しかし女の予言は大きく外れ、カメオはその半年後に息を引き取った。そして女はカメオの死を深く悼んだ。
状況を説明してください。
【ウミガメ】【時間制限:1時間】
最後はちょっと長文で。ご参加ありがとうございました!
女はカメオの余命は半年程だろうと思っていましたか?
Yes! [良い質問]
女は、医者ですか? [編集済]
No!医者ではありません [良い質問]
非現実要素はありますか?
No! [良い質問]
殺人は関係ありますか?
No
女は占い師ですか?
No
女はカメオのことを知っていましたか?
Yes!! [良い質問]
医者が余命半年ほどと宣告したのを女は聞きましたか? [編集済]
Yes!! [良い質問]
白い部屋が、何かは重要ですか?
Yes、何かというよりどういうところか、でしょうか
カメオは病を患っていましたか?
No!病ではなく… [良い質問]
カメオは健忘症で三ヶ月より前のことを思い出せませんね?
Yes!記憶喪失なのです! [良い質問]
6 女はカメオの親族ですか?
No、かなぁ…?
女の職業は重要ですか?
No
余命半年と宣告するより三か月の寿命と伝える方がカメオが残り時間を有効に使えると考えましたか?
YesYes!!(正解条件3) [良い質問]
真っ白な部屋は自室ですか?
No! [良い質問]
女とカメオは夫婦ですか?
んんん〜NoYesで! [良い質問]
女とカメオは恋人ですか?
Yes!(正解条件1) [良い質問]
余命三ヶ月だと騙す→カメオは残りの寿命をできるだけ楽しもうと懸命に生きる→三ヶ月後には記憶を忘れる→また余命三ヶ月だと騙す→カメオは残り寿命を(略)で半年間有意義に過ごさせますか?
前半Yes後半No!記憶を失ったのは一回だけです!(正解条件3) [良い質問]
真っ白な部屋は病室ですか?
Yes! [良い質問]
15 恋人ですか?
Yes!(正解条件1) [良い質問]
真っ白な部屋は一般家屋の中の一室ですか?
No
白い部屋は病室ですか?
Yes! [良い質問]
三ヶ月を自分と過ごして、後の三ヶ月は自分を忘れて別離の悲しみを与えない様にしますね?
Noですがそれはとてもいい話になりそうな予感…!
記憶喪失の原因は事故ですか?
Yes!(正解条件2) [良い質問]
2人は結婚しますか?
YesNo、ですかね…
記憶喪失をいいことに夫婦であると嘘をつきますか?
No
事故で記憶喪失で余命半年になった男に、恋人はあえて余命三ヶ月と伝えることで、男が有意義に時間を使えるようにした。宣告通り、半年後に男は死んで、恋人は悲しみましたか?
Yes!完璧です! [正解]
正解条件
1、カメオと女がもともと親しい仲であったことを明らかにする。
2、カメオが事故に遭い記憶喪失になったことを明らかにする。
3、カメオの余命は元々半年であったが、ウミコはそれを偽って3ヶ月と伝えたことを明らかにする。
以下長文解説。
「○○病院まで急いでください!早く!」
ウミコはタクシーに乗り込むなり運転手を急かした。恋人のカメオが事故に遭い、病院に運び込まれたと言うのだ。
カメオからプロポーズを受けたばかりのウミコ、二人は家族も公認の非常に仲のいいカップルだった。カメオの両親から連絡を受けたウミコは、祈る思いで病院への到着を待った。
【○○病院】
「……ここ、どこだ……?」
「カメオ!よかった、目が覚めたのね!」
「母さ……?い、痛っ……」
「母さん、カメオは大怪我をしているんだぞ!傷に響いてしまうじゃないか」
泣き腫らした顔の母親に抱き締められたカメオは、全身に痛みが走ることに気がついた。見たことのない真っ白な天井、泣いている母親、全身の痛み。わけがわからない状態だった。
「父さん、ここはどこ?」
「ここは病院だ。お前は買い物に出た先で交通事故に遭ったんだ。なんとか一命は取り留めたが……」
父が言いかけたところで看護師が部屋を覗き込み、両親を呼んだ。カメオはいまいち状況が把握できないままきょろきょろと視線を動かすと、サイドボードに小さな箱が置いてあることに気づいた。しかし身体が動かせないため中身の確認はできない。どうしてこんなことになってしまったのだろうと思いながら、カメオは両親の帰りを待つことにした。
【診察室】
息も切れ切れに駆けつけたウミコはカメオの両親とともに診察室へ入った。そこで聞かされたのは衝撃の事実だった。
「嘘でしょう……そんなことって……!!」
母親が泣き崩れた。父親も母親に寄り添ってはいるが、時折鼻を啜る音が聞こえた。ウミコといえば、ただ呆然と立ち尽くしている。医者はこう言った。
「事故の際、頭を非常に強く打ち付けており脳や臓器の重要な部分が多数損傷していて、障害がいくつも出ています。脳や臓器にもう治療できない部分があり……申しあげにくいのですが、手の施しようがありません。意識があって会話できるのが奇跡的なほどです。延命治療を施しても余命は4ヶ月……もって半年ほどでしょう。」
そんなことってあるのだろうか?半年?半年後には私たちは結婚して、幸せに暮らしているはずだったのに。カメオがあと半年で死んでしまう……?
混乱するウミコに、父親が涙声で語りかけた。
「ウミコちゃん、まだカメオに会いに行っていないだろう?行ってやってくれ……余命を伝えるかについては、酷かもしれないが君に任せる。カメオはもう、君の夫だよ」
肩を優しく叩かれそうかけられた言葉。ウミコは父に一言礼を述べると、弾かれたように診察室を飛び出し、カメオの病室へ向かった。
【カメオの病室】
カメオの病室に入ったウミコは、またしても衝撃的な言葉を聞いてしまう。
「あの、どなたですか?」
いきなり現れたウミコに対し、カメオは困惑したようにそう言った。誰か分からない、そう言ったのだ。その時、ウミコの頭には医者の言葉が思い出されていた。
『頭を強く打ち付けており…』『脳に損傷が…』『障害がいくつも…』
ああ、そうか。簡単に合点が行く。
カメオは、ウミコのことを忘れてしまったのだ。
ウミコは泣きそうなのを堪え、おどけるように微笑み震える声で言った。
「あのね、私にはあなたの寿命がわかるの。あなたはあと3ヶ月で死んでしまうのよ。」
「は?あなた急に何を言ってるんですか……?医者じゃないですよね?」
訝しげなカメオに、ウミコは嘘をついた。それはカメオを思ってのことでもあり、自分のためでもあった。本当は彼は半年しか生きられない。信じるかは別として3ヶ月と言っておけば、カメオは余命よりも長く生きられたことによって生きる希望を持てるであろうし、それによって回復が見込める状態になる可能性があるかもしれない。
もし宣告通りになるとしても、その間にウミコは心の整理をつける。それがウミコの辛苦の決断であった。
ふとウミコがサイドボードに視線をやる。そこに乗っているのは小さな二つの箱。歩み寄って開けてみると、中には指輪が一つずつ。シンプルな作りのそれはエンゲージリングだった。ウミコはそれをとっさに鞄にしまい、混乱するカメオに振り返った。
「忘れてしまったみたいだけど、あなたが事故に会う前、私とあなたは結構仲が良かったの。事故に遭ったって聞いてお見舞いに来たんだ、混乱させてごめんね。」
「あ……そうなんですか。すみませんが全然覚えていなくて……。あと、寿命って?」
「敬語じゃなくていいよ。寿命っていうのは、さっきご両親と一緒に担当医にお話を聞かせてもらったの。先に伝えておくようにってご両親がね。あとで担当医からも説明があるはずよ」
「えっと、父さんと母さんは…?あとあなた、俺の余命まで聞いてるんですか?俺とどういう関係だったんですか?」
「ちょっと、質問責めにしないで!ご両親は今ちょっと休憩してる。名乗ってなくてごめんね、私はウミコ!呼び捨てでいいよ、改めて…よろしくね。」
「ウミコさん……ウミコ…?…覚えてなくて本当にごめん。こちらこそよろしく。」
ウミコは改めてカメオが事故に遭ったこと、医者から説明されたこと、余命のこと、二人のことをカメオに語った。ただ、本当の余命が半年であること、二人が恋人であったことだけは隠して。
ただでさえ事故や余命を伝えたことでショックを受けているところを、さらに混乱させてしまうことは避けたい。そして何より、 恋人であったことを伝えることは、ウミコにとっても確実につらい道になることが分かっていたから。
「俺、本当にあと3ヶ月で死んじゃうのか……?」
呟くようなカメオの言葉に、ウミコは唇を噛み締めてまた込み上げてきそうな涙を堪えた。カメオの前では泣かない、不審に思われたくないし、不安にさせたくないから。
病室から出たウミコはカメオの両親と医者に事の顛末を伝え、病室に向かう二人を見送ってからひとり、病院の廊下で泣き崩れた。
それから。ウミコは毎日カメオの元に通った。当然のように二人はすぐに打ち解け、ウミコは動くこともできないカメオの世話を甲斐甲斐しく焼き、会話の相手になった。カメオと元の恋人同士であった時ほどではないが、二人は仲睦まじく残りの時間を過ごしている。刻一刻と迫るような、何気ないような日々が過ぎていくそんなある日、ぽつりとカメオが漏らした言葉。
「あぁ、ウミコが俺の恋人だったらよかったのになぁ……」
「…ん?何か言った?」
「……いや!なんでもない!」
何か言った?なんて嘘だった。ウミコは聞こえないフリをしたのだ。だってまた泣きそうになってしまうから。恋人じゃない、家族でもない、ただの親友よりは仲がいい。そんな不思議な関係に偽ったまま、タイムリミットの半年は刻々と過ぎてゆく。二人の心は少しずつ軋んでゆく。私は本当にこんなことがしたかったのか?ウミコの心は薄暗い靄に包まれたが、口には出せぬまま日々は流れた。
そしてウミコの余命宣告の3ヶ月を過ぎカメオがまだ生きていたその日、カメオとウミコは手を取り合って喜んだ。余命なんか乗り越えてやる、俺は生きてやると息巻くカメオの姿を見て、ウミコは自らの決断は間違いではなかったと思った。カメオがここまで喜んでくれるならそれでいい。いずれ訪れる死まで希望が見出せるならそれでいいではないか。心中に立ち込める暗雲を振り払い、ウミコは変わらぬ毎日が送れるよう、心の二律背反と葛藤しながら介護に尽力した。カメオの灯火が消えてしまうその日まで。
そして。そう、事故から半年ほど経った頃だろうか。いつも通り病院を訪れたウミコの前には、今にも途絶えそうな呼吸のカメオがいた。ウミコは半泣きになりながら慌ててナースコールを押し、浅く息を吐くカメオを懸命に励ました。
「大丈夫、絶対助かるから!」
「すぐにお医者さんが来てなんとかしてくれるから!」
カメオはそんなウミコの言葉を一つも信じやしなかった。自分はもう死ぬ、既にそう悟っていたからだ。
「なあ…ウミコ…俺さぁ…言われてたより、倍も生きられたんだ…すごい、よな」
「無理に喋らないで!なんとかなるわ!私がついているから!」
「なぁ…お前は教えてくれなかったけど、きっと俺はお前のこと好きだったよ…そうだろ?」
そう言われて、ウミコは握ったカメオの手を離し、急いでカバンを探った。その手にはいつか見た小さな二つの箱。発端である事故の日カメオが二人のために買った、永遠を誓う指輪。中には男女ペアのエンゲージリングが一つずつ。ウミコはカメオの指に指輪を嵌め、震えるカメオの手に指輪をなんとか持たせて自分の指に嵌めた。そのリングは結婚指輪ではなく婚約指輪だったが、それはまるで結婚式で執り行われる指輪交換のように。
「そう、そうだよ、私たちは婚約者だった。そして今私たちは指輪の交換で結ばれたの。私たちはこれから夫婦になるのよ。カメオ、愛してる。お願いだから一緒に生きて、お願いだから…」
「ごめんなぁ…ウミコ…ありがとう…最期に、こんな…おれから、言い出せなくてごめん…ウミコ、おれも、おまえのこと…あい…」
ピーーーーー。
カメオのか細い声を、心肺停止を知らせる心電図の音が切り裂いた。かくんと力が抜け、カメオの手はするりとウミコの手のひらからこぼれ落ちる。安らかに微笑んだまま、カメオは生涯の幕を閉じた。伏せ切らぬ瞼からは幾筋の涙が零れ頬を濡らしている。ウミコはまだ温もりの残るカメオの手を再び握り、その穏やかな顔を眺め、ただ静かにはらはらと涙を流した。
ごめんね、たくさん嘘をついて。
ごめんね、何もしてあげられなくて。
ごめんね、最後まで本当のことを言ってあげられなくて。
ごめんね、共に生きることができなくて。
ごめんね、共に死ぬことさえできなくて。
泣き腫らす女と、少しずつ冷えて硬直していく男の身体。二人の繋がれた手には揃いの指輪。
永遠を誓う一つだけの輝きが、そこには確かにあったのだ。
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。