人は見た目が0.00%

「人は見た目より中身。」



カメオの座右の銘だ。

醜い容姿のカメオは人を見た目で判断する人が嫌いで、いつか本当の自分を見てくれる人が現れると信じていた。

そんなカメオがカメコに出会ったのは大学の学食、友達と楽しそうに話すカメコに皮肉にも一目惚れしてしまった。



「彼女なら……カメコさんなら本当の僕を見てくれる……！」



なぜならカメコは生まれつき盲目であったからだ。



誰にでも優しく、不幸を感じさせないほどに明るい彼女。

カメオはカメコの全てが愛しくなった。

カメオの努力も結び二人の距離は段々と縮まっていった。



「……ねぇカメオさん。私の目ね……治るかもしれないの……。」



「えっ！？本当に！？」



「ええ。来週には手術をするわ。」



「……そうか。……治るといいね……。」



「うん……。」



カメオは自分を憎んだ。

少しでも彼女の目が治らなければ良いと思った自分が許せなかった。

きっと顔を見られれば彼女は幻滅するだろう。

さんざん人は見た目ではないと言っておきながらカメコには一目惚れだった。

自分はなんてずるい人間なんだ……と。



「……カメオさん。私ね、自分の顔もあなたの顔も知らないのよ。」



「……え？」



「あなたは私の全部を知っていて、受け入れて……愛してくれているでしょ？」



「……。」



「私も全部知りたいの。知らないままでいたくない。あなたの見た目も中身も、全部含めてカメオさん

なんだよ？」



「……でも僕は……ブサイクだから……。きっと嫌われる……。」



「え？その時はその時でしょ？」



「……くっ……はは、ひどいなぁ……ありがとうカメコ。頑張れ。絶対治るよ。」



「……うん♪」



一月後。

今日はようやくカメコの目の包帯が取れる日。

カメコの病室へ赴いたカメオの足取りは重く、病室の扉が鉄のように重く感じた。



部屋のベッドに横たわる 彼女と目があった。



「……一目惚れしたよ。」



「……嘘つけ……。ははっ……。」



「本当だって！もー。」



カメコはカメオを一生愛した。

カメオもまた―――。



【答】

カメオは容姿が悪く人を見た目で判断するのが嫌いであった。そんなカメオが好きになった人、カメコは目が見えない。手術後に目が見えるようになったカメコは容姿に自信の無いカメオを見て「一目惚れしたよ。」と一言。カメオはカメコを一生愛した。