バカな子ほどかわいい

下の方に要約解説つけときました。





【解説】



クイズ番組『ガッチリ合致』放送日翌日、とある収録スタジオにて。



カメタ「プロデューサーさん！」

俺「ああ亀子ちゃん。『ガッチリ合致』、見たよ～」

カメタ「番組の看板を背負って出演したのに優勝を逃して、申し訳ありません」



テレビドラマ『嘘をつく男』の主演女優・亀田亀子は深々と頭を下げた。



カメタ「初めてクイズ番組のオファーをいただいたので、

やる気を出して普段読まない新聞も毎朝しっかり目を通していたんですが……」



『ガッチリ合致』収録日の午前中は、『嘘をつく男』を撮影していた。

撮影現場に顔を出した俺は、休憩中、そこにあった"新聞"を眺めていた。

そこに通りがかったカメタは、俺にこう尋ねたのだ。



カメタ「プロデューサーさん、わたしもその新聞読んでいいですか？」



俺は快諾して彼女に新聞を渡してしまった。

あのときカメタがなぜ新聞を読みたがったのか、わかっていればひとこと添えただろう。

そう、「これはプロップ(小道具)だよ」と。



プロップなので、新聞の内容はもちろんすべてフィクションだ。

見出しにでかでかと書いてあった"寺井真之介博士ノーヘル賞受賞！"もフィクション。

それをきちんと伝えていれば、もしかしたらカメタも優勝できたかもしれない。



俺がそう説明してもなおカメタは恐縮しきり。

「普段から新聞を読んでいれば、プロップと気づけたはず」と悔しがっている。

縮こまる彼女に俺はにっこり笑ってみせた。



俺「でもSNSでは"亀子ちゃん不思議ちゃん"とか"亀子ちゃん天然カワイイ"とか、

わりといい感じに受け取られてたよ。評判になってドラマの視聴率が上がるかもな」



そう、『ガッチリ合致』なんて所詮は番宣に過ぎない。

肝心の『嘘をつく男』が有名になれば、プロデューサーの俺としては万々歳なのだ。





【ようやく要約解説】

カメタが朝に読んだ新聞は、ドラマに使う小道具＝フィクション。

それを参考にしたカメタの解答は当然不正解であり、優勝できず肩を落とすはめになる。





※ この問題はもちろんフィクションです。