犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ

何故こんなことになったのだろう・・？



世界は・・いつの頃からかゾンビにまみれていた。

人々は襲われ、噛まれ、、次々とゾンビとなっていった。



最後の希望は、博士がいう【ゾンビウィルスに対する抗体】とやらが発見されることのみとなった頃、

私は元軍人という経歴を買われ、博士がフィールドワークする際の護衛部隊に組み込まれた。





万が一にも博士を危険にさらしてはいけない。



そのため、ゾンビに噛まれた際は速やかに他の隊員によってそのメンバーを排除する

そんな鉄の掟も存在していたが、幸いにも部隊にはゾンビに噛まれるような間抜けは存在しなかった。





・・・私が、久しくあっていなかった愛犬を発見するまでは。





懐かしさで、つい撫でようとして・・牙をむかれた。



犬ゾンビがいる・・ということは知らないわけではなかったが、油断した。



恐怖が頭をよぎる。

このまま自分がゾンビになるということ・・そして、それを知られれば仲間に抹殺されるということ。



「おい！何かあったのか！？」

「い・・いや・・何でもない」



思わず事実から目をそらす。



いつ仲間にバレるか？こうして恐怖の日々が始まった。



2日たち・・3日たち・・1週間が過ぎようとした頃・・

ついに仲間に噛み跡を見られてしまった。



「おいお前！この噛み跡は何だ！！いつ噛まれた！」

「ひっ・・す・・すみません7日前です」



「！？！？！？」

遠くで聞いていた博士が驚きの声を上げた。





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あとで知ったことなのだが、今までゾンビに噛まれ5日間以上意識を保っていた人間はいないのだそうだ。



つまり・・探していた抗体は、私の中に存在していたのだ。



それがわかってしまえば博士の仕事は早かった。



こうして、私は後に



人類を救う特効薬の因子を備えていた男



として英雄視されることになったのであった。