相手が誰かはわかっているんだ

携帯を見るほどの余裕もないような激務を終え、会社から帰ってきたカメオ。

親切にも家の前で待っていたお隣のお喋りおばさんウミコから、カメオの妻であるカメコがカメオのものではない車に乗って家を出て行った事実を聞いた。



ウミコ「あなたが出かけてすぐだったから、もう半日以上前の話よ。いえね、あたしはすぐ連絡しようとしたのよ？でもあなた、何度かけても電話に出ないから.....」



慌ててカメオはカメコに電話をかける。

それはもう、ものすごい形相で。

（なんてこった、目を離すんじゃなかった。ああ早く出ろ、出てくれ、カメコ！！今お前はどうしてるんだ.......）



永遠とも思えたコール音が途切れ電話口から聞こえてきたのは、カメコと、そしてカメオにとっては顔も見た事がない男の声。



だがその声を聞いた瞬間、カメオは嬉しくて嬉しくてたまらない気持ちになった。





いったいどうしてだろうか。状況を説明せよ。