『 アリスの　”二重”の扉 』

ウサギさんとスッポンくんは、二人でお空を見上げています。



スッポン 「ああ、お月様はきれいだなぁ。それに比べてボクは…。比較対象にされるのも仕方ないや…」

ウサギ 　「それは違うよ。月とキミが比較されるのは、キミの甲羅が丸いからだよ。決して、キミが醜いわけじゃない」



スッポン 「ウサギくん…。」

ウサギ 　「ボクなんか、月に行ったら強制労働でモチをつかされるんだぜ！気にするなって！」



スッポン 「…ありがとう」

ウサギ 　「よせやい！ よーし、じゃあ、あの山までかけっこだ！負けたほうは、スープの材料ね！いいかい？」



スッポン 「へ？！なんでそんな展開に…まぁいけど（ウサギ君に食べられるんなら、それでもいいや…）」

ウサギ 　「いいの！？ ヤッター！ 今夜はスッポン鍋だ！へっへーん、かけっこでボクが負けるわけないもんねー！」



スッポン 「…ウサギくん？さっきの優しさは、何だったんだい…？」

ウサギ 　「もちろん、キミをおだてて油断させるためさー！じゃあ、いくよ？よーい…」



スッポン 「（このウサギくん、イナバ出身かな…）…どん！（カプっ）」

ウサギ 　「？！アイタタ！いきなり噛まないでよ！…っていうか、今もの凄く早くなかった？」



スッポン 「ウヒャヒふん…ヒュッホンのホウラはなへやわらはいはひっへるはい？（ ※１） 」

ウサギ 　「スッポンくん…ボクは、キミが何を言ってるのか、さっぱりわからないよ…（そりゃそうだろう）」



スッポン 《（心の声） スッポンは甲羅が柔らかい分、俊敏な動きができるんだよ。特に、獲物を狙う一瞬はね…》

ウサギ 　「いたい、痛い！ 離してよ ！ そしてちゃんと話してよ！ ボクは ” 噛め ” なんていってないぞー！」



スッポン 《知らなかったのかい？ ”スッポンからは逃げられない…！ ” 食いついたら離さないのさ（そして話せない）》

ウサギ 　「うわーん、ワニさんといい、何でみんなボクを噛むんだよー！…ああ、ボクの黄金の足が、ちぎれちゃうー！ 」



スッポン 《…ボウヤだからさ。まずは、幸運をもたらすと言うその左足を頂こうか！ ボクは基本的に肉食なんだよ…》

ウサギ 　「アッー！」



※１ …「ウサギくん。スッポンのコウラはなぜやわらかいかしってるかい？」　





…ウサギの肉は、鶏肉のような味だそうです。だから、ウサギの数え方は「１羽、２羽」と数えるのです…　

ああ、ウサギ 美味し かの山…　（注：　本当は”追いし”）





さて、今回のワードは「ウサギ」「スッポン」「月」でした。



「月」を導くためにスッポンを選んだのですが、やはり最初は「ウサギ」　⇒　「カメ」を連想されたようですね！

しかし、それは正解に至るルート。ヒントでもあったのです。（あと「ウミガメ」も出るかなー、と期待しておりました。

（「スープの材料」という質問で思わずﾆﾔﾘ＾＾　スッポンも鍋・スープの材料として有名ですからね！）



※　ちなみに今回のラテシン市場は「 ラバーカップ （ 俗称 スッポン ）でした！







なぞなぞについて：



１ 【 臼 と 杵 】



特に説明は要らないですね。月の模様は、臼と杵でモチを搗いているウサギさんです。



２ 【 タヌキ と おばぁさん汁 】



臼と杵、ウサギといえば… おとぎ話 「 カチカチ山 」 。

「カチカチ山」では、おばぁさんがタヌキに騙され、臼と杵で搗かれて、タヌキ汁ならぬ”おばあさん汁　”にされてしまいます。

そして、それをおじいさんに振舞って…。おじぃさんは、ショックで寝込んでしまいました（そりゃそうだろう…）。

（さすがに、最近の絵本では描写から省かれているようですが）



３　【　鶴　】　

「スッポン」という答えを導く際の通過点「カメ」。これと、「月」を進めた「年」とを組み合わせると…。

「 鶴は千年 亀は万年 」というワードが出てきます。



４　【　甲（羅）　】

３同様に考え、今度はモノに関することわざを連想すると…

「 亀の甲 より 年の功 」というワードが出てきます。「功」はモノじゃないので、答えは「甲」！



なお、システム的にも２０の扉とそれほど変わるわけでもなく、今までの３回を経て皆さんも慣れてきたと思いますので、

次回より「新ジャンル」ではなく「２０の扉」で投稿させて頂きます。（管理人さんからも、そうするよう指示を頂きました）



ネタはまだまだありますが、よかったら皆さんも、この形式で問題を作ってみませんか？自分も参加する側になってみたいです！