ベッドイン

カメオは正体不明のストーカーに悩まされていた。知らない番号からの無言電話、ポストに届く『見ているよ』と書かれた手紙、そして屋外で時折感じる視線。カメオは不安から、夜あまり眠れなくなっていた。

そんな日が続けば体を壊すのも無理はない。顔色が悪いのを上司に心配され、その日は普段より早く帰宅することになった。

ベッドに入ったところで眠れないだろうが、上司に「帰って休め」と言われた以上寝るしかない。

そう思いさっさとベッドに身体を預けた瞬間、感じる違和感。ベッドがすでに温かい。そう、直前まで人が寝ていたかのように……。

カメオはベッドから飛び起きた。ストーカーはカメオの家に侵入していたのだ。恐らく直前までカメオのベッドにも入り込み、ナニかをしていたのだろう。今日はいつもより早く帰宅したから気づけただけで、これまでにも何度も侵入していたのかも……。

もはやこの家も安全ではない。明日一番で警察に駆け込むことを決心しながら、カメオは近くのネットカフェで一夜を明かすことにしたのだった。