに、カメコはどこか悲しげだった。
(そういえば、カメコちゃんがお母さんと楽しそうに喋っているところってあんまり……)
疑念を疑念のままで放っておいて後で後悔したくないと思った葵は、帰りにカメコの自宅を訪れることにした。
保育園から歩くこと約15分。
商店街を抜けた先にある古びたアパートの3階にカメコの自宅はあった。
葵はあらかじめ取っておいたカメコの黄色のクレヨンをバッグから取り出し、インターフォンを押した。
「あの、水平保育園の山崎葵ですけど、カメコちゃんが忘れ物をしていたので届けに来ました。」
「えっ……はい、今いきます。」
何をしているのか2分ほど経ってようやくドアが開き、カメコの母親であるウミコが現れた。
「こんばんは。これ、カメコちゃんが忘れていたので……。」
「なんでわざわざ……明日渡してくれたら良くないですか?」
「帰り道なんで、ついでにと思いまして……。あっ、カメコちゃんいます?」
「何かカメコに用があるんですか?」
「いや……」
「カメコはもう寝ました。じゃあ、先生ありがとうございました。さようなら。」
「あっ、さよう……」
葵が「さようなら」と言い切らないうちに、ウミコはドアを閉めてしまった。
何だか家に来てほしくなかったかのような対応だ。
疑念はさらに深まる一方……。
でも証拠がない以上これが精一杯だった。
葵は家路につくことにした。
とその時、
「あんた、クレヨン保育園に忘れたでしょ!なんでちゃんと持って帰ってこれないの!」
「ママ、ウウッ、ゴメンなさい……。ヒクッ、ゴメンなさい……。」
泣きながら謝る少女の声が聞こえる。
カメコだ。
「カメコちゃん大丈夫!?」
葵は必死にドアを叩いた。
「あっ……先生、何ですか?」
怯えた様子のウミコがドアから顔を覗かせた。
「今、カメコちゃんが泣いているのが聞こえましたけど……。実は今日、保育園でカメコちゃんの頭を撫でようとしたら、カメコちゃんは頭を庇おうとして……。もしかして虐待を……」
「・・・・・・」
「ちょっと失礼します。」
「えっ……」
葵がウミコを強引に押しのけ、家の中へ入っていくと、リビングに体育座りをして泣いているカメコの姿があった。
葵はカメコに駆け寄り、ギュッと抱きしめると、そっと服をめくり上げて背中を見た。
きっとウミコに虐待をされたのだろう、そこにはいくつものあざ
があった。
「これ、お母さんがやったんですよね?」
「これは……」
「ママは悪くない!私が良い子じゃないから……良い子じゃないのがいけないの……。」
虐待を受けている子供は、「親にこれ以上嫌われたくない」と思い、親を庇うことがあるという。
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ。」
「虐待なんかしてません。この前カメコがお風呂ではしゃいで転んで背中をぶつけたんです。ねぇ、カメコ?」
「うん……。」
「あざは古いものから新しいものまでありますよ。何度も転んだって言うんですか?……これからもこんな生活を続けていくんですか?」
「・・・・・・これが私のしつけ方なんです!カメコもそれを理解してくれてるはずです!先生にとやかく言われたくありません!」
「本当にカメコちゃんのためになると思ってるんですか?あなたのやっていることはただの犯罪ですよ!このまま帰るわけには行きませんし、警察を呼ぶことにします。」
「ちょっと待って先生!」
葵の腕を掴み必死に抵抗するウミコを払いのけ、葵は警察に電話をかけた。
数分後、警察官はやって来た。
泣きじゃくるカメコとウミコ、そして葵を乗せたパトカーが
暗闇へと消えていったーー。
ーーーーーーーーーーーーーー
その後、水平保育園から20分ほどのところにあるおばあちゃんの家で生活することになったカメコ。
ようやく平穏な日々が送れるかと思われたのだが……。
「あんたのせいでウミコは逮捕されたのよ!あんたが良い子にしてないから!」
「あら、カメコの分の晩御飯作るの忘れちゃったわ~」
「3日間旅行に行って来るからじっと家にいなさいね。」
もはや祖母はカメコが知っている#b#優しい祖母#/b#ではなく、娘が逮捕された憎しみから#b#復讐の鬼#/b#と化していた。
暴力こそ振るわれないものの、ネグレクトを受ける日々。
でもカメコは以前とは違った。
「せんせー、たすけて。おばあちゃんがかわっちゃった。わたし、あんなおばあちゃんいやだ。」
カメコは、たった一人、信頼できる葵にそう打ち明けた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
頼れる身寄りがないカメコは児童養護施設で暮らすことになった。
一日に三度の食事、清潔な服装、そして暴力のない生活、
カメコはようやく当たり前の日常を手に入れることができた。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ねえ葵さん……私、妊娠したみたい。」
「えっ、ほんと?やったー!」
「私、ちゃんと子供を育てられるかしら……。」
「大丈夫だよ。人の心の痛みが人一倍分かる君ならきっと良いお母さんになるよ。」
「ありがとう、葵さん。」
[17年08月18日 18:19]
「せんせー、これみて~」
そう言って、葵にひまわりの絵を見せるカメコ。
その絵は他の保育園児が描いたものよりもはるかに上手かった。
「うわー、カメコちゃん綺麗なひまわりの絵だね~」
葵がカメコの頭を撫でて褒めようとすると、カメコは#b#手で頭を庇った。#/b#
(この反射的な動作……もしかして、#red#虐待#/red#を受けてる?)
その日の夕方、次々と子供を迎えに親が来る中、カメコの親はなかなか迎えに来ず、迎えに来たのは一番最後。
ようやく親が迎えに来てくれたというのに、カメコはどこか悲しげだった。
(そういえば、カメコちゃんがお母さんと楽しそうに喋っているところってあんまり……)
疑念を疑念のままで放っておいて後で後悔したくないと思った葵は、帰りにカメコの自宅を訪れることにした。
保育園から歩くこと約15分。
商店街を抜けた先にある古びたアパートの3階にカメコの自宅はあった。
葵はあらかじめ取っておいたカメコの黄色のクレヨンをバッグから取り出し、インターフォンを押した。
「あの、水平保育園の山崎葵ですけど、カメコちゃんが忘れ物をしていたので届けに来ました。」
「えっ……はい、今いきます。」
何をしているのか2分ほど経ってようやくドアが開き、カメコの母親であるウミコが現れた。
「こんばんは。これ、カメコちゃんが忘れていたので……。」
「なんでわざわざ……明日渡してくれたら良くないですか?」
「帰り道なんで、ついでにと思いまして……。あっ、カメコちゃんいます?」
「何かカメコに用があるんですか?」
「いや……」
「カメコはもう寝ました。じゃあ、先生ありがとうございました。さようなら。」
「あっ、さよう……」
葵が「さようなら」と言い切らないうちに、ウミコはドアを閉めてしまった。
何だか家に来てほしくなかったかのような対応だ。
疑念はさらに深まる一方……。
でも証拠がない以上これが精一杯だった。
葵は家路につくことにした。
とその時、
「あんた、クレヨン保育園に忘れたでしょ!なんでちゃんと持って帰ってこれないの!」
「ママ、ウウッ、ゴメンなさい……。ヒクッ、ゴメンなさい……。」
泣きながら謝る少女の声が聞こえる。
カメコだ。
「カメコちゃん大丈夫!?」
葵は必死にドアを叩いた。
「あっ……先生、何ですか?」
怯えた様子のウミコがドアから顔を覗かせた。
「今、カメコちゃんが泣いているのが聞こえましたけど……。実は今日、保育園でカメコちゃんの頭を撫でようとしたら、カメコちゃんは頭を庇おうとして……。もしかして虐待を……」
「・・・・・・」
「ちょっと失礼します。」
「えっ……」
葵がウミコを強引に押しのけ、家の中へ入っていくと、リビングに体育座りをして泣いているカメコの姿があった。
葵はカメコに駆け寄り、ギュッと抱きしめると、そっと服をめくり上げて背中を見た。
きっとウミコに虐待をされたのだろう、そこにはいくつものあざ
があった。
「これ、お母さんがやったんですよね?」
「これは……」
「ママは悪くない!私が良い子じゃないから……良い子じゃないのがいけないの……。」
虐待を受けている子供は、「親にこれ以上嫌われたくない」と思い、親を庇うことがあるという。
「カメコちゃん、叩かれたりして痛かったでしょ?別に我慢しなくていいんだよ。」
「虐待なんかしてません。この前カメコがお風呂ではしゃいで転んで背中をぶつけたんです。ねぇ、カメコ?」
「うん……。」
「あざは古いものから新しいものまでありますよ。何度も転んだって言うんですか?……これからもこんな生活を続けていくんですか?」
「・・・・・・これが私のしつけ方なんです!カメコもそれを理解してくれてるはずです!先生にとやかく言われたくありません!」
「本当にカメコちゃんのためになると思ってるんですか?あなたのやっていることはただの犯罪ですよ!このまま帰るわけには行きませんし、警察を呼ぶことにします。」
「ちょっと待って先生!」
葵の腕を掴み必死に抵抗するウミコを払いのけ、葵は警察に電話をかけた。
数分後、警察官はやって来た。
泣きじゃくるカメコとウミコ、そして葵を乗せたパトカーが
暗闇へと消えていったーー。
ーーーーーーーーーーーーーー
その後、水平保育園から20分ほどのところにあるおばあちゃんの家で生活することになったカメコ。
ようやく平穏な日々が送れるかと思われたのだが……。
「あんたのせいでウミコは逮捕されたのよ!あんたが良い子にしてないから!」
「あら、カメコの分の晩御飯作るの忘れちゃったわ~」
「3日間旅行に行って来るからじっと家にいなさいね。」
もはや祖母はカメコが知っている#b#優しい祖母#/b#ではなく、娘が逮捕された憎しみから#b#復讐の鬼#/b#と化していた。
暴力こそ振るわれないものの、ネグレクトを受ける日々。
でもカメコは以前とは違った。
「せんせー、たすけて。おばあちゃんがかわっちゃった。わたし、あんなおばあちゃんいやだ。」
カメコは、たった一人、信頼できる葵にそう打ち明けた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
頼れる身寄りがないカメコは児童養護施設で暮らすことになった。
一日に三度の食事、清潔な服装、そして暴力のない生活、
カメコはようやく当たり前の日常を手に入れることができた。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ねえ葵さん……私、妊娠したみたい。」
「えっ、ほんと?やったー!」
「私、ちゃんと子供を育てられるかしら……。」
「大丈夫だよ。人の心の痛みが人一倍分かる君ならきっと良いお母さんになるよ。」
「ありがとう、葵さん。」
[17年08月18日 18:19]
[326302]ホルス[豪傑]
ていうか、「欲張りセットベースか、原題ベースかで考えて」って言ってからなーなーになってますけど、もう欲張りセットベースで決定なんですかね?
[17年08月17日 23:04]
ていうか、「欲張りセットベースか、原題ベースかで考えて」って言ってからなーなーになってますけど、もう欲張りセットベースで決定なんですかね?
[17年08月17日 23:04]
[326300]ホルス[豪傑]
今、先生が警察を呼んでカメコの母親が窮地に立たされているところです。この後、カメコが祖母に引き取られてまた虐待されるなんてかわいそうで書けないかもw
[17年08月17日 22:59]
今、先生が警察を呼んでカメコの母親が窮地に立たされているところです。この後、カメコが祖母に引き取られてまた虐待されるなんてかわいそうで書けないかもw
[17年08月17日 22:59]
[325812]公認イベント事務局
こんばんは
お約束した通り日程が決まりましたのでお伝えいたします。
あなたのチームの出題日は8月21日(月)と決まりました。
それではよろしくお願いいたします。
追記
代表者様にはポトフのIDと注意事項のミニメをお送りいたしましたのでご確認ください。
[17年08月14日 01:08]
こんばんは
お約束した通り日程が決まりましたのでお伝えいたします。
あなたのチームの出題日は8月21日(月)と決まりました。
それではよろしくお願いいたします。
追記
代表者様にはポトフのIDと注意事項のミニメをお送りいたしましたのでご確認ください。
[17年08月14日 01:08]