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【Case1:ある少年の場合】
少年はホテルの廊下で母親の支度が済むのを待っている。
そこに女が通りかかった。
「あら、ごきげんよう。今日はサッカーの練習、行かなくてもいいの?」
このホテルの常連である少年は、同じく常連のこの女と顔見知りだった。
「今日は中止なんです。さっきから急にすごい雨でうんざり」
「そう。残念ね。」
女はそう言って通り過ぎ、奥の部屋に入っていく。
少年はそれからしばらくの間、独りで母親を待つ。
そこに、停電が起きた。
突然のことに少年は混乱した。
辺りが騒然となる。
少年は怖くなり、母親の元へと、その場を立ち去った。
【Case2:ある男の場合】
男は女と食事をとっている。
「本当に貴女はきれいだ。美しい」
男は女を見つめてそう言った。
女の美しさに心酔した男は、ワインに睡眠薬を混ぜた。
そうして女が眠りに落ちる時を待つ。
「ふふ。お世辞が上手ね。でもそろそろ部屋に戻らなきゃ」
しかし女はそう言って席を立ってしまった。
男は女の後を追ったが、女はそのまま部屋に入ってしまう。
男はあきらめて自室に戻った。
そこに、停電が起きた。
突然のことに男は混乱した。
男は女のことが心配になり、自室を飛び出し女の部屋へと急ぐ。
その後、男は女を目の前にしてこう言った。
「無事でよかった。本当に、貴女はきれいだ」
そして部屋を後にした。
【Case3:ある女の場合】
女は男と食事をとった後、少年と挨拶を交わし自室に戻る。
しばらくして停電が起きた。
混乱した女は落ち着くために水を一杯飲むが、そこで急に眠気が襲う。
そしてそのまま床に倒れこんだ。
停電の騒ぎの中、女は目を覚ます。
まだ少し、頭がぼんやりとする。
辺りが真っ暗だったため、女は明かりになりそうなものを手探りした。
そうして明かりを灯した女は――
「え......うそ......ひっ、ぃいやあああああ!!」
悲鳴を上げ、絶命した。
【Case4:殺人鬼Aの場合】
Aはある女を殺すためにホテルに来ていた。
事件前日、Aは一つの計画を立てた。
停電を引き起こし標的を殺害する。
停電のタイミングは女が独りになる時間に合わせた。
ホテルの部屋にはすべてオートロックキーがかけられているが、停電によりそれらは解放される。
停電と同時に部屋に侵入し、殺害する。
事件当日、果たしてホテルは大停電に陥った。
そして停電が復旧した後、Aは思った。
(ああ、失敗だ。失敗した......)
その後、Aは死んだ。
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以上がこの事件の顛末である。
少年、男、そして女の行動はすべて、"Aの死"につながっている。
さて、なぜAは死ぬことになってしまったのか。
この事件の真相を解き明かしていただきたい。
【ウミガメ】
少年、男、女、Aの中に同一人物はいますか?
YES 重要です。 [良い質問]
ある男がある女を殺しましたか?
YES 重要な事実です。※ミスリード注意 [良い質問]
停電はAが狙った時間に発生しましたか?
YES
死亡したのは女と殺人鬼Aだけですか?
YES ※ミスリード注意
Aは犯行がバレて死刑になりましたか?
NO そうではありません。
停電を引き起こしたのはAですか?
YES その通りです。
case2の男の話に登場する女は、case3の語り手と同一人物ですか?
YES 同一人物です。
Aが殺す予定だったのは、case3の女ですか?
NO 違います。 [良い質問]
case3に出てくる少年は、case1の少年と同一人物ですか?
YES 同一人物です。
case2の男とAは同一人物ですか?
NO 違います。 [良い質問]
多重人格は関係ありますか?
NO 多重人格は関係しません。
Case3の女とCase4の殺人鬼Aは同一人物ですか?
YES 重要な事実です。 [良い質問]
少年が混乱し、何かをした結果、辺りが騒然としましたか?
NO 重要ではありません。
登場人物中で死ぬのはCase3の女と殺人鬼Aの2人のみですか?
YesNo No.12参照です。 [良い質問]
case1の少年とAは同一人物ですか?
NO No.12参照です。
男はCase3の女と食事をとりましたか?
YES その通りです。
Aが殺そうとしているのはCase1の少年の母親ですか?
YES 重要な事実です。 [良い質問]
Aは少年の母親ですか?
NO No.12参照です。
Case2の男は殺人鬼Aの犯行を止めるために睡眠薬を入れましたか?
NO そうではありません。
A=case3の女は、case2の男に殺されますか?
YES 重要です。 [良い質問]
明かりを灯した女が悲鳴をあげたのは、Case2の男が部屋にいたからですか?
NO 違います。 [良い質問]
事件が起こったのは、「前日」と「当日」の連続した二日間のみですか?
YES そうです。前日はAの準備で、実際は当日だけですね。
case3の女の悲鳴の原因は、部屋の中にcase2の男を見たからですか?
NO 違います。 [良い質問]
Case2の男が入った部屋は、Aの部屋ですか?
YES A=Case3の女の部屋です。
3つのcaseはすべて同じ時間の話ですか?
YesNo 4つのcaseすべて同時間軸上の出来事です。 [良い質問]
殺人鬼Aのターゲットは少年の母親ですか?
YES No.17参照です。
Case1で少年と会話をしている常連の女は、Case3の女ですか?
YES その女です。
Case3で、女=殺人鬼Aが飲んだ水の中に睡眠薬が入っていましたか?
NO 睡眠薬はワインの中に入っていました。
Case2で男と食事した女=Case3のある女 ですか?
YES その通りです。
Case2の男はヤンデレですか?
YES おそらくヤンデレでしょう。
女の死因は感電死ですか?
NO そうではありませんが、死因はあまり重要でないです。
停電中に少年の母親を殺すはずだったAは、case2の男に眠らされてしまったために殺人に失敗し、かつ男に殺されたということですか? [編集済]
YesNo 事実関係が少し異なっています。 [良い質問]
Case3の女=Aが、何で明かりを点けたかは重要ですか?
YES 重要です。 [良い質問]
Case1の少年は母親の部屋に入れましたか?
YES 入れます。 [良い質問]
少年の母親(Aの標的)は死にましたか?
NO 死んでいません。 [良い質問]
女は少年が自らの部屋を出たことに失望しましたか?
NO 残念ながら、そうではありません。
少年が母親を待っている間、母親は部屋で一人でしたか?
YES
case2の「無事でよかった」と男が言っているときには、case3の女=Aは生きていましたか?
YesNo どちらでも成立し得ます。 [良い質問]
Aが少年の母親を殺害しようとした動機は重要ですか?
NO Aの犯行動機は重要ではありません。
Case3の女(A)の容姿に変化はありますか?
YES? これに関してはもう少し仔細に質問していただいた方が良いかと。
男はcase3の女=Aに殺意を持って殺しましたか?
YESで成立します。
女が目を覚ました場所は女の自室ですか?
YES そうです。
女が眠った場所は女の自室ですか?
YES その通りです。自室で眠って自室で目覚めています。 [良い質問]
男が無事でよかったと言っているのは、少年の母親のことですか?
NO そうではないのです。
case3の女=Aが何に明かりを灯したかは重要ですか?
NO そこは重要ではありません。
女は少年の母親になりかわろうとしましたか?
NO Aの犯行動機は重要ではないのです。
少年の母親とAの関係は重要ですか?
NO 重要ではないですが、他人としておきましょう。
case3の女が明かりを灯した時には、すでに自らの体に傷を負っていましたか?
YES 重要です。 [良い質問]
Case3の女が明かりを灯したのは鏡を見るためですか?
NO 暗かったからです。
男はAが少年の母親を殺す計画であることを知り得ましたか?
NO 知りませんでした。
Case2の男はCase3の女に恋愛感情を持っていますか?
YES ※ミスリード注意 [良い質問]
停電が起きたのは女が起こした1度のみですか?
YES その一度きりです。
停電が起きた後に女が混乱したのは男が女の自室にいたからですか?
NO そうではありません。
case3の女が絶叫したのは、自らの身体の傷に気付いたからですか?
YES そういうことです。 [良い質問]
女は酷い火傷を負っていましたか?
NO 火傷ではありません。
女が目を覚ました時、停電はおさまっていますか?
YES 重要です。ではなぜ女は... [良い質問]
女は何か勘違いをしましたか?
YES ある時点では勘違いをしています。 [良い質問]
48. 54 その傷は致命的なものでしたか?
YesNo それはどちらでも構いませんが、大きな傷であるのは間違いないです。 [良い質問]
女が目を覚ました時には夜になってましたか?
NO ではなぜ女は... [良い質問]
男が女に睡眠薬を飲ませたのは、女を殺すためですか?
YES 端的に言えばそうなりますが... [良い質問]
停電の際、少年が母親のもとに行ったせいで、廊下に人の目がなくなったことは重要ですか?
NO それはあまり重要ではありません。
もしかして、女は五体不満足にされましたか?
NO そこまでではありません...
停電時は昼間でしたか?
YES [良い質問]
56 女は目が見えなくなってしまいましたか?
YES 重要な事実です。 [良い質問]
Aが「失敗した」と思ったのは、自身の殺人の計画についてですか?
YES 重要です。計画が失敗したことが元凶です。 [良い質問]
case3の女が明かりを灯したことで気づいた傷は、case2の男がつけましたか?
YES 重要です。 [良い質問]
case3の女の目が見えなくなったのは、直前に飲んだ水と関係がありますか?
NO 水は関係ありません。
女の死因は重要ですか?
NO 死因はあまり重要ではありません
女は停電と目が見えないことを勘違いして明かりを探しましたが、失明していることに気づいて叫んだのですね?
YES そういうことです。 [良い質問]
男は女の目玉を取りましたか?
YES 重要です。 [良い質問]
雨は重要ですか?
YES 重要です。 [良い質問]
女が混乱したのは停電した時間が自らの想定と異なったからですね?
NO 時間通りでした。
70 男は最初からそうするつもりでしたか?
YES 初めからそのつもりでした。 [良い質問]
少年がサッカーの練習に行かなかったことは重要ですか?
YES 重要です。Aの殺人計画をもう一度見直してみましょう。 [良い質問]
Case2で男は、生きている女そのものではなく女の身体の一部分に興味がありましたか?
YES そうなのです。 [良い質問]
サッカーの練習がなくなり、少年がホテルにいたことが、間接的にAの死を引き起こしましたか?
YES 重要です。 [良い質問]
少年が母の支度を待っているのは、これから母と共にどこかに出かけるためですか?
YES そうですね。
Case3で女が少年と挨拶を交わしたのは少年の母親の部屋ですか?
NO 廊下でした。
Aは目玉がなくなったことに気づきショックで絶命したのですか?
NO 男に目を抉られ、そのまま殺されたとお考えください。
Aは少年も殺そうと思いましたか?
NO 今回は母親だけとします。
停電時にAは少年の母親の部屋には侵入できたが、少年がいたため混乱し殺害できず一度部屋に戻った。その後自室に戻り睡眠薬が効いてきて眠った、ということでしょうか?
YES そこまでは完璧です。※正確には停電時に侵入はしていません。少年がいたので計画をあきらめ部屋に戻りました。 [編集済] [良い質問]
Case3に出てくる女は、全て同一人物ですか?
YES すべて同じ女です。
女が自ら停電を起こしたにも関わらず混乱している理由は重要ですか?
YES これまでに出ている事実から推測できるかと思います。
少年の母親もAの目を狙っていましたか?
NO 母親は標的にされていただけです。
81 その後男がやってきたときにはまだ停電中だったため、男も女の部屋に入ることができた(停電しなければオートロックで男も女の部屋には入れなかった) 男は女の眼球の美しさに心酔していたため、女の目玉だけをくりぬきその後殺害した、でFAですか?
YES お見事! [正解][良い質問]
81 その後、停電が起き、自信も目を覚まし計画を再度実行に移そうとして明かりをつけたものの、男に目を抉られた後であり、計画は失敗かつAは死にましたか?
NO 少年とお出かけ準備をしていた段階で計画は失敗していたのです。
停電になり心配した母親は外に出て、少年を迎えに行ったので、女が部屋に侵入した時には誰もいなく、混乱した女は一度部屋に戻り落ち着こうと水を飲んだが、その水には男が停電だとオートロックが外れることに気づき、部屋に侵入した男によって睡眠薬が入っていたため、女は眠ってしまい、眼球を抜かれ、結果、男は綺麗な目を手に入れ、女は失明により悲鳴をあげ絶命し、少年と母親は助かりましたか?
NO...惜しいですが。男は停電でオートロックが外れることには気付いていません。飽くまでAの計画失敗がすべてを招きました。
女が停電を起こそうとする前に、停電が起こりましたか?
NO 停電は予定通りに。
女は殺人鬼Aで、少年の母親の殺害を企てたが、不測の雨により少年がホテル内に残ってしまったため失敗した。
その後停電が起こり、男が女の部屋へ向かったが、この時女が部屋に残っていたのは計画が失敗したためである。
結果、女は自らが仕掛けた停電によって男の侵入を許し、男に目を抉られ殺された。
【以下、真相(※長文注意)】
‐3:00 p.m.‐
「おいどうなってる!」
「......大変申し訳ございません......現在原因を確認中でございまして......」
「いつになったら直るのかって聞いてるのよ!」
「......ご宿泊の皆様には大変なご迷惑を......え?あ、はい......!あ、たった今原因がわかったそうで......あ、点いた。皆様、電気が点きました!これでもう、大丈夫です!」
......
......
......ん......っ!頭が痛い......外が騒がしい。何だ?真っ暗だ。......そうか......停電だ。
ホテルが大停電に陥っていた頃、女は深い眠りの中にいた。
停電が復旧し、未だその混乱の騒ぎが残る中で、女は静かに目を覚ました。
(......あれ、何も見えない......明かりは......)
女はスマートフォンを手に取り液晶を照らした。
(......おかしいな。充電切れか)
しかし女に明かりは見えない。
そこで漸く女は気付く。
(......違う......おかしい......さっきの外の話。停電はもう復旧してるはず。非常灯だって......こんなに暗いはずが、ない)
そう。女には――(私には――眼が、ない)
「え......うそ......ひっ、ぃいやあああああ!!」
不測の事態に思わず声が漏れる。
女には眼がなかった。
さっきまであったはずの、美しい眼が。
(まてまてまてまて......!どういうことだ!思い出せ思い出せ何があった思い出せ......!)
思い出せ!
‐2:00 p.m./女の自室‐
私は部屋に戻った後......そうだ。少し考え事をしていた。
(ああどうしよう......予定が狂った......どうしよう)
そうだ。予定が狂った。クソッ!
停電だけは予定通りに起きて......その後確か水を一杯飲んだ。
そこからの記憶がない。
そういえば急に眠気が。
薬か。
いつ?
‐1:00 p.m./ホテル内レストラン‐
「すみません、相席お願いしても良いですか?」
男......ここじゃあまり見ない顔だ。
「いやー、突然こんなことを言って失礼かもしれませんが、貴女はとても美しいですね」
やけに私の目を見て話す。気味が悪い。
「本当に貴女はきれいだ。美しい」
そういえば......私が一度トイレに立った後からしきりにワインを勧めてきた。
薬......あの時か。
「ふふ。お世辞が上手ね。でもそろそろ部屋に戻らなきゃ」
そうだ。計画の時間が迫っていた。
......あの男、何なんだ?
‐1:30 p.m./女の自室前廊下‐
「あ、こんにちは」
「あら、ごきげんよう。今日はサッカーの練習、行かなくてもいいの?」
部屋の前であの少年に会った。
そうだ。あいつのせいだ......あのガキがいたせいで私の計画は......
「今日は中止なんです。さっきから急にすごい雨でうんざり」
「そう。残念ね。(本当に。残念)」
失敗した。
‐現在/女の自室‐
(......っ!クソ!頭が痛む。目は......最早痛みすらない。何故だ。何故私の眼がない......どうして......)
「どうしてこうなった!」
「うるさいな」
思わず女が叫んだ後、声が聞こえた。
女のものではない、他の人間の声だった。
「うるさいんだよ、さっきから」
「お前は......」
「せっかく"この人"と見つめ合ってるんだ」
「お前が......」
「邪魔しないでくれないか?」
その声は、昼食の時に会ったあの男のものだった。
「いやー、運命だと思ったよ。今朝、君を見かけた時」
......どうして
「どうしても"この人"を僕のものにしたくてね。はは。ワインに睡眠薬を混ぜたんだけど、気付いたのかい?」
そうか......
「すぐに席を立ったから。正直焦ったよ?追いかけたけど、君は部屋に入ってしまったね」
計画が......私の......
「でも停電になって。心配したんだ。"この人"に何かあったんじゃないかって」
......失敗したからだ
「慌ててかけつけたよ。部屋が開いてて良かった。停電でオートロックが故障したのかな」
失敗したから......私は
「君がこの部屋にいてくれて良かった。他所で何かあっても僕にはどうすることもできなかったから」
そうだ......失敗したから私はこの部屋に残った。この部屋で、眠りに堕ちた
「おかげでまた、"この人"と再会できた」
私の......計画のせいだ......
「ああ。貴女はなんて美しいんだ......」
私の......失敗のせいだ......
「本当に。なんて美しいんだろう!」
失敗した......計画が
あの女を......
殺せなかったから
女の脳裏に一人の女性の顔が浮かんで消えた。
その女性は、あの少年の母親だった。
女は殺人鬼、通称Aと呼ばれている。
女は少年の母親の殺害を目論んでいた。
少年がサッカーの練習でいなくなる昼間を狙った計画だった。
母親が独りになったタイミングでホテルに停電を引き起こし、オートロックを突破し部屋に侵入した後殺害。
これが女の描いたシナリオだ――しかし。
この日は不測の大雨となった。
少年のサッカーの練習は中止となってしまい、女の計画は破綻した。
殺せなかったから。私は......
私はこいつに......私の眼を......
殺せなかったから......いや......殺せる
まだ、殺せる......こいつを殺して......あの女も
殺せる......
殺せる
殺す
「殺す」
「へ?」
「死ね」
女は男の声がする方へ飛び込んだ。
足の裏に割れたグラスの破片が刺さる。
最早痛みはない。
思い切り足を踏み込み、隠していたナイフを男の喉元へと突きつける。
「ひぃ?!」
グチャ
女の頭に鈍い衝撃が走った。
何だ?何が起きた?
女から遠のいていく全身の感覚。
立っているのか、寝ているのかさえわからない。
どうなった?私は今、どうなっ......
グチャ
グチャ
グチャ
......
......
「ふぅ......びっくりした」
男の前には女の体が横たわっていた。
男は掌を広げ、その上でキラキラと光る宝石のようなものを大事そうに愛でている。
「心配したんだ。停電があって、貴女が傷ついてしまったんじゃないかって」
それは女の"眼"であった。
「でも無事でよかった。本当に、貴女はきれいだ」
そう言って男とその眼は見つめ合う。
その眼を前にして、以前の持ち主であった女は肉塊となり転がっていた。
男は窓を開けた。
まだ雨は降っており、火照った頬に滴が当たる。
「行こうか」
男はその美しい眼に語りかけると、窓の外へと飛び出した。
私は薄れゆく意識の中で、男の顔を見たような気がした。
私の方を見つめる、笑った男の顔。醜い顔。
(ああ、失敗だ。失敗した......)
最悪だ。
そう思ったのを最後に、私の意識は闇へと堕ちた。
○Case3の女は男に目を抉られ殺された
○AとCase3の女は同一人物である
○Aの標的は少年の母親である
○Case3の女は自身の失明に気付き悲鳴をあげた
○少年がいたためにAの計画が失敗した
○Aの計画が失敗したために女は部屋に残ることになった
「Goodスープ認定」はスープ全体の質の評価として良いものだった場合に押してください。(進行は評価に含まれません)
ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。