魚眼レンズ

カメオは扉の外側から覗き穴を覗いた。ぼんやりとしてよく見えなかったが、なんとか明暗くらいは分かった。

カメオは一旦扉から離れてチャイムを押した。すると、ピンポーンという音が室内から聞こえた。

そのことを確認すると、カメオは急いで覗き穴を覗いた。覗き穴は相変わらずぼんやりとしてよく見えなかったが、やがて真っ暗になった。誰かが、覗き穴の向こうに立ったのだ。

どうやら、カメコは在宅だったらしい。以前のように邪魔者がやってくると面倒なので、カメオはこっそり作った合鍵を使用せずに帰ることにした。



またやってくるよ。今度は君のいないときに。



覗き穴の向こう側にいるであろうカメコに向けてにっこり微笑んで、カメオは合鍵をポケットにしまった。





要約



ストーカーが家主のいない間に鍵を使って侵入しようとしたが、覗き穴の明暗で家主がいることが分かったので、大人しく帰ることにした。