君が酒場の扉を開けると同時に活気のあるけたたましい喧騒の音が聞こえてきた。
時刻は夜、酒場は仕事を終えた様々な人間であふれかえっている。
こう騒がしいのは本来あまり好きな方ではないが長い旅の途中立ち寄った久々の大きい街
と言う事もあって人恋しさが湧き上がってこの場所に足を運ばせたのだ。
カウンターで座り、しばらくの間ちびちび酒を飲んでいると冒険者風の一人の男が話しかけてきた。
男はモリーと名乗りこの辺では「歯無し」と言う二つ名で通っていると言うと
ニッと笑って見せた、その異名の通り前歯が二本無くそれがこのゴツイ男に妙な愛嬌を持たせている。
その男の陽気な雰囲気に釣られて君もニッと笑い返した。
君が自己紹介と旅についての話をし、軽くこの辺の地理や情報の交換をした後
モリーは終わったばかりの仕事のグチをこぼし出した。
「…でだ、俺と仲間がその何十匹もいるゴブリンどもを蹴散らしてやって村に平和をもたらしてやったのに
あのドケチの因業商人の野郎はいきなり怒り出して金なんて払わねぇなんて言って報酬を踏み倒しに来たワケよ!
当然俺は断固たる態度で一喝したんだが、今度は報酬を払うことは払うが値切ってこようとしやがった。
俺が最後の切り札として冒険者ギルドに報告して制裁を受けてもらうぞと脅してやっと折れたんだよ。
ったく大群のゴブリンを倒すよりアイツ一人と話す方がよっぽど体力使ったぜ。」
モリーがそこまで話し終わった時、酒場の店主がクククと笑いをもらした。
どうやらこちらの話に聞き耳を立てていたらしい。
店主「いや、俺もあんたが来る前にソイツの話を聞いたけどよ、その話の真相というか裏話が笑えるんだよ。」
モリー「そりゃないぜ店長、こっちは命がけでゴブリン退治をしてきたんだぜ。」
事件の真相とはいったいなんなんだろう?
【ウミガメ】
謎を解決してくれる冒険者求む!
そのゴブリンは、商人の仲間・配下等でしたか?
no、モリー「おお、その発想は無かったわ!俺様に報酬を払おうとしないとんでもない悪人だ、そんなことやっててもおかしくねえな!」
依頼の内容は「ゴブリンを退治すること」でしたか?
yes、モリー「そうそう、しかも緊急の依頼だったから速攻で駆けつけてやったのに恩知らず共が」 [編集済] [良い質問]
依頼は、「商人の荷物」を守ることだった?
no、モリー「依頼はゴブリンを退治する事、ただこれだけよ分かりやすいだろ?そこら辺は俺向きの仕事だったんだよな」
蹴散らした ということは止めは刺していませんか?
no、モリー「そりゃ何匹かは逃げ出した奴もいるだろうがほとんどの奴は止めを刺したぜ、まぁ俺の最初の一振りが奴らにとって初撃であると同時に止めの一撃になるんだがな、ガハハハ」
「ゴブリンを20匹退治せよ」というミッションで、21匹以上倒しちゃった?
no、モリー「仮にそういった依頼だったとしても俺は21匹以上倒していただろうな、何故なら困っている人間を見捨てておけないからな(ドヤッ」
商人は、「村がゴブリンに荒らされること」に困って、依頼を出しましたか?
yes、酒場の店主「ああ、商人の故郷の村がゴブリンに襲われてな、この町の方が腕利きの冒険者が集まるからとここの冒険者ギルドに依頼を出したらしい」 [良い質問]
ゴブリン以外の魔物 いましたか?
no、モリー「ゴブリンのでかい奴やゴブリンの魔術師なんかはいたけどな、もちろん俺の敵じゃ無かったぜ」
結果的に、村は平和になりましたか?
yes、君は遠見の魔法を使った、のどかで楽しそうに夜を過ごす村民達が見える [良い質問]
商人は、何か損をした?
no、モリー「何もそんなんかさせてねぇよ!さっきも言っただろアイツはとんでもなくドケチで因業なんだよ!・・・・あと間抜けでアホだ」
報酬は、総額で固定でしたか?(一人あたり幾ら で固定ではなく)
どちらでもない、モリー「冒険者にあるまじきことだがそこら辺の細かい話を詰めるのを忘れててよ、急ぎの依頼って事でせかされて、その空気に飲まれて俺らもさっさと出発しちまったんだ、そこを利用してあの野郎め・・・」」
商人と、ゴブリンを倒したら報酬を払う、と事前に約束していましたか?
yes、モリー「いくらなんでもそれを忘れるほど間抜けじゃねぇぜ!ま…10みたいなミスしてるからいばれねぇけどな」
商人は、モリーに何か買わせようとしていた?
no、モリー「あんな野郎からは今後も一切何も買わねえぞ俺は!」
モリー自身がゴブリンだった?
no、君は真実の目の魔法を使い力を込めてモリーを見た、モリーは面白い顔だがゴブリンでは無く普通の人間のようだ。 [編集済]
商人が怒り出した理由は、ゴブリンが蹴散らされてしまったからですか?
no、酒場の店主「割ともっともな理由だったぜ、ククク…まぁ半分以上はモリーの野郎の自業自得だな」
商人が行っていた商売は、まっとうなものでしたか?
yes、モリー「商人なんて皆腹黒い奴らだ、きっとアイツも裏の顔をもってやがるぜ、俺が暴いてやる!」 [編集済]
ギルドとは、依頼を斡旋する組織という認識でよろしいですか?
yes、モリー「お前旅慣れた格好してるくせに冒険者ギルドも知らないのか、変わった野郎だぜ」
10 何十人もの仲間を引き連れて退治に向かいましたか?
no、モリー「俺を入れて仲間は全部で6人だな、バランスのとれた完璧なPTだ、今まで解決できなかった依頼はねえぜ、何か困ったことがあれば俺らに依頼しろよ」 [編集済]
「商人がモリーにしてもらいたかった事」と「モリーが実際行ったこと」が違ったために商人は怒ったのですか?
no、モリー「アイツの依頼通り100匹あまりのゴブリンを片づけてやったてのに感謝の一つも無くいきなり逆ギレだぜ、アイツはほんとに馬鹿だ」 [良い質問]
いいゴブリンと悪いゴブリンがいましたか?
no、別の客「ゴブリンみたいな妖魔は全て人間の敵だ、例外なんてないね、ヒック」 [編集済]
依頼はしたが報酬お払う約束はしていない と言われましたか?
no、モリー「アイツが難癖つけてきたのは別の事だぜ、ああ思い出すだけで忌々しい!」
村民と商人は人間ですか?
yes、酒場の店主「その通りだ、話に出てくるのはゴブリン以外は皆人間だ」 [編集済]
商人は依頼が達成できるものと考えていましたか?
yes、酒場の店主「商人はそう考えてたんだろうが、俺の見立てでは結構ギリギリの戦力だったと思うぜ、結果的には死人も出ず帰ってこれて良かったがな」
歯無しモリー→話盛り、モリーさんは大袈裟に話していますか?
酒場の店主「クハハハハそういうこった、あんまりアイツの話を真に受けすぎんじゃねーぞ」 [編集済] [正解][良い質問]
2~3匹のゴブリンを退治する話が、いつの間にか何十匹も倒したことになり、果ては神話レベルの大法螺まで膨らませて報告して。 その話の内容に見合った報酬を要求しましたか?
yes、モリー「さすがに神話級までは盛ってねえけどよ、でも実際大量のゴブリンは俺らのおかげで居なくなったんだぜ、報酬を踏み倒そうとしたアイツの方がわりいよ、さっきは言ってなかったが冒険者ギルドも俺の味方をして報酬を払うよう言ってくれたんだぜ?」 [良い質問]
モリーが実際に退治したゴブリンは数匹で、あとのゴブリンは逃げ出しただけですか?
no、酒を飲んでいたギルド員A「モリー達が実際倒したのは小物十数匹だけなんだ、後のゴブリンは逃げ出したんじゃなくて…」 [良い質問]
逃げ出したゴブリン共、親分のダークエルフ連れて戻って来ましたか?
no、モリー「そんな奴らがいたとしても俺様がちょちょいっとやっつけてただろうがな」
逃げ出そうとしたゴブリン、砦に残ってた罠などに勝手に引っかかって自滅しましたか?
no、モリー「罠なんかなかったな、PTの盗賊が俺の活躍の場を減らしやがてとぼやいてたぐらいだ」
逃げ出そうとしたゴブリンは誰かを呼んで戻ってきましたか?
no、モリー「ドラゴンでもヴァンパイヤでも何が来ても余裕だっただろうがな」
商人はゴブリンを倒して欲しかったのですか?
yes、酒場の店主「なんたってアイツの故郷の危機だったからな」
25より あとのゴブリンは生きていますか?
no、ギルド員A「皆死んでたよ」 [編集済] [良い質問]
生き残ったゴブリンは以前より力をつけていきましたか?
no、モリー「ゴブリン達が強くなってもせいぜいホブゴブリンやらロードレベルってとこか、全く怖くねぇぜ」
死んだゴブリンの処理はどうしましたか?
あまり関係ない、モリー「村人どもが焼いて処理するって言ってたぜ、アンデッド化しても怖いしな」
ゴブリンを退治したことによって結果的に誰かに迷惑がかかった? [編集済]
no、モリー「ゴブリンどもには迷惑な話だったろうがな」
30より あとのゴブリン達はモリーが退治に行く前に既に死んでいましたか?
酒場の店主「そういう事だ、だんだん核心に近づいてきたな」 [良い質問]
ゴブリンは他の誰かに倒されましたか? [編集済]
yes、モリー「そういうこった、畜生俺の手柄になるはずだったのに横取りやがって!」 [正解][良い質問]
正解でたけどいいや(笑) 商人は他のギルドにも報酬を与えなければいけなかったますか?
no、ギルド員A「わるい、先にネタばらししちまったが奴らは報酬を貰わず去って行ったんだ、この事はあまり重要じゃないし気にしなくていいかもな、旅を急ぐ理由があったみたいだ」 [編集済] [良い質問]
ゴブリンの主力はすでに倒されていて、残党をモリーが倒しただけなのに、報酬の全額をもらおうとしてもめた?
yes、モリー「ケチな野郎だったぜ!何も問題ねぇじゃねぇかよぉ、他の奴らが居なくてもどうせ俺らが倒してたんだぜ?」 [正解][良い質問]
ドラゴン殺しの戦士やデストラップ満載の迷宮から生還する遺跡潜りの様な「英雄」まで
幅広い層の者が「冒険者」として一括りにまとめられそう呼ばれる。
今回ある村で起こった大量のゴブリンによる混乱は偶然通りがかった「冒険者」
…いや、「英雄」達によって解決された。
彼らは別の目的の為に旅をしている途中で村に立ち寄り、困っている住民を見かねて
ゴブリンの退治に乗りだし、瞬く間にゴブリンの王や主だった戦力を一掃し砦を制圧した。
彼らをゴブリンの巣まで案内した男は歓迎しようと引き留めたが
急ぎの旅だからと固辞し風のように去って行った。
もちろん彼らはモリー一行ではない。
我らがモリー一行は街で依頼を受け、村に着いたのはタイミングがいいのか悪いのか
ちょうど「英雄」PTが砦を攻略が終わりかけの頃だったのだ。
当然まだゴブリン達をやっつけたといった話は届いていなく、モリー達は砦に直行した。
主力はあらかた居なくなったとはいえ砦にも戦力はまだ残っていてモリー達なりに苦労して
それなりにゴブリン達を退治したのだ。
ここまでならモリー達も普通に感謝されてしかるべきなのだが…
そのあとが悪かった。
モリー達は態度がデカいわ恩着せがましいわ物をタカるわ…まあその…色々ひどかった。
村人たちも「英雄」PTとの実力や態度の差をどうしても比較してしまう。
結果として悪感情が高まり。
街にいた依頼主の商人(この村出身の出世頭だ)にモリー達の功績を実際以上に低く報告した。
これが第一の食い違いの起こった理由。
ところでこのモリー、一部では「歯無しのモリー」より「話を盛りー」の方が相応しいと陰口を叩かれている。
街に戻り商人に依頼の結果の報告をする時もその盛りっぷりは冴えを見せ。
前に来たPTの手柄をも自分の手柄の様に言いつのり、いかに自分たちがゴブリンを全滅させるのに苦労したか
いかに自分たちが有能かを力説した。
これが第二の食い違いの理由。
このせいで商人に不信感が芽生えてしまったのだ。
商人にはモリー達が現場で何もしてないのに手柄だけ奪い取ったように見え。
静かに怒りを見せ「いっさい報酬ははらわん。」の一言が出た。
モリーはモリーで商人特有のケチさゆえその一言がでたと勘違いし
冒頭の様な報酬を出し渋る商人と怒る冒険者の図が出来上がったのだ。
その後冒険者ギルド発の依頼と言う事でギルドが仲裁に入り。
レアなマジックアイテムを使って事の真相を明らかにし
(モリー「真実の目ってアイテムはやばかったぜ、ただの水晶玉に見えるけど遺失魔法が込められててよ…そんで(略」
モリー達も一定の活躍を評価され報酬を貰えたのだが…
商人とのやり取りにうっぷんの溜まったモリーは微妙に話を盛りつつこの話を酒場に来る客相手に喋りまくっていた。
と言うのが事の真相だ。
その事件の真相でひとしきり笑った後、君とモリーは意気投合し朝まで飲み明かし。
酒場から出るときはもう朝日が完全に顔をだして一日の始まりを告げていた。
「ああ、気持ち悪い飲み過ぎた…けど良かった、モリーの話の真相を聞いて分かったけど
彼らとの距離は順調に縮められてるようだな、この分だともうすぐ追いつけそうだ。」
この後夕方まで寝てしまい、起きてからも二日酔いで苦しみ、結局旅の日程は遅れに遅れることになり
その結果大変なことが起こってしまうのだがそれはまた「違うお話」。
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
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