ジレンマ

私は学生のころ同時に二度失恋をした。





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その日、カメコにある質問をされた。



「ウミノって、もしかしてあいつのことが好き？」



それを聞いて私は次に言うべき言葉を理解した。



「いやいやいや冗談が過ぎる、それはカメコの方でしょ」

「えぇっ、知ってたの？」

「私がどんだけあんたのこと好きやと思ってんの、丸わかりやで」

「うわー恥ずかしー……」

「大丈夫大丈夫、絶対うまくいくよ」



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当たり前のことだった。

カメコはあいつが好きで、あいつもカメコが好き。

うまくいかないわけがない。



私がどんなにカメコが好きでも。

私がどんなにあいつが好きでも。

うまくいくわけがない。



二人が結ばれたとき、

私は失恋の悲しみで絶望したが、それと同じくらい自身の理想とも

いえる二人が結ばれたことに幸福も抱いた。

これ以上に愛せる人はできないだろうとまで思うくらい、

理想の女性と男性だった。





あれから数十年。

私はまだ、二人を愛し続けている。







【要約】

ウミノは『嘘＝あいつが好きではない、真実＝カメコが好き、

告白がうまくいく』という言葉を伝えた。

カメコは告白がうまくいき幸せとなったが、ウミノはカメコと

あいつを愛していたため絶望し、そして同じくらい愛していた

二人が結ばれたことに幸福も抱いた。

ウミノにとって二人は自分が人として好きなものをすべて持っていた

人だった。



相反する想いに悩むウミノのお話でした。