大親友すぎて・・・

ｹﾝﾀは学校の帰り道､段ﾎﾞｰﾙの中に捨てられた

子犬を見つけました｡

ｹﾝﾀはその日は素通りしましたが･･･



次の日の帰り道､給食で残ったﾊﾟﾝをあげました｡

その次の日は､牛乳を｡

また次の日も･･･



気が付くと､ｹﾝﾀは懐かれていました｡

もちろんｹﾝﾀもかわいがりました｡



ある日､ｹﾝﾀはその犬を家に連れて帰り､

飼おうと思いました｡

親に相談したところ快くOKをもらえて

飼えることになりました｡



その犬は『ｻﾑ』と名付けられ､彼らは親友のように

毎日遊んでいました｡



ｻﾑはとても賢くて､ｹﾝﾀの言葉を理解していました｡

ですが､ｹﾝﾀは犬の言葉を理解はできませんでした｡

それでも､ｹﾝﾀとｻﾑは仲良く過ごしていました―――――――







大人になってからのある日､ｹﾝﾀは研究で家に帰るのが遅くなりました｡

でも､家にはｻﾑがいません｡

いつもなら､玄関に入ったらすぐに突撃しに来て

そのまま散歩に行くのに･･･

変だなぁと思いながら部屋に入ります｡

するとﾃｰﾌﾞﾙの上に

[ｻﾑが病気で倒れた　病院に連れて行きます　母]

という書置きが｡

ｹﾝﾀは急いで病院へ向かいました｡



｢･･･もうｻﾑは･･･長くない??｣

｢残念だけど､もう無理我々の手には｡｣

そんな･･･ｻﾑ･･･ｻﾑ――――――



ｻﾑがいる部屋に行くと､ｻﾑはこちらを向き

小さな声で鳴きました｡

でも､何が言いたいのかさっぱり･･･

ｹﾝﾀは犬の言葉を理解できるﾏｼｰﾝを開発しました｡

どうしても､最後の言葉を聞きたくて｡



ｻﾑにそのﾏｼｰﾝを当てると､画面に

｢ｹﾝﾀ　ありがとう　僕の分まで長生きしてね｣と出ました｡



ｹﾝﾀは涙をこらえながら､ｻﾑを抱きました｡

ｻﾑとの思い出が蘇ってきます｡

ｹﾝﾀの目からは大粒の涙が止まりません｡

そしてｻﾑは･･･



ｻﾑが大好きだったｹﾝﾀ｡

ｻﾑがいない日々なんて･･･



(ｻﾑ、すぐに君の所へ行くよ)





次の日､部屋で首をつっているｹﾝﾀの姿が…



天国でｹﾝﾀとｻﾑは仲良くくらしているとか。