そんなカネダの元に、また怪盗ラテンから予告状が届いた。
「×月〇日の夜9時、あなたの所有するブラッドルビーの指輪を盗みに参ります」
これまで何度も美術品を盗まれてきたが、今度こそそうはいかない。固く誓ったカネダは、ブラッドルビーを守る策を練った。
彼が出した結論は、ブラッドルビーの指輪の展示室を強固なセキュリティで守った上で偽物を置き、本物はそれと分からないように青い水性塗料を塗り重ねた上で自分の指に嵌めておく、というものだった。作戦が漏れないよう、すり替えについては誰にも言わず、偽物の作成からすり替えまで全部カネダ自身で行う徹底ぶりで、当日を迎えた。
ところが、×月〇日の夜9時、ブラッドルビーの指輪の展示室を出てきた怪盗ラテンは、本物のブラッドルビーの指輪を手にしていた。
一体なぜだろう?
【ウミガメ】
カネダが自分の指に嵌めた時点で、そのブラッドルビーは偽物でしたか?
NO. カネダがすり替えを行い、自分の指に嵌めた時点では、ブラッドルビーは本物でした。
カネダは二重人格ですか?
NO. カネダは二重人格ではありませんし、カネダと怪盗ラテンは別の人物です。
怪盗ラテンはカネダごと指輪を盗みましたか?
NO. 違います。が、かなり良い発想です。 [良い質問]
展示室内で和解した二人は、いちゃいちゃ恋人繋ぎで展示室から出てきましたか?
NO. そういうアレではないです、断じて。
怪盗ラテンは展示室を出た時、本物のブラッドルビーの指輪を指に嵌めていましたか。
YES! 怪盗ラテンは、展示室を出た時、本物のブラッドルビーの指輪を指に嵌めていました。 [良い質問]
3 カネダの指は無事ですか?
YES. カネダの指は無事です。
指紋認証解除のため、カネダの指を持っていましたか?
NO. 指紋認証は関係ありません。
ラテンには、偽物に惑わされずに本物を盗んだ認識がありますか?
NO! ラテンは、思いっきり偽物に惑わされています! [良い質問]
怪盗ラテンとカネダは別人ですか?
YES. 怪盗ラテンとカネダは、別人です。
本物のブラッドルビーの指輪を嵌めていた怪盗ラテンの正体はカネダでしたか?
NO. 怪盗ラテンとカネダは、別人です。
建物丸ごと乗っ取り、指輪を手に入れましたか?
YESNO. ですが、怪盗ラテンが考えた計画は、似たような発想から来ている、と言っても問題ないでしょう。
怪盗ラテンはカネダに変装していましたか?
YES! まとめてください! [良い質問]
カネダは展示室にいましたか?
NO. 展示室で待ち伏せしていた訳ではありません。
カネダに変装するために、服と装飾品一式を奪って身に着け、偽物の指輪はまた別に盗んでますか?
YES! 正解です! [正解]
複雑なセキュリティ計画を目の当たりにして、怪盗ラテンは思考を止めた。
一つ一つ突破していたのでは埒が明かない。もっと画期的で抜本的な策が必要だ。
そして怪盗ラテンは、得意の変装を利用することにした。カネダを眠らせて服を奪い、カネダに成りすまして全てのセキュリティを解除させるのだ。
そして、×月〇日。無事カネダを眠らせることに成功した怪盗ラテンは、カネダの着ていた服をそっくりそのまま身に着けた。もちろん、彼が指に嵌めていた青い石の指輪も。
特殊メイクでカネダの顔に化けると、怪盗ラテンは張り込んでいた警備員たちに撤収を命じ、セキュリティを解除させ、まんまと展示室から赤い石の付いた指輪を持ち出した。
こうして、怪盗ラテンの盗みは無事に成功した。
だが、まだ彼は気づいていない。自身が狙っていた指輪は、彼が大事に握りしめた手の中にはなく、彼の指に嵌まっているのだということに……。
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