ウミガメ村に生まれ育ち、新しいことの入ってこない村に嫌気がさして街に出て行った男だ。
彼は都会で成功し、一人で使い切るには有り余る金を得たという。
人と物の溢れる街で、栄華を謳い美食を極め、しかしそんな生活に飽いて村に帰って来たのだそうだ。
帰って来た彼は、これからは村の発展に尽くす、村の人口減少対策に金を出そうといいだした。
こんな閉塞的なさびれた村にでも、金をもらえるとなれば移住してくる者はいるだろうと。
彼の考えは当たり、年に百人もの人間が、村の外から移住してきた。
しかし、その施策が功を奏しだしたのはここ最近だ。
十年前から男が出してくれる補助金の額は変わらないし、移住希望者の数もそう変わらない。
効果が時間を置いて出たのはなぜだろう?
【ウミガメ】【時間制限:1週間】
原案:滝杉こげおさん。経緯は雑談欄にて。
「効果」とは、移住希望者が実際に移住することですか?
YesNo? 人口が増えると言うことです。 [良い質問]
男の施策以外に移住者が増えるような出来事は起こりましたか?
No!
男の施策が知られるようになったのが最近ですか?
No
金は移住希望者に援助を出す目的で使われましたか?
Yesかな。
移住希望者が実際に移住する比率が上がったという事ですか?
Noかな。 [良い質問]
すごいデフレになって、相対的に補助金が高い価値を持つようになりましたか?
No
移住者の性別は重要ですか?
No
あたらしく増えた人たちの職業は重要ですか?
No
男の施策は10年前から始まりましたか?
Yes
大型マンションの建設など、外からの移住希望者を受け入れる体勢を整えるのに時間がかかったからですか?
No
移住を希望する人数は変わりませんか?
Yesで。 [良い質問]
移住者達の生活が落ち着き、それぞれ配偶者を見つけてベビーブームですか?
Noで。
移住希望者を募集する手段は重要ですか?
No
1 出産率は関係しますか?
No
十年前、施策が始まった時も年に百人ほどの人が移住してきましたか?
Yesで。ミスリード注意。
高齢者が亡くなって若者の割合が増え始めたからですか?
Noで。ミスリード注意。
移住を拒否するほかの住人がいますか?
Noで。
カニバリますか?
Yes ≦・Å・≧ [良い質問]
村は毎年百人の移住者をすべて受け入れ可能でしたか?
Yesで。
死人が減りましたか?
Yesで。ミスリード注意。 [良い質問]
非現実要素はありますか?
Noで。
施策の前から年に百人ほど移住してくる人がいましたか?
No
村が発展したおかげで出ていく人がへりましたか?
Noで。
男が死んで人を食べなくなったからですか?
No!でも後半重要。 [良い質問]
大金持ちは人と物の溢れる都会で人をバリバリ食べていましたか?
No!!
生きた人を殺さないで肉をとっていますか?
No
カニバる習慣のある集落だったので人口が増えなかったけれど、カニバらない住人が増えたので人口が増えるようになりましたか?
No
栄華を謳い美食を極めたついでにカニバリにも手を出した男は、食材を集めるためお金をばらまく政策を始め、やってくる人を片っ端から食べていましたか?
Yes! なんで食べなくなった? [良い質問]
村にはカニバリズムの文化がありましたか?
No!男だけです! [良い質問]
男がカニバリをやめましたか?
Yesで。なんででしょう?
男が村人の食料にお金をだし、貧乏な村人がカニバルことがなくなりましたか?
No
代替わりで食人文化が消えましたか?
No
あとはなぜ「男」がカニバリをやめたかなのですが…
男は自らカニバルことをやめましたか?
Yesかな。ミスリード注意。
男が老いてカニバる元気がなくなりましたか?
Noで。
人が増え、死人をカニバるだけで満足するようになりましたか?
No
男は自らの手で移住者を殺していましたか?
重要ではありません。
老人を食べ尽くしたからですか?
No。食べていたのは移住者です。
美食家なので、いい加減人肉の味に飽きましたか? [編集済]
Yes [正解]
新しいものずきの男はやがてカニバリにあきましたか?
Yes [正解]
男は人間の味に飽きましたか?
Yes [正解]
彼は生来飽きっぽい性格で、閉鎖的で新しいことなど何一つない村の生活を倦んでいた。
それゆえ、高校卒業とともに街へと飛び出して行った。亀蔵の性格は都会暮らしには合っていたらしい。
常に新しいもの、流行りそうなものを目ざとく追いかけ、それを商売のタネにする才もまた彼にはあった。
何年もしないうちに大金持ちになり、金を使って遊ぶことをおぼえた。
一杯何十万もする高い酒を風呂にして、その香りに酔いしれた。
何十台もの高級車を乗り換えては乗り回した。
トリュフもフォアグラも、カンガルーもクジラもオットセイも、食べ飽きたといえるほど食べた。
一年がかりの豪華客船クルーズに参加して、一か月と絶たずヘリで離脱したこともある。
そう、亀蔵は飽きっぽかった。
街でできる贅沢にも美食にも、飽きてしまった。
今度は金だけではできないこと、食べれないものをと考えて亀蔵は人を食べることを思いついた。
存外うまい味がすると聞く。それに、法と理を犯して人を食らうリスクなら、しばらくは己を楽しませてくれるだろう。
亀蔵はさらに考える。
そういえば、故郷ウミガメ村から、人口減少に悩んでいると相談を受けたことがある。
あそこは閉鎖的だから、若者がみんな逃げだしたのだ。
年寄りばかりになって、昔よりもっと閉鎖的になっているだろうから、ただであんな所に住もうなんて余所者もいまい。
そうだ、それを利用しよう。
さっそく亀蔵は村の古株に連絡を取った。
人口の減ることに悩むなら、よそから人を呼べばいい。ウミガメ村に移住すれば金をやると宣伝するがいい。その金は俺が出すからと伝えた。
ついでにそいつに金を握らせれば、村の合議でその話はすぐに受け入れられた。
亀蔵は上限を年百人と定め、移住者を待ち構えた。
世間でもちょうどIターンだなんだがもてはやされ、多くの人間が補助金があるならと移住先にウミガメ村を選んだ。。
そうしてみんな、亀蔵の腹の中へと消えていった。
とはいえ閉鎖的な村のこと。移住してきた人間がすぐにいなくなっても、これだから街のものは、とだれ一人気にしやしなかった。
最初の三年、あまりにもくろみ通りの結果にほくそえみ、勝利の美食に酔いしれた。
次の三年、そろそろ飽きたと移住者を食う回数が減っていった。それでも怪しまれないため、補助金の額も募集の数も減らさずにいた。
亀蔵の口に入らなかった移住者には、年寄りとの軋轢に悩みながらもどうにか居つくものがあった。
ここ数年、人の味にも、そのリスクを味わうことにも飽きてしまい、移住者が食べられることもなくなった。
亀蔵の人口減少対策が、ようやく本当に人を増やす結果になった。
今の亀蔵は、彼の食べなかった人々がウミガメ村に新しい風を呼び、年寄りたちと時に対立しながらも力強く村を発展させていく様を、興味深く面白く新しい楽しみにして生きているという。
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